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今回も2500文字と短いです
俺の運命はどうやら命のやり取りをしている時意外は割とギャグよりになってしまうらしい。
絡まれた女の子3人に出会って、もう俺の目の前で死人は出さないと決めた覚悟もなんか拍子抜けしてしまった。
冒険者専用施設についてからも2階にある飲食コーナーでずっとご飯を食べている。
あちらがしつこいから話を聞くためについて来たのに今の俺の状況はなんなんだ?
短髪で女子にしては長身、パッと見て170はありそうなこの女は俺に最初に突っ掛かってきた奴だが今はピザを3枚ほど平らげた所だった。
2人目の女の子は1人目の子を嗜め子で身長は160位とびっくりして大きいわけでは無いものの3人の中で1番大人びていてスタイルが良かった。そこそこご飯を食べているがテーブルマナーもしっかりしている。
問題なのが3人目の身長155程のこのガキだ。
2人はごはんをガッツリ食べているのに対してコイツはなんというか、ガッツリ食べてるけどもどうして、
「なぁ、なんで最初からデザート食べてんだよ」
パンケーキ、アイス、かき氷、パフェetc
ご飯を食べた後なら分かる。すげー分かるんだけども、最初からそれは腹にダメージ大きすぎだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
健康的食事主義の俺は頭を抱えながらこのチビを見ているとぐるるるるるぅぅという音が小さいながら聞こえて来た。
「え?」
「「え?」」
俺と2人もそのチビの顔を見るとチビは真っ青だっだ。
「ど、どうした?」
「…………!!!」
突如お腹と口を押さえ走り出した。
その足が向かう先はどうやらトイレらしい。あれだけ腹を冷やす物を食べたのなら腹を下すのも道理だと思う。
これ以上は彼女の尊厳に関わりそうなので考えをやめる。
「………」
少し沈黙が支配したが俺この機に話を切り出した。
「それじゃあこのタイミングだし聞こうかな。なんであんたらの代わりに倒したくらいであんなに怒る。命あっての物種だろ?」
「それは……分かってる。あの場では私達が倒せなかったモンスターをお前が簡単に倒したから私達にとっては恥をかいた形になるんだ。私が責められる謂れはない」
「あと、あの場で素材を渋々渡すのは命がけで戦ってる冒険者には侮辱になるからな」
なるほどなと俺は思った。
俺はこいつらみたいに冒険者に誇りを持ってる訳じゃないから自然と見下す形になってしまったわけか。
これは俺が悪いか?
「あーすまんな。俺はお前らが考えるような真面目が冒険者じゃないんだよ。生きてける金があればいいだけだからな。だけど最近そんな事もいってられなくなった。」
俺の言葉に2人は?を浮かべていたが俺が最近話題になっている。
《異形》の事を口にすると得心がいったような顔をした。《異形》は俺が倒したがどうやら世界各地で既に何十体も確認されている。
それは俺の《異形》の討伐を機に増えていった。
俺意外に《異形》を仕留めたのはアメリカのSランク帯3人と、中国のAランク帯1人。
日本では俺を含めて4人だ、勿論《異形》の強さもまちまちで中国のAランク帯の人が倒したのはアメリカの《異形》より少し劣っているらしい。
こんな話をしているとトイレから背の小さい彼女が戻って来た。
まだ若干顔が蒼い。
「3人とも詫びはこんどするから鍛錬に丁度いいモンスター知らないか?もしくは剣を使える冒険者を教えて欲しい」
「モンスター?モンスターなら最近リザードマンが山で暴れてるとは聞いてるよ」
「剣を扱える人と言っても達人レベルとかだとそもそも会えない。基礎くらいなら私でも教えられるが?」
リザードマンか、前世で殺した合った時はそこそこ強かった。この世界だと果たして強いのかどうか。
「リザードマンのランク帯は?」
「Bの中くらいかな」
なら《異形》よりかは弱いな死ぬ事はまず無いだろうが剣技縛りならそこそこキツイはずと考えると丁度いいだろう。
「なるほどいい情報だ助かる。次に剣を教えてくれるならぜひ教えて欲しい。基礎でも今の俺なら大歓迎なんだ」
「でも貴方は簡単にモンスターを倒しただろ?」
「あれは魔法で身体強化して強引に押し切ったにすぎないからな。純粋な剣の技術だけで勝てるようになれば魔法で身体強化した時の恩恵とまた上がるしな」
「そういう事。それで貴方は何を詫びとするの?」
俺は迷ったが結局簡単に教えられそうな魔法を教える事に決めた。
「魔法ならどうだ?魔力量にもよるが俺がかなりの数の魔法は教えられるし、魔法を物に出来たら戦ってたあのくらいのモンスターは楽に狩れる」
「勿論全員だな?」
「当たり前だ。じゃなきゃ詫びにならん」
なら決まりだなと彼女が言うと何のつもりか手を差し出して来た。
「なんだ?」
「さっきの事は私達も大人気なかったからな。その仲直りって意味だ」
なるほどと納得し彼女の手を握った。
「とりあえず自己紹介をしよう。私は吾妻扇だ。でこっちの粗暴な彼女がーー」
「荒波長門。一言余計なんだよ扇!だからモテないんだダダダダ!痛いってごめん!ごめん!」
扇は無言で荒波の肩を強く握り笑顔を向け明らかな圧を掛けていた。
荒波はその迫力に屈しすぐさま扇に対して謝る。
恥ずかしそうに扇はため息をつくと最後の紹介をした。
「彼女は若干16歳にCランク帯になった有望株なんだ。2年後年後には私達でも勝てるどうか怪しくなると思う程に才能がある。Sは難しいかも知れんがAランク中位はいけるだろう」
「赤城加賀美……よろしく」
一言だけ挨拶をするとそのまま黙ってしまった。
「えーと、よろしく。魔法を教えるのはいつからがいいかな?俺は基本的に時間が空いているからいつでもいいけど」
「なら先に魔法を教えてくれ。リザードマンはまた後でいいだろ?」
荒波がそう言う。
それを聞いた吾妻はならばと広い場所を教えてくれた。
「少し離れた所に陸上競技場程の大きな場所がある。そこはいろんな人も利用しているからもしかしたら達人も来ているかも知れない」
目的を2つ一気に解決できる可能性があるのならこっちの方がお得感はあるな。
「よし分かった。そうと決まればじゃあ俺も自己紹介をするよ。俺は魔法使いの只野千斗だよろしく」
俺の自己紹介も終えると4人で吾妻さんの言った場所に向かった。
余程好きなのか赤城ちゃんは今もアイスを手に歩いていた。
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