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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
決闘とオークション
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ナレーション風味

アクエリアスに語らせると読みづらすぎたっ!

のどごしさわやかな名前の癖に!

 海の一族。


 それはこの世界の大半を占める大いなる海の支配者にして、海の神の血族。


 不定形の神であった【海の神ウェイバラング】は様々な種族に変化を行う事が出来た為、その力を使い海の住まう様々な生き物と交わっていった。


 ウェイバラングの血を引き、知性を残したまま進化していった生物の総称が【海の一族】だ。


 陸上で、人々が文明を作り上げていると同様に海の一族は海の上、海の中で文明を作り上げてその繁栄を謳歌していった。


 異世界から訪問した様々な生物の技術も取り込み、海の一族は世界の海を席巻していった。


 しかし、文明を謳歌していた海の一族にも終わりが訪れる。


 【海の神ウェイバラング】と【氷の神アーラルラッド】が激しい敵対関係になった事だ。


 ウェイバラングは己の血族を操り、2つの氷の大陸に火を放った。


 血族の者達も氷の大陸に火を放てば海の領域が広がると、喜んでその争いに加担した。


 血族の多いウェイバラングに対し、アーラルラッドは自身の眷属神しかおらずウェイバラングの様に数を頼る戦いでは不利だった。


 そこに参戦したのは、【秩序を司るゴース】


 海と氷の争いが激化し、世界が混沌とし始めた状況に重い腰を上げたのだ。


 自身の眷属神である神龍、そしてその神龍を崇める多くの龍達が海の戦いに加わっていった。


 幸いだった事と言えば、海での戦いだった為陸上に大きな影響が出なかった事だろうか。


 それでも大量の魔物の群れや、津波に呑み込まれた港や集落、国はいくつもあったが。


 激化する戦いは、いつしか目的を失う。


 ただただ、海の一派と氷の一派の争いが起きるだけの時代が訪れるのも目に見えていた。


 ウェイバラング、アーラルラッドの二柱の神も、争いごと以外には無関心となり、互いへの怒りと憎しみに呑み込まれた。


 二柱は邪神へと既に堕ちていたのだ。


 再三にわたり、二柱へ警告を続け戦いの秩序を守ろうとしていたゴースが邪神化した二柱に初めて気づいた。


 邪神を止めねばならない。ゴースは戦いを司る神々へ、戦争への参加を要請した。


 無用な争いに才能ある未来の戦士の命が散る事を憂いていた【武神オオグラム】


 戦略も無く、ただただ正面からぶつかり合う魔物の戦いに飽き飽きしていた【軍神ファロン】


 この二柱が戦いに参加することで大きく戦局が動く事になった。


 ちなみに【闘神キュプリス】と【戦女神ヒュッツァーベル】は静観。


 この二柱は戦争継続賛成派だった為、戦争への参加は断っていた。


 その代わり、戦いに介入しない約束をゴースにより取り付けられる。


 オオグラムとファロンが参加する事により、ウェイバラングとアーラルラッドは劣勢に追い込まれる。


 己の本分を忘れた神々が、武と軍を司るそれぞれの神に、その領分で勝てる訳が無かった。


 神兵を多く持つ軍神ファロンは、その軍略を持ってアーラルラッドを捕らえた。


 ウェイバラングは武神オオグラムとの一騎討ちの末、完全に滅ぼされた。


 神界での席が無くなったため、復活する事も出来ず海の神が世界から消える結果となる。


 アーラルラッドは【瘴気の神ブロッドビッシュ】により浄化されて神格を取り戻した。


 邪神化に恥じた彼女は、現在でも神界の自分の家で眠っている。


 長い間、戦争状態だった海の一族達は中心となる強い人物の大半を失っていた。


 更に主神を失った海の一族は急速に力を失っていった。


 海を我が物顔で闊歩し、戦争で多くの種族に恨みを買っていたその一族が狙われるのは仕方のない事だったのかもしれない。


 海に住むすべての種族を敵に回したのだ。もう海に彼らの居場所はなかった。


 陸に上がるしか、彼らには選択肢がなかった。


 陸上で生活する彼らは急速に力を失い、その血は徐々に他の種族と交わり薄まっていく。


 いつしか、海の一族は陸上においてもその数を減らしていく。


 更に長い長い時を経て、海の一族はついに消滅していったのであった。


 これが【海の一族】の始まりと終わりの物語である。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] だからイカ(スルメ?)とかサメとかに「頭を垂れよ」状態だったの?
[良い点] ほーん。なるほど、とてもじゃないけどよい種族とは言えないのか。 まあ。その分戦闘力的には強そうだけど
[一言] なるほど、あまり歓迎されないかもしれない?でもイカ、サメ、トドなど海棲生物への威厳は残っていると。 皆の反応予想が難しい……。
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