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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
グレたコアとダンジョン強化
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ばいんばいんはボインボインだよ?

「おお…この光は………」


 座ったままみんなを眺めていたら像が1体光り出した。


 スタイルがバインバインな女神像だ。


「…ようやく祈りをくれましたね、フィリアーネ」


「お久しぶりにございます、エメラ様」


 一瞬硬直したダークエルフだが、冷静に挨拶を返す。


 というか、突然の神様降臨にオレもメイド達もフリーズだ。


「ふふふ」


「むぎゅ」


「もう! フィーちゃんてば突然いなくなっちゃうんだもん! 一体どこのマスターに連れてかれたかと思って調べたのに聞いたことない人じゃない!? 心配で心配で、早くお祈りこないかなーって、早く声を聞かせてくれないかなーって。そしたらすぐそばに依り代が置いてあるじゃない? そりゃあ直接顔を見なきゃって………」


「ムグー! ムグー!」


「あらあら、寂しかったの? そうよね、突然のお別れだったもん。エメちゃんも寂しかったのよ? だっていつものお部屋にいったらフィーちゃんだけいないんだもの。おトイレかなーって思ってちょっと待って、お腹いたいのかなーって思って男子トイレいって全部のドア開けたのにフィーちゃんいないじゃない? リッくんとポーくんに怒られちゃったじゃない。全く勝手にいなくなっちゃってフィーちゃんダメな子ね」


 魔法神エメラ様? のバインバインに挟まれて身動きが取れなくなっているダークエルフ…フィーちゃん? はだんだんと…だんだんと…。


「もう、フィーちゃん? ママが話してる時はママの顔をちゃんと見なさいっていつもいってるでしょ?」


 そういってダークエルフを胸元から解放する。見事に目を回しているな。


「…あらあら、また目を回してるのね。この子も体が弱いから心配だわ。そこのあなた、フィーちゃんを介抱してあげて」


「は、はい」


 メイドの一人にダークエルフを渡す。


 なんかこの女神様すげえ。


「さて、エメちゃんもお茶を頂こうかしら」


「あ、準備させます」


 フリーズした時間が徐々に溶けて来たので、オレは座っている席から立ってメイドに目配せをする。


「畏まりました」


 オレの専属メイドがお茶の準備を始める。


 オレは立ち上がって席を立ち、女神様の椅子を引く。


「ご苦労さま」


「いえ」


 席を勧めた時、ダークエルフを介抱しているメイドとお茶の準備をしているメイドの二人、それと女神様と同じ席に座るコア以外は跪いている事に気づく。


 オレはコアを立たせて、一緒に跪かせた。


「お、おい」


「いいから、合わせてくれ」


 小声でコアに伝える。


「お初にお目にかかります【魔法神エメラ様】、私はこのダンジョンのマスターをしております斎川歩と申します」


「あら…あなたが? フィーちゃんの主なのね」


「はっ!」


 やべえ、どうしよう! ノープランだった!


「あなた、フィーちゃんを呼んでどのくらいかしら?」


「今日のお昼過ぎにダンジョンショップで…ですから約4時間程度かと思われます」


「ふんっ! たった4時間でフィーちゃんの事を分かったと思わないでよね!」


 えー…。


「大体フィーちゃんは80万DPよ! あなたみたいな無名のマスターが彼を扱いきれると思ってるの!?」


「なんかすいません…」


「元々私が手放したくない子は皆50万越えの設定にしてあるのよ? それを簡単に連れていかれるのは困るのよ。わかるでしょう? 大体あなた、海の一族なんだから陸のダークエルフなんか連れてどうする気?」


「えーっと? 海の一族…ですか? 」


「呆れた、あなた自分が何者か…【海の一族】!?」


「海の一族ってなんですか?」


「待って、その気配。瞳と髪の色、間違いないわね…あなた、ダンジョンプレート出しなさい」


「あ、持ってないです。コア、作って」


「うぇ!? えっと、あの。はい、こちら、になります」


 突然話を振られたコアが、しどろもどろになりながら慣れない敬語を言う。

 少しほっこり。


「ああ、異世界出身なのね? もう絶滅した種族だから驚いちゃったわ。ってダンジョンレベル81、随分高いわね。そのレベルでサポーター欲しがったの? まさか、側近を失った? ダメよ! そんな危険なダンジョンにフィーちゃんを…」


 そう言ってマジマジとこちらを見る女神。


「あなたも可愛い顔してるわね」


「はい?」


「ちょっとこっちにいらっしゃい」


「はあ」


 そう言ってオレを抱きかかえると頭を撫で始める。


 うう、恥ずい。


「はっ! エメラ様!? 歩様っ!?」


 あ、ダークエルフ起きた。


「もう、フィーちゃん。ちゃんと報告しなさいよね。しっかりとお祈りをして毎日私に連絡しないと」


「いえ、連絡というかお祈りを今始めたところで」


「言い訳しないの。もう、可愛いわね」


 うわぁ、なんだこの女神様。


「とりあえずヴィー様呼ぶわね。空いてるかしら」


 エメラ様は手を振るうと、今度はナラヴィー様の神像が輝きだした。


「ついでにブルっちも呼びましょうか」


 水の神様の神像も光り出す。


 ああ、どんどん増えてく。

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― 新着の感想 ―
[一言] まあ、神さまなんて自己チューだよね? でもこういう存在が出てくると話しが進む。
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