#4 なんだかよく分からない機械・魔法の窯
トトイスに手を引かれてまた外に出て来た。
「ガタガタ」
何か始める気なのは分かるが、ワタルは何をするのか分からないので恐々。身震いしてしまう。
「この木は邪魔やな」
そう言うと庭木をいきなり足蹴にしてなぎ倒していく。
大して強く蹴っているように見えなかったが、キックボクサーも顔真っ青な凄いキック力。庭木が三本犠牲になったが凄いものを見た気がした。
「こんなもんでええな。ほいやとっ」
そして地面を足で踏み固めると手をパンパンと叩く。すると窯のらしきものがどこからともなく出現する。
土管の付いた金属質な外観に煙突、メーターやレバー、ダイヤルがいくつもついた不思議な機械であった。
なんだかよく分からないが、見方によっては火葬場のそれと似ている。
「トトイス、この機械はなんなんですか?」
考えみたが思いつく訳もなく、直ぐにギブアップ。トトイスに答えを聞く。
「こいつは 【魔法の窯】 や」
ワタルにトトイスは自慢気に説明。表情の変化は乏しいけれど、説明してる時の彼の顔はにやけていた。
「魔法の窯?」
けれどもその説明は言葉足らずでよく分からない。はたして魔法の窯とはいったいどの様な道具であろうか?
理解できないワタルは突っ立ったまま首を傾げ、そわそわするばかりだった。
暫し沈黙が続いたが、首を傾げるワタルを横目にトトイスは突然右腕を引っ込める。
「論より証拠や。まあ見とるでやんす」
そう言うと引っ込めた右腕を出すと彼の手には薄い灰色の粘土で作った人形が握られていた。
トトイスは機械をカチャカチャいじりる。人形を窯の台の部分に乗っけて中に入れ、ダイヤルを回する人形が窯の中に入り窯の扉が閉まる。
「スイッチオン!」
そしてレバーを引くと機械が勢いよく動き出し、煙突から汽笛みたいな音を鳴らしながら白い煙が立ち上る。
しかし機械の作業音が実にうるさい。あまりのうるささにワタルは両手で耳を塞ぐ。
とかやってる間に機械の土管の部分からドカンと大砲にも似た発射音と共に何かが出て来る。
「これは!」
出てきたのは人間サイズの粘土の人形だった。大きさこそ異なるもののその形はトトイスの出した粘土細工だ。
なんて思ってると。
「動くでやんす」
出て来た人形にトトイスが命令する。
何を馬鹿なことをやってるんだろうか。どんなに大きくても粘土細工が動く訳がない。そう思い俺は鼻で笑うが。
「馬鹿な! 粘土細工が動くなど!?」
信じ難いことだが、命令されると人形はそわそわとその場を歩き回っている。
常識的に考えて粘土細工がいる歩き回るなんてあり得ない。目の前の光景が信じられずに俺は腕で目をゴシゴシ擦る。
「はっ!」
けれども直ぐに理解した。あの窯は人形は模型を実体化させる機械だと。
劣等生の俺でもそれを知れたのも数多くのアニメを見ていたお陰だな。
「クックックッ……アーッハッハッ!!」
全てを悟った俺は高笑いするのであった。