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て?
「でかいなぁー」
厄災級のデスギンチャクはでかかった。
「まーたウネウネしてるよ」
デーモンアイズにしてもキナップジェリーにしてもウネウネクネクネ。
デスギンチャクは上にウネウネだ。
こいつはオレの知っているサイズのイソギンチャクとはかけ離れた存在だった。
そもそも丸太サイズの触手を持っているイソギンチャクだ。でかいに決まっている。
体というか、本体というか、とりあえずとてつもなくデカい。
「屋敷くらいあるんじゃねーか」
『伸ばせば限界が測れないくらいの触手もあるくらいだからなぁ』
水気を帯び、テカテカしているデスギンチャク。
「名前どうするかなぁ…」
未だかつてイソギンチャクに名前を付けた経験なんてない。
「ギンチャク…銀ちゃんでいいか」
日に光るデスギンチャク、結構銀色系といえば銀色系だし。
魔力を込めてデスギンチャクから伸ばされた触手を触り魔力をたんまり込める。
「お前が防衛の要なんだからな、頼りにしてるぞ銀ちゃん」
オレに触られてる触手以外をウネウネさせている。
「この手はもう洗えない、と言っています」
「オレ、アイドルとかじゃないし」
というか手なのか?
「銀ちゃんはお任せ下さいと仰ってます」
『美味しい魚が無限に湧いてくる素晴らしい職場を有難うってさ』
魚ってあの危ないサメだよな。
「無限に湧いてくる?」
『あそこ、どっかの地下水脈と繋がっててそっから流れてくるらしいんだ』
「そうなんだ?」
『そもそもケイブシャークって日の光の当たらない場所を好む生き物だからな。夜中になると餌を求めて出て来て日が出てくると住処に帰ってたんだ。今はあんまり帰れてないみたいだけど』
まあ井戸に近づく生物全部を倒すように指示を出してるから仕方ない。
「あいつ美味しいのかー」
『どうなんだろ? サメってヒレ以外は新鮮なうちにしか食べないって話だけどな』
臭くなるって話を聞いたことがある。
でもその分ヒレは高級食材だ。
以前食べた満漢全席にもスープがあった気がする。
そんな俺達の会話を聞いてウネウネしだす銀ちゃん。
「捕獲しておきますか? と銀ちゃんが言っておりますが」
「んー、まあサタンコックと相談してからだな。あいつ食事作るのに命かけてるから」
『最近は調理済みの物を出すと自分だけ食べて再現しようと色々と素材を要求してくるんだよな』
サタンコック一人で1日3000DPも予算持っているからな。コアがたまに質問攻めにあっている。
「もし必要になればすぐに仰ってください、だそうです」
「了解、必要になったら言うな。戻ってくれ」
オレは魔法で銀ちゃんを元の位置、2つ目の湖の井戸の近くに転移させた。
厄災レベルってのは良く分からないけど、きっとすごいんだろう。しかも自分の得意な場所にいるからきっと大丈夫。
「あそこに辿り着くのにヘルギンチャクも配置されているんですから、やりすぎなレベルですよ?」
シヴィーのお墨付きもある。
『マスター、リリア達からお願いがあるってさー』
離れていても、コアが連絡をしてくれるから便利。
「なんだ? 農耕区画で問題か?」
せっかくだから見に行こう。




