報告書04 機械化の町
「近くに町があるんですか?」
「そ。一応、私たちの活動拠点ってやつ?」
偽りの神の集落を夜のうちに抜けた次の日の朝、かつては隆盛を誇っていたであろうビル街の跡地を抜けつつ、食事をつまみながらリスティたちは次にどこへ行くのか話し合っていた。1度ルートから外れてしまったあげく、夜の闇の中を逃げるように出ていったために、もはやターミナルで手にいれた座標は何の意味もなさないらしい。そこで、座標を固定してあるリスティの活動拠点に向かいたいとのことだ。
「しかし、ここは《機械》の活動範囲なのではないですか? 町があるとは……」
『自警団が発達していて、どうにかやれているようです。今もあるかは分かりませんが』
「イーユー。辛気くさい発言は禁止ー」
『失礼しました。寝に帰る程度のところなので分からない、だそうです』
「はは……自警団というと?」
缶詰につめられていたひき肉を口に運びながら、リスティは町のことについて聞いてみると、《機械》に見つからないようにゆっくりと大型四輪を走らせるイユから注釈が入る。とはいえ《機械》の活動拠点において、自警団によってその襲来を抑えているというのならば、警備隊の隊員であるリスティも同様の存在だ。少し親近感というか興味が湧いて、その自警団とやらを聞いてみると。
『身体の一部を機械化することで、戦闘力を手にいれた者たちの総称です』
「そう……ですか」
リスティも国にいた時に話には聞いていた。人間でありながら身体の一部を機械化させることで、《機械》に対抗している者がいると。ただしそんな外道に堕ちるなどと――と、今までのリスティならば思っていただろう。
「……機械化って、誰でも出来るんですか?」
「んー、リスティには無理かな」
「え?」
ただ、それで《機械》から身を守る力が手に入るのならば。偽りの神の集落の時、見知った少女をむざむざと殺されるようなことはなく、騎士団の戦友たちを失うようなことはなかったのでは。マグカップを握り締めながら強くそう思うリスティに、あっけらかんとした回答が返ってきた。
「だってリスティの国って機械化ダメなんでしょ? 帰れなくなっちゃうよ」
「それは……そうですね……」
ぐうの音もでないとはまさにこのことであり、身体のどこかを機械化などしたりすれば、リスティは二度と国土を踏むことを許されないだろう。それは弟や妹に会うことすら出来なくなるのと同義であり、心を落ち着かせようと砂糖入りのコーヒーを飲んでいると。ふと、マキナの表情がいつものテンションからは信じられない沈んだものに変わる。
「それに機械化なんてやめた方がいいよ。何も感じなくなっちゃう」
「なら……」
「それとも国に帰らず私と一緒にいたい! っていう愛の告白だったかな? それなら腕のいい改造医いくらでも紹介しちゃう!」
……ならマキナさんも、何も感じないんですか――と、いつになく落ち着いた雰囲気のマキナに、リスティがそう返そうとしてしまうより早く、普段通りのマキナに戻って言葉を被せられてしまう。明らかに話題を逸らそうとしているが、そんな失礼なことを聞こうとしてしまったリスティも、ありがたく話を逸らしだした。
「いつまでも名前も覚えてくれない人とは一緒になりたくありません」
「そんなことないよー。リ……リスティでしょ!」
「正解です。次からはつっかえずにお願いします」
「それじゃあ私、索敵に行くから!」
本気なのかわざとなのか、どうしてかリスティの名前をようやく覚え始めたかのようで。マキナは笑ってごまかしながら、車体後方の出口から外に出ると、車体にへばりつけてあるはしごを使って車体上部へと登っていった。一応、速度を落としているとはいえ大型四輪は今もなお走行中なのだが、そんなことは今の動きを止める理由にはならないらしい。
「まったくもう……」
『お疲れさまです。コーヒーのおかわりはいかがですか?』
