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いつかの夢と僕らの日常  作者: 古屋
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一章 九話 かふぇ

────夏希視点


『はぁー。なんでこんな状況に陥ってるのよ。こっちは2ヶ月も部屋から出られなくてただひたすら起きるの待ってたのに!そりゃ感情とか好奇心とかが溢れるに決まってるじゃない!!……あれでも頑張って抑えてたのに』


なんだこの小さい生き物。羽生えとるしなんか透けとる。


『……でも、さっきのは《私》の方が悪いのはわかってるからわざわざあいつの家に戻ってみたけど、どこにいんのよ!外を飛んで周辺探しても居なかったし……』


あー、思い出した。こういうの昔しょっちゅう見てたわぁ。うわ、懐かしい。


『今は美味しそうな匂いに釣られてかふぇに来ちゃったけど、やっぱりいないわよねぇ。あー、私が見える人どこかにいないかしらー。誰か助けてよー』


面白そうやし助けてやろっと。


『うわあ!?!いきなり真っ暗になった!なによこれ!』

「ちょっと待ってな、人がいないとこにつれてくから。話はそれからや」



「さて、どしたん?」

『!!!私のこと見れるのね』

「やから拉致って来たんやけど。で?助けてーって言うてたけどどーしたんよ?」

『……私はある人の能力なんだけど、2ヶ月ぶりに起きたから、起きてすぐ話し掛けまくったら追い出されたのよ』


2ヶ月寝てるとか絶対冬陽やん。寝起きは機嫌悪いのが標準やし。


「あー。あいつ寝起きは機嫌凄い悪いからなー。で、どうしたいん?」

『謝って許してもらいたいのよ。でも、何処にいるのか全くわからなくて……』

「ならここに呼んでやろうか?」

『出来るの?!』


今から電話しようとしてたところやし。


「ああ。で、確認なんやけど、その能力者の名前、冬陽やろ?」

『そう!冬陽!呼んで!今すぐ!!』


また面倒そうな性格の妖精さんやなあ。



「もしもし、今いいか?」

「うん、ちょうど用事が終わったから大丈夫」

「それなら今からこっちに来てくれへん?南区の商店街にある能力禁止カフェにみんないるから」

「わかった。ちょっと待っててね」



「これでしばらくしたら来るから。あとは俺の近くで待っててくれるか?」

『わかったわ。ありがとう』



「おかえり!冬くんどうだった?」

「ちょうど用事が終わったみたいで、今こっち向かっとるって」

「そっか!やっと会えるんだ!!」

「じゃあ、冬陽がつくまでに話まとめなきゃな」


そんな時間あるんかねえ。


────冬陽視点


夏希から電話で呼び出されて南区の商店街まで転移して、歩いてカフェを探していたらめっちゃ良い匂いがしてきて、ついそのお店に入ったら夏希たちがいた。


「夏希、来たよ。おはよう」

瑠架義姉るかねえさん!?なんでここにいるん?!」


誰だよ。てか僕女じゃないし。


「夏くんの知り合いー?綺麗な人だね!初めまして、瑠架さん!」

「は?」


ドッキリかなんかなの?これ僕キレていいやつ?


「ん?もしかしてこれ冬陽じゃない?」


これ呼ばわりは酷くない?あー、なんかお腹すいてきた。


「そうだよ?どうしたの二人とも。髪が肩より長くなった程度で僕を女に間違えるなんて」


僕が女に間違えられることが嫌いだって知ってるでしょ。


「だって冬くんの髪、綺麗な白色になってるじゃん。同じ冬くんとは思えないよ?」

「え?……あ、本当だ。朝は元の色だったのに」


髪後ろで纏めてて視界に入ってこなかったから気付かなかった。本当に白くなってる。


「……雪の色みたいで、冬陽にぴったりやない?」

「わかる。本当に女の人かと思った」


女顔で悪かったね。


「ははは、ありがとう。てか瑠架ねーさんってどんな人?」

「親戚に南波瑠架なんばるかっていう人がいるんよ。で、昔その人によく面倒みてもらってて一緒に遊園地行ったりもしたんやけど、その時に瑠架義姉さんはコスプレで白い髪のウィッグつけたんよ。そのときの瑠架義姉さんにそっくりでさ。ははは……」


