表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
宣戦布告と塔の完成
197/235

197

「ここから北の位置にダンジョンがあるだろ? 発信源はそこだ」


「ノイ、近くのジェリーを向かわせろ」


「了解ですっ」


 ジェリーの移動速度がオカシイ。早々に北のダンジョンの上空付近へ到着。相変わらず移動速度がおかしい。


「すでに出兵準備は済ませているみたいですっ」


 映像にはオークの群れがいくつにも分かれて整列している、まるで軍隊だ。


「宣戦布告は受け取ったが……、相手さん通信してくる気だな。映像に出すか?」


 ダンジョン同士の宣戦布告はシンプルだ。


 『攻めるぞ!』『嫌だ!』『だが攻める!』


 『攻めるぞ!』『カモン!』『よし攻める!』


 つまり拒否権は無い。


 では宣戦布告する理由は何かと言うと、宣戦布告することにより神々に見て頂けるかららしい。大規模な魔物同士の戦いは神々の娯楽として注目される。


 そして宣戦布告した瞬間に出兵が開始される事がほとんどらしい。


 逆に何も言わずに攻め込んでも問題は無いが。


「待て、音声だけでいい。相手が夜会にいた連中ならオレの顔を知ってるかもしれん」


「了解」


 画面に【Sound Only】の文字。


『ビヒィ! ブヒッ! ブヒヒヒ! ブヒン! ブヒィ!』


 わあ、なんかブヒブヒ言ってる。


「オーク族特有の言語ですね。街のダンジョンの主、顔を見せろと騒いでおります」


「顔を出すつもりは無いな。シヴィー、通訳…… はやめとくか」


 シヴィーに真顔でブヒブヒ言わせるのは嫌だ。


「こっちがしゃべれば、向こうのコアが通訳してくれっぜ」


「そりゃ便利だな。流石コア」


「だろう?」


 てか、こっちでもやってくれよ。


「さて、じゃあ返事をするか」


 スイッチを入れて、ブヒブヒに返事をする。


「なんの用だ? なんでこちらに戦を仕掛けてきた」


『ブヒッ! ブヒヒッ! ビヒッ! ビフンッ!』


「『南から来ていた侵入者がぱったりこなくなった。お前のダンジョンが原因だろう? ぶっ殺してやる』との事ですね、腹立たしい。ジオ、滅ぼしてきなさい」


「わかった!」


「いや、ダメだから」


「…… 意外と早いですね、ジオ」


 オークの軍勢の前に転移したジオ。


「いつの間に転移魔法を覚えたのでしょうか」


「いくらなんでも危険だろ!!」


「すいません、私が行きます」


「頼んだ!」


 ジオの横にシヴィーが転移をする。よし、開戦前にジオを回収できるな。


「ん? 帰って来ないな」


「まあ、見たところリポップモンスターの群れのようですからね。問題はないかと思いますが」


「連絡を!」


「すいません、念話は修めておりませんので……」


「エディ!」


「マスター、シヴィーを信じて下さい」


「別に信じてない訳じゃ」


「シヴィーもジオも、マスターの前で力を振るう機会が余りにも少ないです。ここは少し連中を見てあげて下さい」


「あいつらが強いのは重々承知している」


「ご心配であれば、私も行きましょう」


「エディ?」


「正直、彼らがうらやましいです。マスターに戦う機会を見て貰えるなど滅多にありませんから」


「そうか…… そうだなぁ。みんな戦いたいか?」


「ええ! 許されるのであれば是非とも」


「ノイも行きたいですっ!」


「私はご遠慮致します」


「あたしも行く!」


 フィル以外全員乗り気。そしてまさかのコア参戦宣言。


 お前戦えないだろ?


「いっそのこと行きたい奴全員いくか! 聞いてみる!」


 元気よくコアが言うと、一斉に返事が返ってきた。


「銀ちゃんはダンジョンから離れる気はないって。天狗達とドワーフ達、マーマンやマーメイド達も行きたがってるけど」


「なんでみんなで行く話になるんだよ、そもそも人魚軍団は水場無いから却下だ」


「残念、伝える。セルキー達の非番組、エリーゼ達も目が離せない薬品があるから全員は行けないけど行きたいって」


「セルキー達はメイドだろ」


 シエルが強いのは名付きだからだろ。


「リザードマン達もジョージのところにいない連中が参加を表明、アーリマン達もだな」


 アーリマンは見た目からして戦えそうだけど。


「そもそも移動が無理だろ」


「そういえばそうですね」


 オレの空間転移はダンジョン内限定だし、シヴィーもそこまでの大人数を移動させられるとは思えない。


「塔から出撃させるにしても、塔の周りは街だ。魔物が横断するのは問題がありすぎる」


「じゃあグレートシンガルに運ばせよう!」


「良い案ですね、コア様」


 空飛ぶシロナガスクジラみたいなもんだからな、背中の上に乗ればいけるか。


「どっちにしても人に見られるだろ」


「いいじゃねーか」


 良くねーよ。塔の上からいきなりクジラが出現したらびっくらこく。


「歩様、幻惑胡蝶と超幻魔蝶でカモフラージュしましょう」


「そう言えばいたなあいつら……」


 2Fのミラーハウスで順調に繁殖しているらしい。


「あんなでかいクジラを誤魔化せるのか?」


「蝶達だけでは厳しいのでは? 1匹程度であれば隠せるかもしれませんが」


 エディが思案する。


「まあ考えるのはいいとして、一度二人を戻そうぜ? あいつら2人で敵を全滅させちまうぞ?」


「それでもいいかと思っちゃうんだが。エディ、2人に戻るように伝えてくれ。戦う機会は与えるからって言えば戻ってくるでしょ」


「わかりました」

危険なノリに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
面白い! 続きが気になる! もっと書け! と思った方はブクマ&評価よろしく!
― 新着の感想 ―
[気になる点] ジオ達がアッという間に殲滅して、相手が誰か判らない! かと思ったが、こんなことはなかったぜ。
[気になる点] 返り討ちにしたらDP手に入るんかな? [一言] 銀龍呼ぼうぜ!銀龍!
[気になる点] 会話文の中はエディ『ー』の修正送ってません。 [一言] 相変わらず戦意が高いw雑魚はもう残ってなくても驚きませぬ。 外壁とダンジョン領域外周の間に転送→相手側ダンジョンへなら多少は誤…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