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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
宣戦布告と塔の完成
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210

「キミ、さっそく作るネ」


 リグレブを供に、打ち合わせ中の神々の所に戻る。


 ケレンセリッシュ様の準備が出来ていたようで、こちらに声を掛けてきた。


「畏まりました。準備を行います…… ニーロイップ様はいかがで…… 」


 視線を向けると、二つのモニターに視線を行き来しながらブツブツ呟いている神様がいた。結局出かけずにモニターでダンジョン内を確認していただけらしい。


 ウチのダンジョンの景色と、地球の様々な建築物を眺めていた。


 表情が危ない。


「ああなると長いネ」


「そのようですね」


 チム達を相手にあーだこーだ意見を言っているが、聞いてはいけない気がする。


 というか、イービルドワーフのハリーも気が付けば混じっている。


 楽しいか?


「マスター歩、君も参加するがいい!」


「いえ、これよりケレンセリッシュ様のご希望のエリアを作成しますので…… よだれ出てますよ?」


「おお、失礼した!」


 袖で口元を拭うニーロイップ様。残念イケメンっているんだな。


「しかし君のいた世界というのはすごいな! これほど芸術的な建造物、見た事ない! どの角度から見ても美しく見えるように設計されたその思想! 太陽や月の位置まで計算され、風景と同化させるその綿密さ! 雲をも貫き、天高くそびえるも外敵からの被害を受けぬ防衛力! かとも思えば絢爛豪華だけではない趣きのある建物!」


「それらを作る専属の者が、長い時を経て知識を蓄え伝統を守ってきた結果に御座います」


 それっぽい回答をしておこう。


「うむ! うむ! まさしくだな! これほど洗練された文化を持つ世界があったとは驚きだ! 戦で失われた場所を復刻させようとする心遣いも素晴らしい!」


「歴史的建築物の損失は文化の損失に繋がりますからね。その損失は芸術だけでは留まりません」


「素晴らしい! そのような考えの出来る男がこの世界にいる、それこそがまさに奇跡だ……」


「そんなことは…… 自分のいた世界では、平和な国はみな同じような考えを持っていたと思います。それこそ、その世界の特徴というか、教育方針というか……」


「教育っ! そうか! 教育レベルからか! 確かにそうだな! 必要な物は教えねばならぬ! 人は生きるのに、何もパンだけ食っていればいいわけではないのだから! これは根本的なところから……」


「そろそろ終わりネ。神を待たせるものじゃないネ」


「あ、すいません」


「むう。ケレン、君は彼のすばらしさが……」


「ウチのが加護を先にあげたネ。このコに目を付けたのはワタシが先ネ。優先順位を守るネ」


「そんなのないだろう!?」


「あるネ。君はもっと神々との付き合いを大事にするネ。技術系の神は自己中心的な存在が多くて困るネ」


 それは神様全般に言える事では?


「君も技術系ではないか!」


「豊潤は自然現象ネ。勘違いしては駄目ネ」


 そう言ってケレンセリッシュ様はシエルに抱っこをねだる。


「じゃあ行くネ。ニーロイップはその辺の神像にでも延々と講釈を垂れてればいいネ」


「その言い分はちょっと……」


「いくらなんでも酷くないかね!?」


「知らんネ」


 力関係が上なのだろうか? ニーロイップ様に遠慮が無いなケレンセリッシュ様。


「キミ、早く移動ネ。バナナがワタシらを待ってるネ」


 ニーロイップ様よりバナナのが上らしい。


 また階層が増えそうだ……。

実際に神々の中で、信者の数が比較的多いのがケレンセリッシュ様です。農民が多いからですね。

その関係で、自然現象関連の神々は信者が多い傾向にあります。

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― 新着の感想 ―
[一言] 着々と神の遊び場になりつつある塔のダンジョンwww 将来最初の攻略者が来た時には。 最早ダンジョンじゃなくて神殿になってるんじゃ?(笑) まさに蓋を開けたら地獄極楽(笑)
[一言] ケレンセリッシュのキャラ好き笑
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