#3 トトイスの力と目的
「ぷんすか! ぷんすか!」
さて、模型部屋の前に突っ立ってる二人ですが。ワタルは物凄く腹を立てていた。
それと言うのもプラモを作ろうとしてたのを邪魔されたからだ。楽しみを奪われたら腹を立てるのも当然のこと。
けれどもトトイスはお構いなし。こいつは空気の読めるタイプではないな。
「ほんじゃあいくでぇ」
唐突にトトイスは指パッチン。すると二人は一瞬でどこぞの山頂に移動している。どうやら瞬間移動した模様。
「え!? どういうこと?」
けれどもワタル何が何だか分からずにはあたふた。メンタル弱いですね。
「ほんでもっておまけの巨大化」
驚くワタルをよそ目に、トトイスは四十メートル以上に巨大化。
「どうや?」
そしてしゃがみ込んでワタルの顔を覗き込む。
「おわーーーーぁ!?」
一方、でかい顔を近づけられたワタルは戦きの声を上げながら尻餅をつく。まるで怪獣映画のワンシーンみたい。
「わいの力は分かってもらえたでやんすか?」
「認める。認めるから助けてくれーーーー!」
トトイスの能力は超常現象のそれと同じ。ワタルは首を上下に勢いよく振って認めざるを得ないのでした。
「せやろせやろ♪」
トトイスはさり気なく元のサイズに戻ると、自分の力を認められて満足気なご様子。
「そんじゃ帰りまっか」
指パッチンしてワタル共々彼の模型部屋に瞬間移動するのでした。
◇
「それで貴方は俺に何のご用ですか?」
模型部屋に戻るとトトイスの能力を認めたのか、やや敬語気味のワタルくん。しかし恐怖心からか声は震えていたが。
「そりゃああんさんの模型作りの腕を見込んでのことや」
「なに! 俺の模型作りの腕見込んで?」
少し驚くも、案外まんざらでもない様子のワタル。照れながら頭を指でぽりぽり。
ま、自分の能力を認めてくれるのは大なり小なり嬉しいもの。特に自分の好きなことや得意分野で認められればなおのこと。照れる彼の気持ちも分らんでもないな。
「見りゃ分かーと思うが、わいはこんな指やから細かい作業はできへん」
トトイスは占い師に手相でも見てもらうように自らの手を出す。
「確かにこの手じゃプラモを作るのは無理だな」
彼の手は野球のグローブよりも一回り大きく、四本の太い指にオオアリクイみたいな厳つい爪が生えている。この手で精密作業することが無理なのも頷ける。
「そこであんさんにわいの代わりに模型を作ってもらいたいんでやんす」
大体の事情は理解した。けれども腑に落ちない点が一つ。
「材料さえあれば模型は作れるが、その模型を何に使うき?」
それは模型を何に使うかだ。あれ程の能力を持つ神が模型を眺めて楽しむとは到底思えない。
トトイスの目的が俺は分からずに首を傾げていると。
「そりゃあ実体化させるためや」
「はいっ?」
言ってる意味が理解できなかった。模型を実体化させるなんてできる訳がない。
「論より証拠や。来るでやんす」
「おい! ちょっと」
頭の上にクエッションマークを浮かべる俺の手を強引に引き、トトイスは部屋の外に出るのだった。
いったい何をするきだ?




