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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
神々の試練の間
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『ほお。この木か。枯れ枝もそこそこ地面に落ちている』


『ブルブルだな。久しぶりに見たぞ』


『ブルブルは引き締まってて美味しいんだよな』


『下級冒険者でも討伐出来る肉はありがたいな。この辺りにもフルーノがいる、冬場は重宝出来そうだ。街の狩人でも狩れそうな動物もそこそこ多い』


 こちらで設定した道の上を、緊張感も無く歩きながら話す前衛の3人と領主。意外とジンが馴染んでいて面白い。


 真ん中に後衛が集まっているが、こちらは静かだ。


最後尾にドミニク。


『ドニーだ。こうやって話す機会がなかったな』


『ああ、よろしくな』


 厳つい二人が顔を合わせる。握手などはしない。


「丁度いい機会だな、ドミニクにどんな依頼を受けてAランクになったか聞きとりさせてくれ」


「畏まりました、伝えます」


 シヴィーに念話を飛ばしてもらい、話を引き出させる。


 ドミニクは表情を変えずにそれを受け取り、小さく頷いた。


『改めて、Cランク冒険者のドミニクだ。最近街に来たばかりだが、あんたらの事は良く話を聞く。この街1番の冒険者チームだってな』


『ありがとう、だが1番は言い過ぎだな。我々の仕事は依頼内容によって適性が変わるものだ。簡単に順番は付けられんさ』


『謙虚だな。冒険者らしくないといえばらしくない』


 ドミニク頑張れ!


『オレが聞いた話で、一番驚いたのはこの領地に出没したサラマンドバジリスクの討伐の話だ。あんな化け物をたった2人で倒して、かつ村を丸ごと救ったって話だな』


『あったなぁ。あれはクロードが一人で倒したもんだぞ』


 サラマンドバジリスク? 聞いたことの無い魔物の名前に検索をかける。


『出ないな。ダンジョンショップにも出品されてないみたい』


「確か、火属性のオオトカゲです。ワイバーン並の炎のブレスと石化のブレスを使い分けて戦う3mサイズの魔物のはずです」


 シヴィーは物知りだ。


『オレは出会った事は無いが、なんでも鋼鉄以上に堅い皮膚で並の武器では傷つけられないと聞いた。あれは剣士だろう? 一人で倒したのか』


『あいつは私のおかげだって言って聞かないがな』


『何をしたんだ?』


『特別な事は何も。石化のブレスが効かない様に耐性をかける魔法を撃ったくらいか?』


『ほお、石化対策とはまた……』


 そんな使う場面が限定的な魔法をよく覚えていたもんだ。


『あとクロードの奴の武器に切れ味が鋭くなるように、風の魔法をかけたくらいか。だが武器への属性エンチャントは、2度か3度敵に当たると切れるからな。あいつが上手く首筋に2発斬撃を決めて討伐完了だ』


『その後で、石化により全滅しかけていた冒険者チームや被害にあった村を救ったんだろう? しかも魔力切れで倒れるまで。まるで聖者だな』


 このむさいの多才だ!


『石化治療は時間との勝負だからな。まあそこから周りの評価は一気に膨れ上がったな』


『他に何か、珍しい魔物は倒したか? 風変りな依頼の話も気になる』


『興味津々だな』


『こちらはまだ駆け出しの冒険者だからな』


『駆け出しって風貌には見えないな』


『はは、勘弁してくれ先輩』


 意外と話上手なドミニクが過去にあった依頼や、個人で倒した魔物の話を引き出している。


 たまにドミニクがこの街に来て受けた依頼の話をしたりして、自分の冒険者活動を認めて貰ったりもしていく。


 情報収集目的の下級魔族達、本領発揮だな。

領主達を含み、街の住人の過去話とかも触れていきたいなぁ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 個性的というよりキワモノと表現したい街の住人たち、過去話もなかなか楽しそうな。 [一言] ダンジョンが使えそうと言われてるのを聞いて、さっきまで不機嫌だったドニミクたちも内心誇らしげだった…
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