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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
騎士団の到着とお祭りと
219/235

219

 ドッポライノスが暴れまわる森の中腹、先行していた騎士達が木々の背に隠れている。


「さて、どうするかなぁ」


 森の魔物は自然に近い形で放っている。


 ドミニクやケルブが相手でも、普通に襲い掛かってくる連中ばかりだ。


「です?」


「このままドミニクとケルブがドッポライノスとぶつかったら、勝てないよなぁ」


「無理ですっ! 死なない様に逃げ回ることなら出来るかもですが、そもそもドッポライノスの皮膚を貫けないですっ」


 ドッポライノスの体は鋼竜に噛まれても牙が通らないほど堅い。


 見た目でいえば、犀とトリケラトプスの中間みたいな魔物。左右への移動は鈍重だがその突進力と重量は目を見張るものがある。


「ついでにあいつ、魔法も使えるんだよな」


 地面に干渉する土系統の魔法が得意だ。


 地面を隆起させたり壁を生み出したりして敵の行動を阻害し、顔についてる鋭くて凶悪な角で敵を一刺しする戦いを得意としている。


 ノイやフィル、シヴィーが行っても言う事は聞かない。


 オレの命令はもちろん聞くが、こんな事態は想定していなかった。


「死なない事を祈るですっ」


「部下に淡白な子だよホント」


「ですっ」


 ここは騎士団のメンバーやドレッドを説得して関わらせない方向にシフトしてくれる事を祈るしかない。


「祈らなくていいか。エディ」


「「「 はっ。後退の指示で宜しいでしょうか 」」」


「ああ、伝えてくれ」


「「「 畏まりました 」」」


 ウネウネさんにお願いする事にした。


 緊張した面持ちのドミニクが小声でジルノスに声を掛ける。


 流石に音は拾えないな。


 ジルノスの表情は暗い。


 騎士団の他のメンバーは首を横に振っている。


「ドミニクに倒れている彼らの仲間の場所を伝えてやってくれ。一人は既に亡くなってるが一人は息がある。一人でも救えたら彼らも納得するだろ」


「「「 はっ 」」」


 エディからドレイクとケルブにオレの言葉が伝わる。


『救援の音矢が撃たれたのに弓を持ってる奴がいないっす』


『他に人がいるのか?』


『確認しにいった方が良さそうっすね。いたら救援して先に戻るっす』


『いないか、間に合わない状況だったら合流しよう。その時だけ合図を出す』


『わかった、頼む』


 ケルブは懐から灰色の玉を2つほど取り出し、ドレッドに渡した。


 あれは何度か見たことがある。煙玉だ。まあ上級クラスのドッポライノスに効くかは不明だが。


 ケルブとドレイクはそっとその場を離れ、大きく森の中を回りこむように移動。


 迷うことなく、倒れ伏している冒険者の男を発見する。


『さて、どう動くか』


『ここで更に分かれるのは愚策っすね。リーダー、担いでください』


『まあそうなるか』


 ドミニクは倒れた男の怪我の容態を見て顔をしかめると、魔法の袋からポーションを取り出して傷口にかける。


『う、ぐうっ』


 男からうめき声が上がる。


 ポーションは急速に体の治療を促すので、重症を直す時なんかはめちゃくちゃ痛いらしい。


 今使っているヤツはエリーゼ達が開発したのだから、まだマシな方だ。


『あんたら、は』


『静かにしていろ。まだ魔物が近くにいる』


 お前らもだろ、と一瞬思ってしまう。


『仲間が……ぐうっ』


『分かっている。そっちにも人は行っているから大丈夫だ。それより飲め』


 上半身を起こしてあげ、口元にポーション瓶を近づける。


『助かる……』


 男はポーションを一口二口飲むと、そのまま再び気絶してしまった。


『さて、依頼主が死なないと良いが』


『護衛依頼じゃないっすから、それはそれっす』


 ドミニクが男を担ぎ、ドミニクの荷物をケルブが預かり移動を開始。


 騎士団連中の方ではなく、安全地帯の大通りの方へだ。

9/18

総合評価が10000Pt超えてました(先週くらいに超えてたらしいヨ)

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