「もらいたい……ところですけど、物資とかは大丈夫なんですか?」
『はい。マキナがいつ人間を拾ってもいいように準備していますから』
そうしてリスティがぼやいている間にも、イユが後方の扉を閉めつつコーヒーのおかわりを用意し、食べ終わった皿を片付けていく。どれもリスティがやろうとしていたことが一瞬で片付けられてしまい、一応は客人としておかわりなどいただいてよいものかと聞いてみるが、時に問題ないような答えが返ってきたのみだった。
「すいません。イユさんは運転もしているのに」
『いいえ、これが僕の役割なもので』
「そんな……こんな物資を用意してるマキナさんにも、管理しているイユさんにも頭が下がります。お二人とも優しいんですね」
『優しい……ですか』
いただいたコーヒーを遠慮なく飲みながら、リスティは嘘偽りない気持ちをぶつけたつもりだったが、当のイユからはあまりかんばしくない反応しか返ってこず。何か失礼なことを言ってしまったかと、リスティは慌てて弁解する。
「へ、変なことを言ってしまいましたか……?」
『いいえ。ですが優しい、というのは違います。僕もマキナも、自分の役割を果たしているだけなのです』
「それが……」
それが優しいというのでは――と困惑するリスティが続ける前に、イユのさらなる言葉が重なっていく。
『僕たちがあなたを助けるのと、あなた方の言う《機械》が人間を殺すのとなんら変わりはないのですよ』
「え……?」
『ただそうして、命じられたことを果たすだけ……それが僕たちも含めた《機械》なのですから』
そんなことはない、とただ言うのは簡単だったが、どこか自嘲めいたイユの言葉を否定する材料を、リスティは持ち合わせてはいなかった。何故ならば彼女はイユやマキナや《機械》とは違って、ただの人間であるのだから。自分の帰りを待つ家族もいる、怪我をしたら治療に時間のかかる、ただのか弱い人間でしかない。
「……それでも、わたしがこうして生きていられるのは、マキナさんとイユさんのおかげです」
『確かに、それも事実ですね……時に。何故マキナがあなたの名前を覚えないか、教えてあげましょうか?』
それでもリスティは、自分を助けてくれた二人があの《機械》と同じだとは思いたくなくて、どうにか感謝の意を絞り出したもののイユの反応は薄く。助けられた手前でそんなことは言いにくいが、ただ命じられたことだけを繰り返すような人生で本当にいいのかと、理解できないなりに同情の念を抱いてしまう。
「……どうしてですか?」
『あなたのことを守るべき人間としか見ていないからですよ。名前を覚えたとしても、一個人ではなく、ただの人間Aでしかない』
そんな薄っぺらい同情の念が気に障ったのか、イユから珍しく怒りの感情のようなものがうっすらと感じられて。まだ数日程度の付き合いであるとはいえ、一個人として認識されていないという事実を突きつけられる。ただの出任せではなく、マキナの今までの態度からそう言われた方が納得できてしまって。
それに加えて言外に、これ以上は深入りをするな、と警告しているようでもあった。
「……では、わたしがリスティ個人として見られるには、どうすればいいでしょうか?」
『は?』
しかしてリスティは、そんなことで引くような空気の読める人間ではない。むしろ、どうすれば一個人として見られるか真剣に聞くようなタイプだった。これにはイユからも呆れたような、予想外だったような声色で返ってきて。
「あ、イユさんのそういう反応、初めて聞きました。やっぱり人間らしいじゃないですか」
『……マキナに個人として見られるには、でしたか。そうですね、あなたが人間を越えた……相棒にでもなれれば、覚えてくれるのでは?』
「はい! ありがとうございます! ごちそうさまです!」
