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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
魔物の襲撃と街の危機
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ボス戦?

 オレからの許可をイービルアイズがキナップジェリーに伝える。


 メインモニターを映していたキナップジェリーが喜びの踊りを舞い、モニター内に残り3匹のキナップジェリーも映りこむ。


 近くにいたらしい。


「あ」


 メインモニターを映していたキナップジェリーは、素早い動きで空を泳ぐとその長い触手で魔物を絡めとって上空へと浚った。


…ゴブリンキングを。


「え!? いいのかあれ!?」


「いきなり頭を押さえるとは、キナップジェリーも中々やるもんですね」


「神輿の上にいて単純に狙いやすかっただけじゃ?」


『ジェリー共カラ見レバ、ゴブリンモゴブリンキングモ大差無ク、等シク弱イ魔物デアリマスカラナ』


 他のジェリー達もゴブリンキングの近くにいたゴブリンジェネラルやゴブリンシャーマンなどを捕獲して体内に取り込んでいる。


「上位種の方が食いでがあるんでしょうか? 強い個体ばかり狙ってますね」


「おお、溶かされてる溶かされてる」


 体が半透明だから体内に取り込まれたゴブリンキング達がもがく様がくっきり見える。


 そしてそれを呆然として眺める手下の魔物達。


 そして…。


グロオオオオオオオオオオオ!


ブモオオオオオオオアアア!

 ギャギャギャギャギャ!


 魔物達がそこらじゅうで雄たけびを上げて周りのゴブリン達を襲い始めた。


 突如始まった戦闘に魔物達は混乱し、互いを敵とみなして種族ごとに分かれて戦いを始めた。


「うげえ、オーガ強えなぁ」


「トロールなんていたのか、ゴブリンじゃ話になんないね」


「ノイも混ざりたいですっ」


「ノイは今度な」


「あ、ジェリーがまた触手伸ばした」


「結構食べるわね」


 かなりの量の魔物達が互いに殺し合いを始めたり、強者から逃げ出した。


「この群れが解散したら街は大丈夫か?」


「どうでしょうね…いくつかはこちらに向かってくる事になると思いますが」


『恐ラク、散発的ニ此方ヘ向カッテ来ル事ニナルデショウ。ダンジョンハ魔物ヲ引キ付ケマスカラ』


「そういえばそんな設定があったな」


 というか、現在進行形で街で騒がれてた魔物の件ってウチが原因?


「走ってこっち方面に向かってくる魔物はマークしておかないといけないな」


「オーガ達が集まりだしています」


「オークもですっ」


「ゴブリンシャーマンが周りのゴブリンを集めだしたわね」


 捕食していても、ジェリー達からの映像は途切れない。


 たまにすごい速度で地面へ向かって飛ぶからジェットコースターの映像でも見ているんじゃないかと錯覚する。


 そんな状況を眺めていると、今度はゴブリン、オーク、オーガの種族ごとに集まりだしそれぞれの魔物がにらみ合いを始めた。


「これは大規模な戦闘が始まるんじゃないか?」


「戦闘っつーか種族ごとに分かれた戦争じゃねー?」


 コアの言葉に側近達も頷く。


「ゴブリンが退きましたね。こちらに向かう様です」


 ゴブリンを統率していたゴブリンシャーマンが何か叫んだあと、こちらに進路を向けて駆け出した。


 かなりの数のゴブリンがそれに付いていこうとする。怪我を負ったゴブリンが踏みつけられ、地面へ投げ出されるのもお構いなしだ。


 ブモオオオオオオオ!!


 豚の一鳴き、ゴブリン達を追いかけるようにオークも走り出す。


 グルウウウウウ! グオオオオオン!


 オーガの中でも一際背の高い個体が叫び声をあげると、ゴブリンとオーク達を追いかけ始めた。


『オークトオーガハ、ゴブリン共ニ良イ様ニ使ワレタ恨ミヲ晴ラソウト言ッテイマス。ゴブリンシャーマンハソレヲ分カッテイタ様子、早々ニ群ヲマトメマシタナ。ヤハリ賢イ個体ガイルト動キガ早イデス』


 イービルアイズの通訳。


 ちなみに残っていたトロールはジェリーの腹の中だ。


「こちらに来る頃には、多少数が減っていると思うですっ。何か変化があったらご主人に報告するですっ!」


 もう遅い時間なので今日はとりあえず寝ることに。


 と言うか、ダンジョンの外の状況を確認しても出来ることが余り無い事に気づいた。

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― 新着の感想 ―
・・・ゴブリンキングは強敵でしたね!
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