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事件簿の設定を変えてようとしたらこうなりました。後悔はしていません。
眼下には常識では考えられる光景が広がっていた。
飛び交う血飛沫、悲鳴を上げる女の声。
そして今、俺の目の先には少女が地面にあった窪みに躓き転んでしまっていた。
その背後には2匹のオークがいた。ファンタジーのモンスターといったらこれとでも言いたくなるモンスターのやる事と言ったら1つしかない。
繁殖行為だ
オークが少女の服に手を掛けた時。俺はため息を溢すと同時に手を突き出した。
突き出した手には魔力が集まり魔法陣を形成していく。
「もっと、紳士的になれないもんかね?」
俺は言いたい事を言うと手に集まっていた魔力をオークに向かって発射させた。
陽炎のような揺らめきをしながらオークに当たると2匹纏めてカチコチの氷の塊に変化させた。
そしてさらにまだ繋がっている魔力のパスを通じて力を入れると氷付けにされていたオークは粉々なった。
その光景に驚いた少女はすぐに立ち上がり走り去っていった。
そして俺は何故オークが現れたのかを思い返していた。
1996年
俺は生まれた。生まれた時から自我をもち、成長するなかで天才と呼ばれた。
何故生まれた瞬間から自我を持っているのか誰しも疑問に思うだろう。だからここは敢えて一言で言おう
俺は転生者だ。一度日本に生まれて19歳の時交通事故で死んだ。童貞である。
そしてまぁ、ラノベのような事が起こり異世界で一度転生、転生の際に神とやらから言われた魔神を倒すもしくは封印してくれという願いもしっかりと聞き入れ2年を掛けて魔神を討伐。
楽しく余生を過ごしていたが60の時に心臓の病に罹りあえなく死亡。童貞である。
そして今の日本に転生というわけだ。まだ童貞である。
日本に転生したと言っても恐らくはパラレルワールドと呼ばれる世界の日本に生み直したんだと確信出来る思われる事柄が1つ
元の世界では空気に魔力、違う言い方をすれば魔素が含まれていなかった。
だがこの世界では空気に魔力が含まれている。世界に魔法が浸透していないにも関わらずだ。
今までの経験から絶対何か起きるという事は目に見えていた。
それからラノベの主人公よろしく魔力量アップの為の鍛錬を開始した。
魔力量増加の鍛錬を開始したのが首が3歳の時。
既に知識はあるため生前では考えられないほどの効率化を実現し小学校に入る頃には生前の魔力量を優に超えた。
それからは時々魔力増加の鍛錬をしながら普通に市民Aとして過ごしていった。
変化が起きたのは高校を卒業し、バイトをしながら遊んでいる時にだった。
いつも通りバイト終わりにコンビニ立ち寄り夜ご飯と飲み物を買って歩いていると何か違和感を覚えた。
(なんだ?探知の魔法に何か引っかかってーー)
考え事をしているとキャー!という悲鳴が聞こえた。
周りの人間もザワザワしていて中には野次馬根性で観に行こうとしているものもいた。俺もその中の1人だが。
声の聞こえた先は路地裏だった。
そこにはなにか鈍器のようなもので殴殺された男性の遺体が転がっていた。
野次馬の1人は直ぐに警察を呼んでいた。
俺は恨みでも買ったのか?と男が殺害された原因を探っていると。
近くで魔力が生まれた事に気付いた。
それは普段なら気にするほどもない微かな魔力。
しかし男性が殴殺されているこの状況からはとても向きできるものではなかった。
魔力が発生した所に行くとそこには頭から血を流している眼鏡を掛けたOLの髪を無理矢理掴んでいる。
生前ではよく見た、だけど今見る事はありえない。
ゴブリンがいた。
俺は魔法で体をほんの少し強化してゴブリンに向かって駆けていった。
瞬時に近くに駆け寄るとそのままゴブリンを蹴りOLから突き放すとそのままOLを抱えてその場から立ち去った。
逃げながら警察を電話をするとすぐに向かうとの返事をもらった。
その後警察によってゴブリンは射殺された。
誰かが撮影した動画が少ししたらネットにあげられネットをざわつかせてその翌日にTVの話題を掻っ攫っていった。
これが5年前の出来事だった。
それから世界中にゴブリンやオークが大量に湧き日本は自衛隊、アメリカやらはFBIが動き迅速に処理されていった。
そして世界を震撼させる事が発表された。
それは《魔法》が使えるという事。これが発表された時はネットは大いに荒れた。薬物やってるだろ!、エイプリルはまだはえーぞ!など沢山の書き込みがあった。
それから日本の政府は緊急会議を開き議論をしたのちに国民になるべくゴブリンに近寄らないようにと発表したが一部の者はそんな事を聞くはずもなくナイフやバットを用いてゴブリンを見つけ次第殺していった。
政府は仕方なく新たな職業を作った。
ゴブリンやオークを殺す専門職
冒険者を。
武器などはモンスターを殺した時にドロップした時に落ちるものを使用してるらしい。
いやにゲームじみてると思ったものだ。
自嘲気味に笑っていると「おーい」とかけられた。
振り返るとそこにいたのは俺が冒険者に就職してから出来た女友達
「終わったぞ矢城」
「終わったぞ矢城……じゃないよ!この仕事1年も一緒なんだよ?!そろそろ下の名前固定で呼んでみるとかしろや!」
「はいはい」
俺が適当に相手しているのはゴブリン襲われレイプされそうになった時たまたま近くにあった大きめの石でゴブリンを殺し魔力を手に入れた女だ。
そこから冒険者という職業が出来た事をしると自衛と被害を出さない為に直ぐに冒険者という職業に就職した口の割に根は真面目な人間である。
名前は矢城ルシール。フランス人とのハーフらしい活発な性格と金髪がよく似合う。
「じゃあルシールアイテム拾って持っていくぞ」
「じゃあってなんや?!」
ルシールが俺に噛み付いてくる反応を返しながら
ゴブリンのアイテムを回収しに向かった。
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