命を助けられて、こうして国まで送ってくれるというマキナたちへ、どう恩返しすればいいかリスティはずっと考えていた。まったく釣り合ってはいないものの、リスティに出来るのは、マキナとイユにとって覚えられるような存在になること。リスティが弟妹たちのことを想って頑張れるように、マキナたちにとってリスティがそんな存在になれたなら――などと。手前勝手なことをポジティブに考えつつ、リスティはイユに感謝しつつコーヒーを飲み干すと、車体前方のガラスが乱暴に叩かれる。
「仲良く話してるお二人さーん」
「……マキナさん、どこから話しかけて来てるんですか」
「そんなことより! 多分、これから行く町の人が襲われてる!」
ガラスの向こうから戸を叩きながら、上下反対にへばりつくマキナの姿に、ついつい呆れてしまうものの。次の一言に車内の空気が一変する。
『確認しました。急行しますか?』
「お願い!」
ずっと安全運転だったイユの大型四輪のエンジンが唸り、その確認したという地点へと急行していく。車体上部へと登っていたマキナは、その速度上昇にあえて振り落とされながらも、すっと車内の中に帰還する。そうして最初から機械巨人となって戦うつもりなのか、すぐさま換装パーツの入った衣装棚を開ける。
「マキナさん、わたしにも何か任せてくれませんか?」
「ううん、危ないからここで待ってて」
「わたしだって警備隊員です! 人命救助くらいできます!」
「……わかった。ちょうどケガしてる人もいたから、それをお願い。無理しないでね!」
「はい!」
先程まで話していた、マキナの相棒に――などという思考は、リスティの脳内にはもうすでにない。彼女とて《機械》から人を守る騎士なのだ、人を助ける戦いに躊躇などない。亡き友人の機械柄を腰に帯びて、正面を向き直すと。
『まもなく到着します』
イユののんきなアナウンスとともに曲がり角を進むと、周りのビル跡の中心部のような、開けた広場へと到着する。その中央には中型の車両を使い防戦する数人の男女と、それを取り囲む数十体もの《機械》。小型から中型が主であり、リスティが先に遭遇した《重機型》のような大型種はいなかったが、その分とにかく数が多い。
「先に行きます!」
そうしてマキナ発進のために、大型四輪は《機械》たちにあえて後方を見せる。そこからリスティは換装前のマキナに代わり先行すると、近くにいた四足歩行の《蜘蛛型》へと乗りかかり、上部から機械柄から発生させたを光刃で一刺し。一撃でコアを破壊してみせながら、爆風を利用して次の敵へと跳躍した。
飛びかかってきていた、四足歩行ながら肉食獣のような姿をした《豹型》に、あえて自ら飛び込んで光刃で顔面を切り結ぶ。そのままの勢いで、リスティは近くにいた負傷者へと向かっていく。
……《機械》の人間離れした馬力には、文字通り人間では歯が立たない。ならばと、人間たちは軽装による柔軟性でもって《機械》の核を破壊することで、一筋の希望を掴んだ。
それを行えるように、リスティは警備隊員として訓練されてきた。
「助けに来ました!」
「……誰だか知らないが……助かる」
「その服は……内地の警備隊員がどうしてこんなところにいる!」
「話は後で!」
囮になっていたのだろうか、中央にいる仲間たちとは離れていた男性を庇うようにリスティは立つと、ひとまず敵ではないとその集団にアピールする。息も絶え絶えながら男からの感謝と、指揮官らしき女性の詰問の声が響き渡ったが、今はそれどころではないとリスティは叫ぶ。
何らかの武器を持った二足歩行の人間と同じ姿形をした《機械》の総称――《騎士型》が振り下ろしてくる鉄棒を、リスティはどうにか光刃で受け止める。一瞬、次はどうするかをリスティが考えていた瞬間、その《騎士型》の頭部が背後からの槍の一撃で吹き飛んでいた。
「ありがとうございます!」
助けに来たのに助けられた――と、リスティはチラリと背後を見ながら槍を構える男に礼をすると。その腕が機械化されていることに気づき、一撃で《騎士型》の頭を吹き飛ばした威力は、その機械腕から出ているらしいことを察する。
