#22 全員集合!
邪魔者がいなくなった和泉は栄を我が物顔で破壊している。
「こりゃあ、えらいことになったでやんす」
しかし、栄を闊歩する和泉をデパートの屋上で眺める者が一人。そう、トトイスだ。
彼は深刻そうな物言いで事態を重く見ている様子だった。
だが、胡坐をかいてスナック菓子を手づかみでむしゃむしゃと食べていて、緊張感の欠片も感じられない。真剣に考えてるのか?
「どれ! いっちょ怪獣退治といくでやんす!」
何を思ったのかトトイスは突然立ち上がると、デパートの屋上から地上目掛けてダイブ。
「しゅたっと!」
そして体操選手顔負けのきれいなフォームで道路に着地。見てる人もいないのにフィギュアスケート選手みたいにポーズ決める。意外と見せたがりなのかもしれませんね。
しかし、十階以上の高さから落ちて何ともないところを見ると、相当頑丈なのは疑いの余地はないであろう。
「全員集合や!!」
そうこう説明してる間にトトイスは指パッチン。
すると一瞬周囲が禍々しい閃光に包まれる。
「「「「えっ!?」」」」
光りが消えると、トトイスの周りに仲間たち三十数名が現れる。
「どうなってんだこりゃ?」
「分からん」
当然ながら呼び出された者の大部分は何が何だか分からずにしどろもどろ。
また、それぞれ独自に生活してることもあって、やってることは人それぞれ。
ある者は作業着を着て組立作業中。ある者は休憩中でまったりモード。ある者は学校で授業中。ある者パジャマ姿で爆睡中。またある者は食事中だった。
そんなものだからタバコを吸ってる者もいれば、着替え中で下着姿の者もいるし、果ては入浴中で裸に泡まみれな者もいた。
ちょっときわどいですね。
「こんなことしたのはお前か!」
しかし、事の原因にワタルはいち早く気づく。それというのも彼がトトイスに一番近い位置にいたからだろう。
「何でこんなことした? 俺は今真面目に授業を受けてる最中なんだぞ!」
なんて真面目ぶってるワタルですが、実際には授業の内容など殆ど分からずにぼんやりとしていた。
にも拘らずそのことを棚に上げて、トトイスを非難し、問い詰めた。
「あれや」
ワタルに問い詰められるとトトイスなんだぞは西に向かって指をさす。
「あれは!?」
するとそこには暴れ回る怪獣の姿。それを見たワタルは仰天してよろける。
「トトイス様、あの怪獣は何者ですか?」
ノービ=ノービ・オーカーが話しに割り込み、トトイスに質問する。
「また仲間が一人裏切ったんでやんす」
「またですか!?」
ノービ=ノービ・オーカーは口あんぐり。
「誰だよ、裏切りそうな奴連れてきたのは?」
右手に割り箸、左手に牛丼 (特盛) を持ちフリーダムが愚痴る。どうやら食事中だった模様。
「おめえだよ!!」
フリーダムにワタルが大きな声でツッコミを入れる。
「ん?」
だが、そのせいで和泉が振り返り、ワタルたちに気づいてしまう。
「邪魔者は排除する!」
そしてワタルたちに地響きとともに迫る。
「チッ! やるしかねぇか……。ヤロー共、戦うぞ!!」
舌打ちするも、うろたえている仲間に活を入れる。
「「「「は、はい……! ワタル様!」」」」
少々おどおどしてるものの、ワタルの一喝に仲間たちは自らを奮い立たせる。
斯くして、トトイス一味と和泉の戦いの戦いの火蓋が切られる!




