100
2020/02/19
連載開始から早2カ月、皆さんのおかげで100話まで到達出来ました。
「読んでくれている人がいる」それだけで更新する気になり、続きを書くモチベーションになるとしみじみ思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
100話記念SSなんてやりませんケド!
「コロの攻撃が効かないな」
「コロは炎を受けて真っ赤になってますから」
熱を帯びたコロでは、炎の悪魔にダメージが与えられないらしい。
逆に炎の悪魔の攻撃は、コロの熱を上げるだけの結果になっており、やはりダメージは通らない。
「鉄か……火力を上げるしか……」
「! 不味いですアユム様。私がコロと代わ……」
「はーい、そこまでー」
真っ赤に熱を帯びたコロと炎の塊のような魔物が、お互いに手出し出来ない状態になった所で待ったがかかった。
そこにいたのは、短い銀髪が特徴的な女神様。
連中とオレがフリーズする。
「エドランテ様、お手数をお掛けいたします」
登場した神龍にオレは頭を下げる。
「うそ!? エドランテ様!? この方が!?」
「初めましてさー、エドランテ様」
ゴース様の眷属神、神龍のエドランテ様だ。
「毎年、ここでバカ騒ぎが起きるから今年も見に来てたのよ。従者同士での争いならいいけど、マスターが本気で戦うなら相応しい場所を用意するわよ?」
「コロ、ストップ」
「わふ」
真っ赤になったコロが動きを止める。
「昨日振りね、歩さん」
「はい。先日は大したおもてなしも出来ず申し訳御座いませんでした」
「いいえ、精一杯の歓待。十分伝わったわよ。それにしても、マスターを殺さなかったのは良い判断だったわ」
「そうなんですか?」
「ええ、相手が引けなくなるもの」
なんで絡んで来たか確認したかっただけなんだが。
「だからご褒美をあげます。そこのシーファンガーのマスター。彼ら新人に色々教えてあげなさい」
「ははっ!」
今度は抵抗無く頭を下げるトド男。
「それでいいわね?」
「「「 はっ 」」」
「じゃああなた達は解散なさい。歩さん、話を聞くなら手早くね? もっと危ないのが来ちゃうかも知れないから」
強引な勧誘をしてきたマスター達が、従者を伴って帰っていく。死んだ従者もいるが仕方ない。
こちらを随分睨んできているが、自業自得だと思うよ?
「さて、シーファンガーのマスター。お名前をどうぞ」
「デンドリブラデンドリブルでございます」
トド男の名前が長い!
「では、マスターデンドリ。この勝負どう判断しますか?」
「はっ、我らは既に従者では対応しきれなくなっておりました。我らの敗北と考えて問題ないと思われます」
「素直ないい子ね……この状況に感謝なさい?」
「ありがとうございます」
デンドリブラデンドリブル、長い……トドのデンドリさんが深く頭を下げた。
「じゃあ早速、あなた達は全員同じ同盟なのか?」
「いえ、私と炎の精霊のマスターはどことも同盟をしておりません。今回夜会に呼ばれている夜会のマスターの中では、戦闘力が高い魔物を多く抱えているからと声をかけられました」
「そうなの? サメの二人とか強そうじゃないけど」
「…………」
無視されるミルフィ。あとあの炎のやつ悪魔じゃないのか……シルエットが悪魔っぽいのに。
「ちょっと! なんで答えないのよ!」
「貴様には負けていない。我が負けたのはこの青い髪のマスターだ」
「なによ! 歩に負けたって事はあたし達に負けたも同然なんだからね!」
何その理論……。
「まあまあ。連中が他に同盟を組んでる相手は知ってる?」
「前回の夜会で3番目に呼ばれたマスター、不落城ロードボードの同盟だ。彼の方の庇護下にいる連中だからこそ、我も今回の同行を強く拒否出来なかった。まあ我にも思惑があったわけだしな」
「不落城!? あの有名な不死のダンジョン!?」
「そりゃあ大物さー」
「ごめん、知らない」
フィルの勉強ではまだ他所のダンジョンの話は出てきてない。
「あんたねぇ……ちゃんと知ってないと死ぬわよ? 世界三大ダンジョンの一つとも言われている、200年以上攻略者の現れないダンジョンじゃない!」
「200年以上……」
それは凄い、ウチと違ってちゃんと侵入者も迎撃しての200年だとしたらとんでもない話だ。
「100年以上攻略者の現れないダンジョンが稀な中で倍の200年よ!? 同じくらい攻略されないダンジョンなんて【魔女シエンタの迷いの森】と【水精霊の大瀑布】【フラワーホール】くらいよ!?」
「あと一つあるさー」
「……あそこはマスターが不明じゃない。ホントにダンジョンなの?」
何処?
「まー、そんな訳で有名どころはチェックしておくに越したことはないさ。でもそんな大物と敵対しちゃったとなると、ちょっと怖いさ」
牛の尻尾がペチペチ背中を叩いてくる。
「うちのシヴィーを物扱いして来たんだ。むしろ文句を言ってやる」
「有難うございます、アユム様」
撫でないで欲しい。
100話突破記念にレビューとかくれていいんだよ?(催促)
そこ、一話一話の文字数少ないから100話いったんだとか言わない! 分かってるから!
 




