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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
夜会に集うダンマス達
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んー、なんか読みにくいなーと思うのは作者だけだろうか?

『……まず夜会のおさらいにはなるが、毎年のDP消費の上位マスター30人が選ばれる。これは把握しているな?』


 オレ以外の二人……人? が頷く。


そういえば、初参加の夜会にばかり目が行っていたから細かくプチバッフォに聞いてなかった。


『それと、ダンジョン運営を開始してから一定量のDP消費をしたマスター、つまりお前達だ。1人もいない年もあれば、10人くらいいる年もある』


「今年は不作ってこと?」


『マスターになって10年から15年くらいで呼ばれる奴が多い。逆に、マスターが10年生き残るのが難しいという意味でもある』


「毎年新しいマスターが生まれるのか?」


『それはマザーコア様がお決めになられる事だ。だが毎年、20から30くらいのマスターが生まれるな』


 そんなにいるんだ。オレの時は6人だったのに。


『人間や野生の魔物に襲われるマスターも多いが、ベテランのダンマスの縄張りに生まれたマスターは狩られたりするし、野生化した野良の名付きの魔物に狙われたりもする。生まれる場所で命運が決まるな』


「そんなの常識よ? あんたちゃんと田中先生の授業受けてたの?」


 受けてません。


 そういえば、オレの時も箱の中から石かなんか出して場所決めてたからなぁ。


『少し話が逸れたな。夜会に来るマスターのうち、常連と呼ばれる連中は18名だ……上位陣は分かるな?』


 分かりませんっ!


「魔女シエンタ、精霊王アクエリアス、バイオプラント『フォレッド』、不落城主ロードボード、獅子王シルドレ=ライア、大喰らいのカバルネ」


『そうだ、その上位陣は揺るがない。極東の龍の谷の様に絶対ではないがな』


「そんなにすごい人たちなんだ……」


 なんか聞いたことのある名前が。


『その上位陣の中で、積極的に下位の者を使うのがロードボードと獅子王シルドレ=ライアだ。下位のダンマスを傘下に置き、言う事を聞かないダンマスを積極的に狩っているロードボード。自分のダンジョンの近くに住むダンジョンマスターを傘下に入れて徐々に勢力を拡大している獅子王シルドレ=ライア』


 獅子王のやり方、考えようによっては有りだ。もっとも街のド真ん中にダンジョンのあるオレには使えない手だけど。


『他は助けを求められたり、貢物で動くことがあるくらいで下位の者との接点が少ない物が多い。カバルネに至っては会話が成り立たんしな』


「じゃあロードボードとシルドレだけ気を付ければいいってこと?」


『シルドレもダンジョンが近く無ければ気にする必要は余りないな。あとの上位陣は機嫌さえ損なわなければよい。向こうから関わって来ることは余りないかな。アクエリアス様くらいか? 水系列の魔物や精霊種の魔物を気に掛ける傾向がある』


「アクエリアス様には、絶対に挨拶にいくわ」


 ミルフィが言う。こいつ水系統?


『上位陣のダンマスを1人は捕まえておく方が良い。何かあった時助けになるからな。二人も考えておくがいい』


 プチバッフォにお勧めを確認しておこう。


『まあ上位陣はそこまで気にしなくていい。問題は中間クラスの中でも下位のダンマス、この間の連中だな』


「気にしなくていいの?」


『お前達が夜会常連になったら気にすればいい。取りあえず夜会本番……というか、夜会後の会合やオークションで生き残る事を考えなければならん』


「あんたみたいなのにカラまれるからか?」


 冗談交じりに聞いてみる。


『その通りだ。我の様な夜会常連組でも、下位の連中はお前達と扱いは変わらん』


「下位なんだ、それでも常連なんだ?」


『ああ。だからこそ上位の、ロードボード傘下のダンマスに何か言われるとなかなか逆らう事が出来ない』


「今回は何を言われて来たんさ?」


 レイっちが質問。


『新人の連れている魔物の系統の確認と、確認した上で従者を殺す。次に連れて来た魔物で相手の底が大体わかるからな』


「へぇ」


 つまり、ウチのコロとシヴィーは初めから殺す気だったんだ?


『適当なタイミングで我は消えるつもりだったさ』


「どうだか……」


『どちらかと言えば他の連中の連れてる魔物の確認がメインだったからな。あの魔族の男は片付けられるようなら片付けるつもりだったが』


「仲悪いの?」


『ダンジョンが近い。向こうもこっちの事を狙ってきている。どうせ我に声をかけて来たのもあいつのプランだろう。お前のところの鉄の犬が片付けてくれれば良かったんだがな』


「ダンマスは潰すなって指示だしちゃってた」


『賢明な判断ではあるが、個人的には残念だ』


 色々話が聞きたかったからしょうがない。


『あの鉄の犬、あれは確実にマークされたぞ? あいつを倒せる魔物を各々用意してくるはずだ。あれがお前の従者での最高戦力だろう?』


「んー。どうかなぁ」


 一番強いのは銀ちゃんかな? 従者にするには大きいから連れて来れないけど。


『隠し立てしなくても分かる。お前はあの犬と人間の女を連れていただけだった。無能なだけの人間ではなく、何かしら特殊能力があるのだろう? だが戦闘に関してはあの犬がトップだろう。でなければミノス兄弟を瞬殺なんぞ出来はしないだろ』


 2匹のミノタウロスは魔族の男の従者だったらしい。


『だが他のマスターの前であれだけの戦力を見せたのは失敗だったな。業炎のジード相手に攻撃が通らなかったのも他のマスターに伝わっているはずだ』


 炎の化身みたいなマスターの事かな? コロが炎で熱された結果ダメージが通らなかった相手だ。


『我なら溶解液や錆などの腐蝕系統の魔物を、ジードならもっと火力を出せる魔物を。他のマスターも何かしら対策を持った魔物を用意するだろうな』


「そうすると、こっちの2人相手や他の下位のダンマスを相手にする気は無いって事?」


『そういう訳ではないが、ハーピィやウッドガーディアンなどは名付けでも大した相手じゃない。何より負けっ放しで大人しく引き下がる様なダンマスはいない』


「あんた、大暴れだったもんね」


「コロっちには助けられたさー」


 あんたら一気に楽なスタンスになったな。


『面倒事に巻き込まれたくなければ、2人はこいつに近寄らない方がいいぞ』


「はーい」


「了解した」


「や、助けよう? ね?」


 薄情よこの人達。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 先輩ダンマス達による裏での駆け引き。なるほどな〜と納得です。 [一言] 主人公は水系統で相当格が高そうなので、アクエリアスと会う時が楽しみ。
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