表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
神々の試練の間
169/235

169

危険があぶない!

「せっかくですから木材になる魔物も配置しませんか?」


 フィルの言葉。


「あー、いいね。この辺か?」


 サブモニターにウッドマンやマンイーターと呼ばれる魔物が表示される。


「攻撃性を持たせませんか? 多少けが人や死人が出ないとダンジョンとして面白味がありません」


 過激な事を言うシヴィー。


「アユム様のご慈悲を人間風情が無条件で受けるなど許される物ではありません」


「シヴィー、良い事を言いますね」


 フィルも同意見らしい。


「んー、じゃあどうするか。人が近づいたら攻撃させるタイプにするか」


 所謂アクティブモンスターだ。


『お待ちください、マスター』


「ん? 何か意見があるのか?」


 モニター越しにドミニクに問いかける。


「ドミニク、マスターに意見するなんて良い度胸です!」


「つまらない言葉であればどうなるか分かりますよね?」


『も、もちろんにございます』


「あー、良いから。変な事言っても罰さないから」


 魔力を込めずに名だけ与えた彼らに側近たちは冷たい。


『は、出来れば条件付けでノンアクティブにして頂きたいです』


「条件付け? 何かの行動を攻撃のスイッチにしろって事?」


『はい。マスター達が思う以上に人間は弱いです。街に降りて痛感致しました。並の魔物でも人間から見れば驚異的な力を持っている、と。マスターとコア様のお力で生まれた魔物が本気で戦えば、人間などあっという間に全滅してしまいます』


 全部が全部弱い訳じゃないと思うけど?


『ですので攻撃された場合の反撃はともかく、近づいただけで攻撃する様な魔物を配置すると人間を減らす結果になりかねません。そうなりますと必然的にダンジョンに入るDPも減少してしまいます』


「それは困るなぁ」


 だと植物系の魔物で、条件はどうしようかなぁ。


「ただ近づいてきた奴を攻撃、じゃあ危ないんだよね?」


 あ、普通に考えて危ないな。コンビニ前の田舎のヤンキー並みに危ない。


 しかも田舎のヤンキーと違って魔物は力が強いし。どっちも殺る気はまんまんだが。


 …… なんとなくコアに視線を送る。


「うーん。人間が森の中で色々行動するってなるとだ……どうさせると攻撃のスイッチにするかなぁ」


「近づいて来たら攻撃でいいじゃねーか」


 コアの意見は一定範囲に来た人間のみを攻撃。


「不意打ちや遠距離攻撃にはどう対応させますか? 近づかれずに攻撃されて遠距離攻撃がなければ反撃も行えませんし」


「んー。じゃあ遠距離攻撃持ちにするか?」


「そうなると攻撃範囲が広くなるからアクティブ化する範囲も広くしないといけなくなるのでは?」


「魔物の筋力を基準とした攻撃ですと、下手な反撃でも人が死ぬのでは?」


「そこまで責任は持てないぞ」


 魔物を相手にする以上ある程度の犠牲は覚悟して貰ないといけない。


「アユム様、人間の目的を妨害させる形を攻撃スイッチにしませんか?」


「ん? どういうこと?」


 シヴィーの顔を覗き込む。


「人間は肉を取りに動物を狩る組と薪などの木材を伐採に来る組と大まかに2種類に分かれるんですよね?」


「まあ、魔物そのものを狙ったり薬草採取に来たりもするだろうけど」


 魔物討伐組か、動植物採取組みか。あ。山菜なんかも取れるようにしておこうかな。


「植物系の魔物を配置しておくのであれば、彼らに森を守らせましょう。森の木々の伐採音などを攻撃スイッチにするんです」


「おー、なるほど。でも音源に魔物が集まり過ぎないか?」


 木を切る音は響く。与〇も混じればもっと響く。


「ですので森の中の木々や魔物の配置を距離ごとに変えるのです。入り口に近いポイントは薪に適した木々に、こちらにはアクティブモンスターを配置せず、野生動物や簡単に狩れる魔物を配置します。魔物は攻撃反応型にして、人間が近づいても攻撃はしません。むしろ逃げ出すくらいがちょうどいいでしょう」


「ふむふむ」


「森の中腹辺りから、建築の役に立つサイズの木々を配置します。そこに木々の伐採に反応する魔物を置けばいいのです。ダンジョンの手前は難易度を下げ、奥に行くほど攻略難易度が上がる仕様にするのです。難易度がある程度分かれているのが理解出来れば人間達も無理はしないでしょう」


 ゲームでも似たような仕様になっている物が多いな。採用。


「いいねぇ。それなら問題ないだろ? ドミニク」


『はっ!』


「有難う御座います」


 今度はシヴィーの鼻の穴が大きくなる。


 そうなると攻略難易度の低い位置にはトレントやマンイーターみたいな『ぶっとい木そのもの』の魔物は合わないな。食える奴にするか。で、逃げても不自然じゃない魔物。


 ああ、走り小麦も出しとくか。無駄にするのもなんか勿体ないし。


「飛びウサギ、ブルブル、ジルガゼル。この辺りか、横取り鳥なんかもいい感じに嫌がらせが出来ていいな」


 飛びウサギは敵が来るとジャンプして逃げ回るウサギ、ブルブルは一抱え程度の常に小刻みに震えている猪、ジルガゼルはなんで魔物? て思えるくらい普通の鹿だ。


 横取り鳥は人が持っている物をなんとなく奪いたがるでっかい鶏、攻撃力は低いが嫌がらせにちょうどいい。


 ちなみに自分より大きい荷物は狙わない。


「序盤は薪になるレベルの細木を中心とした森にするか。後でドワッジと天狗に確認しよう」


 人工的に作るから林?


「今後、ここは地下第1層となるな。せっかくだからボスも置くか?」


 なんか配置出来る物はごちゃまぜで入れちゃっていい気がしてきた、全部採用しちゃおう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
面白い! 続きが気になる! もっと書け! と思った方はブクマ&評価よろしく!
― 新着の感想 ―
[一言] 一つ重要な物を忘れていますよ。 Hな罠、もしくは魔物が居ません。 これらはダンジョンに必須な物です。 又、これらの物は美少女にのみ反応するのも忘れてはなりません。 おっさんと婆はスルーなのは…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