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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
魔物の襲撃と街の危機
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木の矢って聞こえはいいけど、時代背景的に比較的真っすぐな枝を加工しただけのものよね

「コア、万里の長城わかるな?」


『おう? もちろんわかるぞ』


 皆さんご存じ、中国の世界遺産だ。


 あれを参考に街を囲う。当然街の出入り口には開閉門を作るし、内側からは上がれる様に階段も設ける。


 オレはシュミレーターを起動して、必要DPを計算…高いんだけど!


「なんでこんなに高いんだ?」


『侵入者がいる状態でのダンジョンの改変はな、侵入者に不利すぎるから簡単に出来ない様になってんだ』


 言われると確かにそうだ。


 侵入者が歩いている最中の道に監視しながら細工をすれば、簡単に圧殺出来てしまう。


『罠なんかは設置出来ないぜ? 元々あった罠を作動させたりはできっけど』


「今回は、罠はいらないかな」


 防衛壁の上から矢や魔法で攻撃するだけでいい。


 敵台も作成だ。


『あと侵入者の足元には出せないからな』


「了解だ。上から見て問題ない場所から順に作るぞ。だけど湖の部分がなぁ」


 龍のブレスで出来た湖の一部はダンジョンの外だ。流石に深い水底から壁を建てるのは無駄が多いし意味をあまり成さない。水をせき止めるのも問題だ、川からの流水が止まったらいずれは水が干上がり井戸が見える様になってしまうかもしれない。


「…ああ、あそこの守護に置いた魔物達も水がないとまずいか」


『マスターが水の神様から加護貰ってから随分元気になったぞ。進化した奴もいるし』


「なぬ?」


 今度確認しておかねばなるまい。


「そう言えば残りのDPいくつ?」


『ケレンセリッシュ様が大雑把に置いてってくれたのとエメラ様の滞在DPとで結構増えたぜ? 今は3000万DPちょいだな』


 なら余裕か。でも通常の5倍以上のポイントを消費して物を作るのは気が引ける。


「勿体ないかー」


『ケチケチすんなよ! たった30万だぜ?』


「そうなんだけどさー」


 街を守る為とはいえ…ていうか守らないといけない訳じゃないんだけど。


「あー! でも後味絶対悪いよなー! 人間に変わってオーガとかが街に住んだら絶対臭いし」


『温泉でも出してやりゃーいいじゃねーか』


「温泉かー、温泉屋敷に引こうかな…」


『いいんじゃね? 1万もしないぜ』


 やるか。いや、温泉じゃなくて壁の方ね。


『マスター、ゴ進言ヨロシイデショウカ』


「お? どうした?」


『壁ノ上カラ攻撃サセルニシテモ、彼ラ人間共ハ魔法使イも弓矢隊モ少ナク防衛ニ不安ヲ感ジマス。壁ノ上カラ攻撃可能ナ武器モ彼ラニ与エルベキカト具申イタシマス』


「あー、なるほど」


『あんま強い武器は出せないぞ? 禁則事項に引っかかる』


「そうなんだ?」


『昔ダンジョンマスターが侵入者と戦った時に際限なく武器を出して戦った奴がいてな、強くもねー癖にDP任せでいい武具出して戦闘ばっか長引いたらしいんだ。そん時見てた神々がつまんねーって言って侵入者のいる場所で武具を出すのがNGになった』


 く、余計な真似を!


「じゃあこの壁の上から攻撃出来るような武器で出せないんかー」


『木の矢と竹槍くらいなら出せるぞ。鉄製品はダメだ』


「うあぁ。原始時代かよ」


『アノ程度ノ雑魚相手ニ苦戦スル様ナ、弱イ人間共ニハアル意味相応シイカト』


 まあでもないよりはマシか。


「じゃあ出すか。人間側の戦力は何人くらいだっけ?」


『戦闘ニ参加シテイタ者ハ155名デス。怪我ヤ魔力欠乏ニヨリ、30名後退ヲ確認シマシタ』


 オレは艦長席のサブモニターに街の上部からの映像を出す。


 丁度その頃、ゴブリン達が一旦途切れた。


「よし、敵台に扉、それと防御壁をこのシミュレーター通りに出してくれ。それと木の矢1000本と竹槍30本、それぞれの敵台に設置だ」


『了解だ、50万DPと少し。一気に使うぜ!』

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 木の矢って鏃もないような矢のことなのかな? 竹槍と同レベルみたいだし。
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