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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
決闘とオークション
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〇〇族封印の壺!

「お、おめでとう御座います。早速で申し訳御座いませんが、お支払いをお願いいたします」


「了解だ。コア、頼んだ」


― 支払い完了。フィルが戻ったらじっくり話があるってさ ―


「おっふ」


 お小言が止まらないマシンが待っている!


『さあ、オークションも盛り上がって参りました! ここでモニターをご覧になってください!』


 亀の後ろの巨大モニターに外の風景が表示される。


『お次の魔物は、こちらになりますっ!』


 巧みなカメラワークがモニター内を動き回り、表示されるは超巨大マンモス。


 足元の木々がどのくらいの高さかはわからないが、モニター内に一緒に映るワイバーンが小鳥程度にしか感じられない事を考えると、体長は500mくらいはあるんじゃないか?


『陸上に生息する草食の魔物の中でも最大サイズを誇るグランドマンモスっ! こちらの魔物は5万DPから開始ですっ』


 まあいらないけど。


「というか、もう出て機械人形の設定をしたい。遊びたい」


「まあ、それは構いませんが……」


「は、はい。2品の落札を確認しておりますので問題は御座いませんが」


「じゃあ出ようか」


「残りはご覧にならなくてよろしいのですか?」


「見てもこれ以上DPを使うと不味いんじゃない?」


 フィル的な意味で。


「必要であれば黙らせますが?」


「オレの為に言ってくれるんだから、甘んじて聞くよ。聞くけどさ……」


「は、初参加ですから、最後までご覧になった方がよろしいのではないのでしょうか? えと、次回入札する際のDPの参考になると思いますし!」


「む」


 バニーさんの言うとおりだ。


「じゃあ見てくか。ミリアも起きないし」


「有難うございます」


 何故かお礼を言うバニーさん。ダンマスが帰ったらペナルティでもあるのだろうか。


『はいっ! 480万で落札になりますっ! おめでとう御座います! こちらの魔物は浮島には入らないサイズですので、ご開封はダンジョンに戻ってからにして頂くようお願いいたします』


 そりゃそうだ。てかそんなコンパクトにして運搬できるのか? 魔物玉でもあるのか?


『続いては一風変わった魔物に御座います。こちらはさる大物マスターのダンジョンから流れ着いた曰く付きのお品。【魔封じの壺】に御座います』


 次はカートにのった1つの壺。


『中身は不明でございます。この壺は通常では考えられない強力な封印が施されておりますので、強力な魔物が封じられているのではないかと推測されます。壺の属性も不明、中身も不明。アシスタントゴーレム君』


『ごばっ!!』


 カートを押してきたゴーレムが少し下がり、拳を思いっきり振り落とした。

 だが、無傷の壺。


「アユム様」


 壺を細い目で見つめていたシヴィーが頬を赤く染め、うるんだ瞳をこちらに向ける。


 なんかエロいんだけど。


『ご覧の通り、この壺は単純な力では壊れません。この壺の封印は正しく解除しなければならないのでございます』


 コーラーは、今までのハイテンションななりを潜めしみじみと静かに語る。


「どうしたシヴィー」


「おねだりしてもよろしいですか?」


「値打ち物か?」


「ええ。中身は私か、私と同種の者にしか御せません。封じられていてもなお感じるこの懐かしい波動。欲しいです」


 舌なめずりもエロい。


「役に立つものなら構わないぞ」


「もちろんでございます。役に立たないようであれば、私が『頂き』ましょう」


 え?


『こちらの魔封じの壺、5000DPより開始させて頂きます』


 亀が言い、入札がスタートする。


 しかし中に何が入っているかわからず、封印が解けるかどうかも分からない品物だ。動きは鈍い。


『2万でございます。中身が不明品とはいえ、なかなかの数字まで上昇しましたね』


「3万」


『3万でました! さあ、他の方はどうでございますか?』


 更に小刻みに数字が上がる。


「5万」


『5万ですっ! 中身が分からずご不安になられるお気持ちは分かりますが、どうでしょう? こちらを出品なされたヒュッツァーベル様に漢気を見せる良いチャンスだと思いませんか!?』


「なぬ?」


 亀公が余計な情報を出した瞬間に入札額が加速度的に上がる。


「みなさま、戦女神様のご加護が欲しいですから」


「くぁー、マジかぁ」


『8万! 9万! 15万! 20万!? いいですね! いいですね! 盛り上がって参りました!』


 バニーさんが耳をピコピコさせながら解説してくれた。後出しはずるいわ。


「どのくらいのDPの価値がある?」


「DPで、で御座いますか? 測りかねますが、チム達以上の価値があると私は判断しております……DPでどのくらいの価値なんでしょうね?」


「どうなんだろう?」


 進化させた個体だからわからん。首を捻ってしまう。


「30万」


 28万まで上昇したので30万で入れてみる。


 そろそろ加護狙いでの入札が途絶え始めたのか、表示される数字の切り替えが緩やかになっていく。


「50万」


 でもシヴィーの言葉だ。疑う余地はない。


『おめでとう御座います! 50万DPで見事落札ですっ!』


 落札できたのでコアに依頼。


― マスター、フィルがめんどい -


「あ、ごめん」


 シヴィーと一緒に説得だ!

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