「もしかして、自警団の方ですか?」
「あ……ああ。この先の町の者だ」
その機械化された姿に、戦闘前にイユから聞いていた機械化自警団の話を思いだし、リスティは周囲を警戒しながらも
問うと。どうやら予想は正しかったらしく、男からはどうして知っているんだ、とばかりの疑問を呈したような雰囲気が漂ってくる。
「…………っ」
攻撃を受けたのか剥き出しの機械腕に、人間が利用しているものとはいえ、リスティがピクリと反応している最中。大型四輪の開いたままだった扉から換装を終えたマキナ――機械巨人が両手斧を持って発進する。重量感を伴って大地に降り立つとともに、脚部についたローラーで地を駆け出した。
「皆さん! アレは……わたしの仲間で! 敵の《機械》じゃありません!」
「あんたの仲間……ずいぶん機械化が進んでるんだな」
「は、はい。そうなんです……」
《機械》の増援と間違われないように叫んだマキナだったが、機械化された人間である自警団のメンバーには、むしろ受け入れられやすかったようだ。まさか機械化が進んだ人間なのではなく、マキナ本人いわく機械そのものなのだ、などとリスティは言えるわけもなく。とはいえ勘違いしてくれるならそれでいいかと、適当に機械化された人間なのだと合わせておく。
……本当にそうだと嬉しいのだけれど、という内心を隠しながら。
そうして機械巨人は、戦闘に参加して早々、大型四輪の近くにいた小型機械を両手斧の一撃で粉々に潰すと。とにかく敵の注目を引こうとするような戦いぶりは狙い通りらしく、脅威対象となった機械巨人へ中型の《機械》たちは殺到していった。
そこを捉える。停車中だった大型四輪から射出された武器の数々が、機械巨人のみに注視していた《機械》たちへ命中していく。それで行動不能とはいかないが、動きが止まったところに機械巨人が両手斧を振り抜いた。
「撤収!」
一刀両断、という言葉が相応しいか。誘われた《機械》はまだ動いている個体があるものの、今回は目的が敵の殲滅という訳ではない。それが分かっているのだろう、自警団の指揮官らしき女性も鋭い声で指示を飛ばすと、統制された動きで車両へと乗り込んでいく。
「大丈夫ですね?」
「ああ、助かった……あんたも目的地が同じならこっちに乗れ!」
「……はい!」
庇っていた負傷者を車両へと送り届けたリスティだったが、おかげでイユの大型四輪からは離れてしまう。少し迷ったものの、ありがたく男の申し出を受けて乗り込むと、すぐさま自警団の車両は発進していった。
「追いつかれないでしょうか……」
今まで乗っていた大型四輪は生活スペースを併設したものだったが、この自警団の車両は兵員と武装を輸送するのに特化した、輸送車両とでも呼ぶべきものらしいとリスティは思いながら。まだ生き残っているらしい《機械》の追撃は大丈夫だろうか、と心配して外を見ていると。
「あんたの仲間なら大丈夫だぜ、しっかりついてきてる」
「あ、いえ、そちらではなく……追撃が来ていないものかと」
「そっちも大丈夫だ。俺たちの戦乙女が来たからな」
「戦乙女……?」
リスティが仲間の心配をしていると勘違いした自警団のメンバーが、ずいぶんとリラックスした様子で話しかけてきて。まだ《機械》に追われているだろうに、この余裕はなんだと思えば、何やら戦乙女が来るなどと。
怪訝そうにするリスティに対し、まあ見てみろと言わんばかりの反応で、男は輸送車両の前方向を指差した。
そちらの輸送車両の外側にいたのは、飛翔する一人の女性。年頃はリスティと同じか、少し下ぐらいの少女が、その金色の髪を風でなびかせている――と、目にしたものを正確に捉えたリスティだったが、その考察に思考から待ったがかかる。人間が飛ぶはずがない、いやしかし現に目の前では、とリスティは自らの思考回路がショーとする前に、それを口に出すことで難を逃れた。
「人が……飛んでる!?」
