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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
神々の試練の間
176/235

176

小説家になろう 勝手にランキングのリンクが下にあるんですけど

この間総合50位に入ってました。

一番前のページの一番下っす! ある意味目立ってたんじゃない!?

『洞窟の中を抜けたら、また外とはな』


『ホント、ダンジョンって訳がわからんなぁ』


 結局説得されなかった領主と、ギルマスが呟く。


 そうだね。洞窟の中で青空だもんね。オレも不思議だと思うよ。


『ここは塔のダンジョンの内側扱いになるのか?』


『どうなんだろうか? だがこの洞窟と外の魔物が消えるポイントは重なっていた』


『頭が痛くなることばかりだな… いったい塔の主は何を考えているんだ』


『ちょっと、つっかえてるんだから早く進みなさいよね』


『ああ、すまん』


『悪い』


 猛烈に不機嫌なヘレン。


 つっかえるほど狭くはないんだけどねぇ。


『ヘレン、少し静かにしていろ』


『ふん』


 ドミニクの注意を受け流し、不満そうな声を上げて地下第1層の広い道に足を運ぶヘレン。


『しかし、平原か?』


『あと森が見えますね』


『しかも道が整備されてる様に見えるな。森をまっすぐ縦断している』


 ケルブが前に出て何かつぶやくと同時に手に握った砂を、道に向けて飛び散らせる。


『罠は無いようっす。と言ってもこの広さ、完全に調べきるには魔力がいくつあってもたりんっす』


 まあ大き目な馬車2台分強あるからね。


『フルーノがいるな』


 クロードが事も何気に道から外れてフルーノを掴みあげる。


『あ、おい』


『大丈夫だ。この種には毒がない』


 手の中でナイフで一突きすると、フルーノの顔の部分が消える。


 そしてそのまま齧り付いて、咀嚼する。


『うむ、旨いな』


 芯を残して平らげる、ちなみに種に見える黒いのは魔石だ。


 そして芯をそのまま道に捨てる。


 その行為にヘレンの眉間に皺がよる。


『……消えたな。分かってはいたがやはりダンジョンのようだ』


『まあなぁ。てか汚ねえぞ』


 クロードは手をズボンで拭う。


 フィルがいたら激怒しそうだ。


『どうにもわからんが、とりあえず草原部分にも魔物がいるな』


『辺りの魔物の調査を行いますか?』


『森も気になるが、そうだな。この洞窟の出入り口の周りに凶悪な魔物がいないか、罠が無いかの調査を軽く行おう。問題ないようであれば兵士を数人下ろす』


『冒険者もだ。罠の確認は兵士には出来ないだろ?』


『落とし穴くらいならわかると思うが。とりあえず周りを軽く探索するか』


『領主様、動かないで下さいね』


『兵士長もですよ』


『『 ぐぬ 』』


 Aランク二人に釘を刺される領主と兵士長。


『じゃあ少し分かれるか。オレとロッド、それとギルマスで行きましょう』


『バランスを考えるとそうなるか』


『我々は2人で行く形でいいか?』


『元々それで動くつもりだろう?』


『まあなぁ。もっとも見る限り、危険はなさそうだ』


 平原はくるぶしの上程度の高さの草しか生えていない。魔物の姿も頭が見えるレベル。フルーノは跳ねているので見えやすい。


 時々走り小麦の頭が見えるが。


『じゃあ散開だ』


『 おう 』


 道を中心にドミニク達が右手側の平原。


 左側をAランク2人+ギルマス。


 道そのものを真っ直ぐ歩くのがヘレン達だ。ケイブが先導している。


「色々茶々入れたいんだけど、この場ではきついなぁ」


「森に入るまでは我慢ですっ」


 今は周りに遮蔽物が無いから細かい指示を念話でやりにくい。


 特にヘレンは思ったより表情に出るから危ない。


「まあ彼らの気持ちはわかりますけど」


「そうなの?」


「ええ、街の連中は何かにつけてアユム様を警戒なさっておりますから。むしろアユム様のご慈悲にむせび泣くべきですのに感謝の一つも出てこない。ヘレンは表情に出過ぎですが、他のメンバーもハラワタが煮えくり返ってもおかしくはないでしょう」


「いやぁ、感謝されるってほど感謝されなくてもいいんだけど別に」


 元々コアの我儘に合わせてDPを使おうって、ついでに人間の街が潤えばいいっていうのが今回のテーマだ。


 たまたま塔の周りに人間の街があったから人間の為のダンジョンになっただけで、これが魔物などの領域であればもっと別の形のダンジョンになっていたはずである。


「腹立たしいですっ! シヴィーの言うとおり、人間はご主人にひれ伏すべきですっ!」


「ひれ伏させる意図はないんだけど」


 自分よりも年上の人や、自分よりも優れているような人に頭を下げられると逆に居心地が悪くなるから止めてもらいたい。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 躊躇いなく齧りついたな。 野生種に毒がなくてもダンジョンの中なら判らないんじゃないかと思うんだが? 悪辣なダンマスなら見た目食用でもじつは有毒でした、とかやりそうだし。
[一言] 顔の有る果物を噛るのはちょっと・・・ て、思ってたんですが、顔が消えるなら有りですね。
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