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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
騎士団の到着とお祭りと
221/235

221

『無事だったか』


『そっちもな、怪我人は任せちまったぞ』


『救助出来たのか。優秀だな』


 騎士団と一足先に合流し、安全地帯に設置されている水場の近くでドミニクとケルブが休んでいるとドレッドが合流してきた。


『あんな巨体が動き回った場所なんだ、そこまで難しい話じゃない。そっちを放置する形になってすまないがな』


『構わないさ、元々君らは案内役だ。それに人命を優先したのだろう? 褒めこそすれ文句をいうつもりはないよ』


『ありがたい。そっちはどうだ?』


『一人は重傷だ。もう一人も怪我は酷いが死ぬようなものではない。いま騎士団の治療師が対応をしてる』


『あの男か。治療師といえば女性が定番だと思ったんだがな』


『まあ看てもらうんなら女性がいいが、行軍には向かないだろ?』


『確かに』


 ドレッドが若干疲れた顔をしながら、ドミニクの横に座り息を吐く。


『はあ、生きててよかったっす』


『無事救助出来て何よりだ』


『そっちじゃなくて隊長さんっすよ。報酬くいっぱぐれはゴメンっす』


『この後はどうするんだ?』


『ああ、そうだった。ここで野営の準備に入るらしい。夜になる前に簡易の馬車を組み立てて怪我人は搬送するそうだ』


『用意周到だな』


 行軍するにあたってその辺は準備していたらしい。組み立て式の馬車ってなんか面白いな。


 そっちを見ると、馬車というよりは荷車を組み立てているところだった。


 話を聞くと、道が悪いと使えない代物らしいので使えてラッキーだったとの話。


 他にもテントやら何やらを組み立てている最中の人間がちらほら。


 火を起こすため、薪を集めに動いている人間も多いがまだ火はつけていない。


『こっちも野営の準備をするっす。でもまだ火はつけない方がいいっすね』


『ああ。というか今日は火は使えないな』


『面倒っすねぇ』


 安全地帯にドッポライノスは入って来ないが、念のため使わないらしい。


『問題ないと思うっすけど』


『今日は雇われだからな。我慢してくれ』


『お湯もダメとか拷問っすよ……』


『まったくだ』


 野営ポイントには他の冒険者達もいた。そしてそちらに騎士団の人間が注意喚起をしていた。


 文句を言っている人間も多い。


『今まで問題なく使えていたのだ。文句を言う冒険者も多そうだ』


『そこはほら、隊長様の出番っす』


『むう』


 冒険者にも顔の利くドレッドの言う事なら確かに聞きそうだね。


『最近は新参者も増えているせいで俺の顔を知らない奴も多いんだがな』


『ま、うちらは関係ないっすからどーでもいいっすけど』


『淡白だな。ところで野営なんだが』


『…… ドレッド殿。また準備をしていないのか』


『剣は持ってきてるのだが』


 はあ、とため息をつくドミニクとケルブ。


 ドレッドとしても顔の知らない騎士団の世話になるよりドミニク達といたいのだろう。


『いいっすけど、火が使えないから干し肉とフルーノっすよ』


『了解だ。食わしてもらえるだけでも有難い』


 ドミニク達魔物が随分まともな人格者に見えてくるぜっ!

剣が一本あればいいー

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