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名乗りを上げると共にコアが巨体のオークへと突撃していく。
オークも雄たけびを上げてコアに向かう。
『だああああああ!』
『ブマアアアアア!』
お互いの拳がぶつかり合い…… オークの左腕が爆散。爆散?
「は?」
「まあ、そうなるでしょうね」
「実力差も分からない屑のようですね」
当然のように頷くフィルとシヴィー。
シヴィーさんや、屑は言い過ぎや。
『ふっ!』
コアは続けざまに腰を落とすと、地面を蹴り体を宙に浮かせる。
無くなった左腕を押さえるように蹲るオークの頭頂部にめがけて、右足で蹴りぬいた。
「うはぁ」
「コア様、張り切ってますね」
「コアさまつよい!」
サッカーボールのように飛んでいくオークの首。
『げ、靴が汚れた!』
片足で着地したあと、そんなことを言うコア。
ミリアが後ろから笑顔で登場し、巨体のオークの亡骸を魔法の袋で回収している。
『大将首をセカンド様が取られたぞ!』
『雑魚を押し込め!』
『逃がすな! 絶対逃がすなよ!』
コアの勝利に沸くアーリマン達。
『なあミリアー』
『いかがいたしましたか?』
『もっと骨のあるやついないのか?』
『近くには感じませんね』
『そかー』
そんな事を言っているコアさん。
『マスター』
「ダメ、見えている範囲片付けたらかえって来なさい」
『ええ!? なんも言ってないじゃんかよ!』
「どうせこのままダンジョン攻めたいとかそんな事言い出すんだろ?」
『う!? だって! こんな強くなれたのに!』
「ダンジョン突入はジオとフィルを連れてだよ。だいたい罠とかどうすんのさ」
そもそも敵のダンジョン内には入れたいと思わない。
『効かん!』
「それでもダメ」
それに敵の出方が知りたい。
「ノイ、どうだ?」
『ごめんなさいマスター。ジェリー達が探してるですが、まだ見つからないです』
「そうか」
向こうもこっちと同じように偵察用の魔物を放って様子を見ているはず。それを捕まえるなり始末するなりしたかったんだけど……。
「空を飛ぶ魔物だと思いましたが、もしかしたら違うかもしれませんね」
「あの群れの後方にいるのかもしれないな。ジェリーにそっちも捜索するように伝えてくれるか?」
『はいですっ!』
名付きの魔物が倒されたんだ。何かしらアクションを起こしてくると思ったんだが。
「セカンド様の力を見て、守りを固める方針に切り替えたかもしれません」
「可能性ありますね。なんといっても名付きの殺戮人形です、オーク程度がいくついても勝負にはなりませんから」
「殺戮……」
なんか種族名物騒な方向に変わってるし……。
「もしかして進化してた?」
『おう! 自動人形から殺戮人形にな! ツーランクアップだ! 名付けってすげえな!』
「今回は魔力を意識して全力で込めたからなぁ」
コアが痛い目をみるのだけは避けたい。
エメラ様とヒュッツァーベル様の加護を合わせていれられるように魔力を全力で込めたのだ。危険域ギリギリまで魔力を練りこんだ時にはフィルの顔が引きつっていたが、こういう事だったのか。
「今のセカンド様と戦うとなると、私も本気を出さなければなりませんね…… それでも足りるかどうか」
「銀龍も同様の処置を取られるとなると、少々怖い気がします」
元々の種族レベルの高い魔物に名付けをすると、それだけ上り幅も大きそうだ。
シヴィーもそうだけど、銀ちゃんとか超強いっぽいし。
『マスター、捕捉したです』
「倒しちゃっていいよ。その後で向こうと回線繋げようか」
『了解ですっ』
ジェリーが意気揚々と戦場の様子を窺っていた狼型の魔物を仕留めた。
おそらく他にもいるだろうからジェリー達に調査を継続させる事に。
こういう事態を考えると、ジェリーも数を増やさないといけないな。
あれ? 201話目更新してない? って思ったら管理ページが3ページ目に突入してたでござる。




