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prolog
桜が、舞い降りて散る。
枯れるまでループされるその行動に、私は魅せられた。
美しく咲き、風によって舞い降り、そして散る。
そんな素晴らしい光景の世界に飛ばされてたから気付かなかったのだろう。
彼の存在に。
「桜の花が好きなの?」
そう問いかけた少年を私は驚きながら見る。
「え…うん。好きだよ」
私がそう言うと、そっかと笑いながらこう言った。
「じゃあまた、会えるよ」
そして、少年はいなくなった。否、消えた。
「どういうこと…?」
「陽菜〜!卒業記念写真撮るって〜!」
友達である莉沙が私を読んでいる。
そうだ、今は卒業式が終わったばっかだった。
「はーい」
と返事をし、私は莉沙の方へ走って行った。