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カメでまんねんw  作者: 黄金の右脚
基盤作り
28/32

#27 知らぬ間に襲撃された


「ホントにそんな機械があるんだな?」

 俺と一緒に歩きながら、そんなこと質問してくる中年男。

 俺、水蓮すいれんは、風呂敷包みを担いだ、髭の濃い中年男と一緒に山を登ってる。

 予定よりも大分遅れてしまった。それと言うのも、こいつのせいで思わぬ足止めを食らうことになる。

 事の原因は二時間前に遡る。


 ◇

 

 基地に使えそうなプラモを取りに自分家じぶんち (と言っても木造アパート) に帰り、必要な物を持ってけるだけカバンに詰め込んで山に戻るために玄関を開けとようとした時だ。

時和ときわさーん。て、誰ですかあなたは!?」

 がチャイムを鳴らそうとしてた。彼はこのアパートの大家さんだ。

 後、俺の本当の名前は時和って言う。

(しまったな……)

 まずい時に大家さんに会ってしまう。それと言うのも大家さんに姿が変わったことを教えてなかったからだ。お陰で大家さんしどろもどろ。


「大家さん、実はですね……」

 変に嘘言っても、どうせボロが出るだけ。そう思った俺は真実を包み隠さずにちまける。

「そんなことが……」

 大家さんは信じきれてない様子だった。

「時和さん! 私にもその機械で超人の肉体が手に入りませんか?」

 だが、目の前の現実を受け入れた。と同時に魔法の窯に興味を持つ。

「多分可能です」

「私もしてください」

 大家さんは俺の肩をガシッと掴むと、思いつめたような表情で頼んでくる。

「いや、俺が勝手にする権限がないからなぁ」

 道具を作ることはワタル様許可してくれたが、生の人間を模型と融合させることは固く禁じた。だから断るとしたが。

「ため込んでる家賃チャラにしてあげるから」

「うっ!」

 思いがけない話が浮上してくる。自慢じゃねぇが俺は生活苦で、現在家賃を三ヶ月滞納中。これは願ってもないの条件。

「すぐに案内致します。それと、今の俺の名前は水蓮です」

 だから二つ返事でOKする。ワタル様の言い付けは破るが 「基地建設の方で成果を上げりゃあ、大目に見てくれるだろう」 と踏んでたので、たぶん大丈夫だろう。

 

 ◇


 てなことがあった。そして現在に至る。

「いや~、楽しみだな」

 大家さんは興奮気味。鼻息荒く、顔をニタニタさせていた。ま、逸る気持ちも分らんでもないが (俺もフィギュアと融合する前は同じような状態だったから)

「どのフィギュアと融合しよっかな~」

 大家さん、自分のフィギュアを詰め込めるだけ風呂敷に包んで持ってきてる。おまけに融合するのとは無関係なフィギュアも多数持ってきてる。決めかねてるんだと思うが、お陰で遅れた。

「着きました」

 なんやかんやで目的地に到着するが……。


「これは!?」

 到着したが驚いた。足軽と思われる死体が散乱している。おまけにポラリス潜水艦も真ん中から一刀両断にされていた。

 見た瞬間に確信した。足軽たちが皆殺しにされているのだと。

「バタンキュー」

「大家さん!」

 バラバラになった死体を見て大家さんは気絶。俺は慌てて大家さんに駆け寄るが。


「た~すけて~」

「おわっ!?」

 足下でおでこまで埋まったラセツが助けを求めている。

「この際、大家さんは後回しだ。ラセツ、今助けるぞ!」

 俺はラセツの頭頂部を掴み、力一杯引き抜く。

「てっ、えぇ!?」

 引き抜いてみるとラセツの首から下がそっくりなくなっていた。にも拘らず生きている。ラセツの体はどうなっているんだ?

 しかし今は疑問をいだいてる場合などではない。

「ともかく引っ付けなければ」 

 何時だったか、ワタル様が腕を失った仲間に別の腕を移植したと聞く。俺にできるか分からないが、見よう見まねで移植手術をやってみる。

 しかし足軽は皆、悉くバラされていて使い物にならない。

「インドニア……!」

 首から上がそっくり無くなっていたが、インドニアの体は無傷。これなら使えそうだ。

「はいやーぁ!!」

 で、インドニアの体をラセツに移植する。


「くっついた!?」

 数分後、移植手術は成功。ラセツは立ち上がり、自らの首を摩って体の感覚を確かめていた。

 異なる人間の頭と体がちゃんとくっついて機能している。こんなマンガみたいなことが現実でできるなんて、ビックリだ。

「水蓮、どうやってやったの?」

「わからん」

 がむしゃらにやったもんだから、どうやってやったのかなんて大雑把にしか覚えてない。

 ラセツはインドニアの体とくっついたことが信じられない様子だったが、それは移植手術した俺も同じで、目の前の現実が信じられない。 『夢』 か 『幻』 に思えて仕方ない。


「そんなことよりもラセツ。俺がプラモを取りに行ってる時に何があったんだ?」

「それが、エスポアの使者とか名乗る黒縁眼鏡をかけた青年が日本刀でいきなり切りかかって来て」

「それで?」

「私たちも応戦したんだけど。そいつはむちゃくちゃ強くて、あっという間にやられてしまった。その時にインドニアは頭をぶっ飛ばされて死んだんだ……」

 ラセツは、涙ながらに事の一部始終を説明する。

「そんなことが……」

 真実を知った水蓮はガクンと膝をつき、ショックで言葉を失う。


 この一件がトトイス一味とエスポア軍の最初の出会いと戦闘であった……。




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