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カメでまんねんw  作者: 黄金の右脚
巨大戦
21/32

#20 体重差


 尚も進行を続ける和泉。立ち向かう者もおらず、自らの力は圧倒的。十数分前に巨大化して以来この地点まで約二千メートル。彼は無敵であった。

「こりゃいい。最高だぜ!」

 そして彼は自らの力に酔っていた。

 無理もない。非力な人間が急に力を手に入れたのだがら。


「待てーーーーっ!」

 突如として上空から待ったをかける声。

「ん?」

 和泉は上空を見上げる。

 するとそこにはガイアの姿が。そう、和泉を止めるためにガイアがやって来たのだ。

「誰だお前は!?」

 この二人に面識はなく、初対面である。

「……そうか、お前も」

 けれども本能的に自らと同じように魔法の窯で模型と融合した同類と感じ取る。


「こんなことはやめろ! これ以上関係のない人たちを巻き込まないでくれ」

 ガイアは空中に浮かんだまま対話し出す。

 戦う気はあったものの、あくまでも話し合いによる解決をガイアは望んだ。意外と平和主義者ですね。

「やなこった!」

 しかし和泉はそっぽ向いて即答で拒否。

「仕方ない。キミを止める!」

 拒否られたことでガイアは止む無く戦うために勢いよく地面に着地。

「おわぁああ!?」

 ところがガイアが着地して土煙が飛びあがるとアスファルトが砕け、勢いよく地面にめり込んでしまい地上から見えるのが頭だけになってしまう。

「なにがどうなってるの?」

 どうしてこうなったか分からずガイアはあたふた。

 なお、原因は二つ。

 一つは着地した地点に大きな地下街があったからだ。こういった場所の地面は必然的に弱くなる。

 もう一つはガイアの重さだ。五十メートルに巨大化したガイアの体重は四万二千トン。そのような重たいものが勢いよく着地すれば柔な地面では耐えられない。

 結果としてガイアは地面にめり込んでしまい身動きが取れなくなってしまう。

 

「こりゃいい。勝手に自滅しやがった」

 労せずして敵を無力化できた和泉は有頂天。

 いい気になって鼻で笑う。

「一撃で決めてやる」

 ちょっと調子に乗ってたのも束の間。和泉はブレス攻撃でガイアを仕留めるべく大口を開ける。

「やばい!」

 身動きの取れないガイアは絶体絶命。もがくものの態勢が悪く抜け出さない。

「死ね!」

 今まさにトドメが刺されようとした時である。


「「待てーーーーい!」」

 地上と上空から待ったをかける声。

 地上には魔法少女風のコスチュームを身にまとった、紫がかった白い長髪の小悪魔的な少女。そして上空には四十七メートルに巨大化したCOSMOSコスモスが。

 地上の少女の名はシト。こいつも魔法の窯で模型と融合した者の一人だが、こいつは栄で暮らしていたので駆けつけることができた。

 一方、COSMOSはガイア同様にテレビで情報を知る。知ったのはガイアと同時刻であったものの、最大飛行速度がマッハ七のためにガイアよりも遅れたのだ。

「ガイア、今助けるぞ!」

 COSMOSはガイアを助けるべく、ガイアの目の前の地面に着地する。

「アアアアーッ!?」

 しかし着地した途端にCOSMOSの体が地面に引きずり込まれるように沈んでいき、あっという間に頭まで埋まってしまって、ガイアと向き合った状態に。

 それというのも巨大化したCOSMOSの体重も四万二千トンあるのだ。であるからして、ガイア同様に地面にめり込んでしまったのである。

 助けようとした奴が助けられる側になっちゃ 『ミイラ取りがミイラになる』 もいいところ。

「あっちゃ~」

 これにはガイアも 「やっちまったな」 とでも言いたさげな顔。

「どうしよう?」

「困った」 

 二人揃って対処法もなく、互いを見つめ合うばかり。これではコントである。


「ぷすす~」

 二人のマヌケっぷりは和泉の笑いのツボにハマったらしく、込み上げてくる笑いを必死に抑えてる。


「ホントに頼りにならない……」

 頼りないガイアとCOSMOSに、それを見るシトの顔は呆れ顔。

「やっぱしオイラがしっかりしなきゃいかんな!」

 そう言うとシトは全高四十二メートルに巨大化。シトも巨大化能力を有する者だった。


「「「「おっ! パンツ見えた♪」」」」

 しかし巨大化したシトの足元に立ち、スカートの中を覗き込むために男共が多数引き返してくる。命を惜しまずスケベ心を満たそうとするとは呆れた根性である。

「いやん!? ……って、そんなことやっとる場合じゃない! 行くぞぉ!」

 シトは一瞬女子みたいに嫌がるも、すぐさま本来の目的を思い出して和泉にぶち当たってく。


「僕達は地面に沈んだのに、あの人はなんで沈まないの?」

「さあ、分らない」

 ガイアとCOSMOSは首を傾げたのも無理はない。シトはどたどたと走ったがアスファルトが壊れる様子はなく、ひび割れ一つないのだ。

 理由は簡単。体重が軽いのだ。

 実はシトの巨大化は一般的な巨大化と異なり体重が変化しない。従って体重が数十キロ程度の者が飛んだり跳ねたりしたところでアスファルトの地面が壊れることはない。

 どうでもいいことだが、巨大化した和泉の体重は百七十トン。数字的には重そうだが、全長六十二メートル、全高三十八メートルの大きさからすれば軽いもの。だから和泉も地面にめり込まないのだ。

 他作品にも言えることだが、同じ大きさでも設定体重に結構な差があったりする。故にこのような状況になっちゃったりするのだ。


 まあそれはさておき。和泉とシトの戦いの火蓋が切って落とされたのでした。


 

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