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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
騎士団の到着とお祭りと
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 その後もお祭りの中でやってる腕相撲(コアの圧勝)や輪投げ(シエンタの大敗)、大道芸人の出し物や素人芸の音楽やら歌を楽しんでわいわいと街の中を移動しまくってみた。


「あ? 魔物か?」


「え?」


 若い男性がちらりとこちらをみて呟いた。こっちをまっすぐ見ている。


「…… やはり魔物だな。こんなところで何をしている」


「我らは半魔ではあるが、何か問題か?」


 ドミニクがオレ達の前にずずいと出てきて反論を始めた。

 あくまでも街にいる自分たちが魔族のハーフだが問題あるかとの態度でだ。

 実際には下級魔族だから問題あるけど。


「街の中に魔物がいて問題はないかだと? 問題だらけじゃねえか!」


 男がなんの前触れもなく剣を抜く!


「あらあなた。こちらの人間じゃないわね?」


 その男に目線を向けたままのシエンタが問いかける。

 確かに男の容姿は黒髪に黒目、彫りの浅い日本人顔だった。まあだからって日本人かは分からないが。


「どちらの神がこぼしたのかしら?」


「こぼした? 俺はシンドリア様から正式に召喚された勇者だ!」


 シンドリア様?


「知ってる?」


「いえ、お聞き覚えがありません」


「しらねー。そんなお方いらしたか?」


「まあ普通知らないわよ。こことは違う世界の神ね」


 事もなげにシエンタ様が答えてくれる。


「何だと!?」


「地球から異世界召喚はもう普通には行えないわ。昔と違い地球の神が強力な結界を張っているもの。そんななか無理して召喚しようとして失敗したんじゃないかしら? 次元の狭間を彷徨ってるところをナラヴィル様がお拾いなさったんでしょう。シンドリア程度の力で地球の結界を正常に突破出来ないわ」


「神様の話ですよね?」


「そうよ。こことも地球のある世界とも違う世界の神、シンドリアね。この世界の話ではないわ」


「何を……」


「ステータスとかないでしょ? 説明受けた時と違うって思わないかしら?」


「それは……」


「シンドリアは自分の世界の発展の為、様々な世界から生物を浚って交配させてるのよ。自分の下僕に相応しい最強の生き物を作るためにね。でも知能レベルが足りないからって、一時期知恵ある生き物を大量に召喚したの、そしたら今度は知恵ある生き物同士で戦争が勃発してね、世界規模の戦争が起こり収拾が効かなくなったの。だから今度は異世界からそれらを討伐出来る存在を召喚しようとして…… て感じであれの世界はボロボロなのよ」


「そんな世界があるんですか」


「シンドリアは欲深い神で、自分以外の神を罠に嵌めて滅ぼしたり封印したりして世界の管理者が足りないのよ。自分の眷属神も信用出来ない偏屈だし」


「詳しいですね」


 他所の世界の事まで知ってるとは流石はシエンタ様だ。


「以前スカウトされたから調べたの。まあ結果は言った通りね、だからお断りしてお帰り頂いたわ。力尽くでね」


 神様を力尽くで押し返すってすげえな。


「地球以外からも異世界召喚はあるけど、この世界で他所の世界に介入出来る存在はナラヴィー様とナラヴィル様のお二柱だけ。そしてそのお二柱は以前と違い、ここ100年は地球から人を引っ張ってこないわ。だからおこぼしだと思ったのよ」


「それがどうした! それでも俺は勇者だ! 神聖国ネイヴィエラの勇者だぞ!」


「ネイヴィエラ?」


「お隣の国ですね。東の国境を守る砦の向こうの国だっけかな」


 しかも勇者とかちゃんといるんだ?


「勇者なの? おかしいわね」


「何がおかしい!」


「だって、貴方勇者なんでしょ? なんで呪いなんて貰ってるの?」


「は?」


「「 呪い!? 」」


 思わず後ずさるオレとコア。待ってましたと言わんばかりにシルバリオとジオがオレ達の前に出る。


「シャイン」


「はい?」


「…… 分かりなさいよ」


「え? え?」


「呪い判別、出来ないのかしら」


「出来ます出来ます!」


 ブンブンと首を縦にふるシャイン。


「えっと、呪いの内容知りたくないですか~? 怖いから剣を収めてください~」


「はあ!? 何言ってるんだ!? お前も魔物の仲間か!!」


「お師匠様! この人怖いですっ!」


 涙目で帰ってくるシャイン。


「拘束しますか?」


「捕まえましょうか?」


「たおす!」


 シヴィー、シルバリオ、ジオの順だ。


「いえ、お三方のお手を煩わせる訳には」


「やめとけ、こいつお前らより強いぞ。圧倒的に」


 ドミニク達下級魔族ではとてもじゃないが敵わない。


「んー。じゃああれか、どっかでゆっくり話でもするか? カレー好きか?」


「カレー!?」


 この世界に無い(あるかもだけど見たことない)食べ物その1で釣ってみる。


「福神漬けもあるぞ」


「福神漬け!?」


「なんならおかずにから揚げ付けるか?」


「ぐ、ぐぬぬぬぬ……」


 中々頷かないな。


「ふむ。信じないか、じゃあコ、セカンド。コーラ出して、瓶の」


「2本いいか!?」


「3本じゃないかしら? ストローもお願い」


 地味に便乗するシエンタ様。


「じゃあ3本だな」


「ほいほい、ここじゃちょっと割高になるが…… 武器じゃないから大したことないか」


「必要経費って事で」


 コアが瓶のコーラを3本出したので、それをコア、シエンタ、それと勇者君に渡す。

 まあ勇者君に手渡ししようとしたら止められたから渡すのはドミニクの役目だが。

 コアはなんでビンのオープナーを常備しているんだ?


「…… こんな味だったかしら? 炭酸きついわね」


「うおおお、コーラだ! マジでコーラだ!」


「ごくごくごく」


 三者三様のリアクション有難うございます。


「さて、勇者君。オレ達について来てくれないか? 話し合いをしよう」


 久しぶりのコーラにテンションが上がってたらしい勇者君は頷く。

 コーラが好きな子で良かった。

おそくなりましたー。

こっちはおいてけぼりの方の筆が止まった時にしか今は書いてないので更新が遅いっすねー。

気長に待ってくだせー

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― 新着の感想 ―
[良い点] 食い物で懐柔される自称勇者さま。
[一言] おいてけぼりの方から来ました こちらも面白いです 銀龍は神様といましたけどダンジョンで死んで吸収されたのとは別に復活したんでしょうか
[気になる点] シエンタ様はコーラを知っているですね。 連絡用端末がケータイやスマホじゃないから 1980年代の女子高生だったのかねぇ。
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