そっくり?僕と?うわー、心当たりある。


「ねー、夏希。その人の写真ある?」

「部屋に何枚か写真あるよ」

「後で部屋行くね。それ見せて」

「冬くん、随分と積極的だねー?」


いやー、こんなところで手がかりを見つけるなんて思ってなかったからね。


「あはは、ちょっと気になることがあってね。さて、本題の話はここでする?それとも帰る?」

「……帰ろうか。その方が都合が良さそーだし」


無理。お腹すいた。少しぐらい待たせてもいいよね。


「わかった。ねー、ここおすすめは?」

「サンドイッチー」

「ごめん頼んでくる。お腹すいた」


結局お昼食べずに来たからお腹空いてたんだよね。




「ふー、美味しかった。少し待たせちゃったね」

「僕らは大丈夫だよー!あとは帰るだけなんだし!!」

「やね。冬陽、写真見に来るときは一人で来てな。二人で話したいこともあるし」


そっちの方が僕も都合がいいんだよね。


「わかってるよ。ということで春と秋斗は来ないでね。わかった?」

「わかったよ。でも、その後俺の部屋にも来いよ?」


あー、面倒なことになりそう。


「じゃあー、僕の部屋にもー!」

「わかった。さて、出ようか」


……分身出来る能力が欲しい。

あっ、ガラの悪い人が入ってきた。


「おっ、綺麗なねーちゃんみっけ!そんなガキと遊ぶんじゃなくて俺と遊ばない?たのしーよ?」


は?……はあ。そーですかそーですか。そんなに僕は女に見えるんですか。お望み通り遊んであげますよ。


「あなたのような下品な人間とは遊ばないことにしているので。ごめんなさいね」

「いーじゃん、少しくらいさぁ」


女っぽく喋ってやったんだ。とっとと僕の視界からフェードアウトしろ。


「ねぇ、あんたらしつこいよ?ここが何処だかわかってんの?それとも頭沸いててわかんないの?」


……あれ?いや待って、春キレてない?春はヤバくない??


「あ?ガキはすっこんでろよ。俺はそこのオネーサンと話してるんだけと」

「お客様のご迷惑になりますのでお引き取りを」

「店員ごときがいきなり話に入ってきてんじゃねーよ。殺すぞ」


銃出してきたよ。こいつここがどこだかわかってんの?ここじゃ銃なんて本物だろうがオモチャとたいして変わらないのに。


「お引き取りを」

「もーいい、殺す。あ、そこの女が十秒以内にこっちに来るなら話は別だけどな?」



小声で喋る。


「あいつ能力者じゃないね、ここらが能力者が隔離されてる地域って知らないみたい。どうする?」

「ここは僕がやるよ」


春はそう言ってから『ごめんね、すぐ出ていくから』と風で声を店員だけに届け伝えると、店員の周囲に空気を圧縮してバリアを造り、纏わせた。


「ちっ、来ねーのかよ。強情な女だな」


男はそう言うと銃の引き金を引いた。バンッと銃声が響くが、射たれた店員が苦しむ様子は無い。


「おい、なんで死なねーんだよ!おかしーだろ!《人間なら》これでッ?!……く、るしっ……」


男は呻きながらその場に倒れた。


「酸欠で気絶させたけど、こいつどーする?近くの川に捨てる?」

「いえ、警察に連絡しておきましたので。有り難うございました」

「は、春が……いつの間にか荒んでる…………」


なんてこった……やばいことになりそう……。


「……帰るか」

「はぁ、そうするか」

「ご迷惑をおかけしましたー」

「またのご来店をお待ちしております」


帰ってからどうしようか……いやほんとどうしよ。

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