「ああ、戦乙女……俺たちの町の英雄だ。彼女がいるから、俺たちも戦える」
「彼女も自警団の……?」
「いや、正確には自警団じゃないんだが……町を守るために自分を機械化した、旗頭みたいなもんだな」
自警団の旗頭。自らを機械化し、飛翔して前線で戦うその姿を、男たちは誇りに思っているかのようだった。それと同時に、少女に任せるだけでなく自分たちも戦うのだという鼓舞にも繋がっており、機械化という異形を受け入れた者が多数いることがその証左だろう。
まさしく戦乙女であり、かつてリスティの憧れた《ヒーロー》らしい少女は、輸送車両とすれ違って敵に向け飛翔していった。
「戦乙女……」
そうして《機械》の追撃をする戦乙女と別れた輸送車両は、リスティを乗せたまま町に向かっていった。交戦場所からそう遠くはなく、しばし負傷者の治療を手伝っていると、すぐにその場所が見えてきた。
《キャピタル》――そう呼ばれる町だということを、リスティはマキナから聞いていた。先日の集落よりもはるかに発展した町であるらしく、しっかりと町を守るように《機械》を寄せつけない壁が設置されている。とはいえこの壁は、リスティの故郷のような防衛陣地ではなく、通行止めの意味に置かれているようだ。
つまり町の周囲に通行止めの壁を設置することで、その中心部に人間たちが住んでいることを、《機械》に感知されないようにしているのだろう。もちろんそれだけで無事に済む訳もなく、故に機械化自警団が周囲を守っているのだろうが、今回は自警団の詰問は事情によりフリーパスだ。
「よく頑張りました! お姉ちゃんは嬉しいです!」
「はぁ……」
そうして壁の中心部である住宅街へ着くと、機械巨人から人間型に戻っていたマキナからの熱烈なハグが待っていた。完全に子供扱いでしかない「いい子いい子~」というかけ声も伴って、周囲の住民からの視線が本当に痛い。
「あの……」
「あ、すいません……」
「あ、いえ、こちらこそ……ご姉妹なんですか?」
「いえ、全然、まったく違います……」
「何か用かな?」
その現場を、茶色の短髪に眼鏡をかけた、一見してやり手の女性と印象を受ける自警団の指揮官が困ったように見ていて、視線が痛いどころではないと。リスティは無理やりマキナを引き剥がし、微妙な空気からお互いに何故か謝りあっていく。
そんな空気を作り上げたマキナ本人が問いかけると、指揮官はゴホンと咳払い。印象に相応しいキリッとした雰囲気に変わる。
「……まずは救援、感謝します。私は部隊の指揮官のアイリ。このお礼をしたいのですが……」
アイリ、と名乗った女性指揮官はそこまで言ってから、チラリと輸送車両を見る。そちらには負傷者も数多くおり、そもそも町を離れて活動していた以上、何かしらの任務があったのだろう、とリスティは視線の意味を理解する。
「今日はこの町で滞在する予定なので、後でも構いません」
「……ありがとうございます。どこかに泊まるあてがなければ、我々の拠点に来ませんか?」
「あー、それは大丈夫。一応、家があるから。場所は――」
「……そうですか。では、また後ほど」
別に見返りが欲しくて助けたわけではないが、物資を貰えるならばありがたいと、話はひとまずまとまって。アイリは自警団を率いて輸送車両を走らせていき、リスティはマキナとともにイユの大型四輪の元へ帰っていく。
『お帰りなさい、リスティ。家があるなどと言っていましたが、期待しない方がいいですよ』
「そんなことないわ、久々にベッドで寝られるわよ」
「それは……ありがたいですね」
帰ったや否やイユからもたらされる警告と、先に聞いた『たまに寝に帰っているだけ』という発言、そして家の場所を聞いたアイリの微妙な表情から、リスティはどんな廃墟か大体は検討をつけていたが。もしかすると予想外に綺麗な場所かもしれない、と一抹の希望を祈りながら、大型四輪に乗って拠点に向かっていった。
空を飛ぶとか出番なくなりそう(こなみ)




