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グレートシンガル達を普通に出発させるのは無理なので、屋上に空間転移で呼び出す事にした。一応侵入者がいないエリアだから問題ない。
でも何があるか分からないからスプリガンを臨時で配置。謎ぢからのおかげで屋上から侵入者は来ないが、地上の街の監視も含めて常駐させておこうかしら。
しかし、向こうからは入れないのにこちらからは出せるとか不思議過ぎる。
ちゃんと戻すのも問題ないからズルいよね。
転送前にダンジョン内の海でグレートシンガルの精鋭3頭が待機。そしてその背には大量の魔物達。
落ちないか心配だ。
『街の諸君、久しぶりだね。こちらは塔の主だ』
街の住人に向かってスピーカーを使い声を届ける。
『新しいダンジョン、楽しんでくれているみたいで結構だ。こちらとしても用意した甲斐があったというものだよ』
あんま無理しなければ安全に稼げる設定にしたつもりなんだけど、予想以上に冒険者達に被害が出ていて正直驚いている。
でもその分、今までDP収益に入って来れなかった冒険者の亡骸が追加したのでDP収益は増えた。滞在させて入る量よりも死体の吸収はDP獲得数値が多い。
『今日は街の諸君に知らせたい事があってね。塔の北部の山岳と森の中間地点にあるダンジョン、そこから魔物が溢れ出している事がわかった』
静かに聞いてくれているかと思ったが、街の至る所からどよめきが起こる。
まあ自分の住んでいる街の近くで魔物が溢れていたらそりゃあ脅威だ。
『確認されているのはオーク族とゴブリン族、それとウルフ系統の魔物だ。ああ、心配する必要はないよ。新しいダンジョンで諸君が戦っている魔物達を彼らにぶつける事にしたからね』
そう。秘密裏に出せないのならば、思いっきり告知する事にしちゃおうと思ったのだ。
ジェリーに確認させたところ、北のダンジョン及びその周辺に街の人間はいないらしく、街の外に出ているのは狩人が少数といったところだった。
『幸い、あちら方面に人間の町や村も無いようだから心配する事もないだろう? 諸君らにも被害が出ないよう心掛けるよ。諸君らにお願いすることは一つ、戦場に近づくなという事だ。ダンジョン同士の魔物のぶつかり合いの中に人間が混じって、どのように巻き込まれてもこちらとしては責任が持てないからね』
このタイミングでグレートシンガル達を転送。
屋上層から飛び出すグレートシンガル。街に大きなクジラの影がかかりはじめた。
『君達から攻撃する事がなければ、彼らには街に手を出さないように厳命している。だが、矢の一本でも彼らに射られたら…… 怒り狂う彼らを私は止めることが無い。とだけ伝えておこうか。分かっていると思うが、あの巨体が街に落ちたらそれだけで被害は甚大になるだろうからやめておいた方がいいぞ?』
2匹目、3匹目が出ると同時に空を飛べるスターグリフォン達と烏天狗達も彼らの周りに散らばる。ジェリーも配置。
先頭はコアの騎乗した星丸だ。横にはミリアもいる。
グレートシンガル達は塔を中心にくるくると回りながら、街の上空を泳ぐ。
『我らの戦力を遠目で見たいのならば見てくれて構わないが、巻き込まれても文句を言わないでくれよ? こちらからは以上だ。日常に戻ってくれて構わない』
オレはスピーカーを切り、台本を閉じるとため息を一つ。
大型モニターはジェリーからの映像。小窓のモニターで領主の館や冒険者ギルドなどを映しているが、そこには多くの人間が顔を出して空を、グレートシンガル達のおなかを眺めて口を開けている。
「まあ街の北の壁のところに冒険者や兵士達が集まるかな?」
「集まるのは仕方ないですね。彼らがおとなしくしてくれていればいいのですけれども」
「どうだろうね。流石にあの婆さんが森を焼いたような魔法を撃ってきたらグレートシンガル達はやられちゃうだろうし」
「その場合は、徹底抗戦でしょうね」
「そうならないことを祈ろう」
空を雄大に泳ぐグレートシンガル達、その上には口を閉じ整列しているリザードマン達とアーリマン達。
星丸の上のコアは時折ミリアや星丸に話しかけていて楽しそうだ。
「怪我はしないでくれよな」
リザードマン達とアーリマン達は怪我人や死人が出るだろう。
名付きの魔物が来たら、コアや星丸達も危ないかもしれない。
それでも、出来れば怪我なんかは少なくみんな無事に帰ってきて欲しいものだ。
空飛ぶクジラが街に落下したら…… うふ
200話目ですね。別段区切ってとか記念SSとか入れないけど。
おかげさまで半年以上更新を続ける事が出来ています。
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ああ、読んでくれてる人がいるんだなぁとしみじみしやる気もちょろちょろ湧き出ます。
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