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いつかの夢と僕らの日常  作者: 古屋
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二章 二十三話 鳥と姉妹①巨大な鳥と幼い姉妹

────ルフ視点


始まりは私が世界を巡る旅の途中雷雨に遭遇し、地で羽を休めていた時だった。

遠くから走りよってくるヒトの子がいたのだ。


「うわ~!しろくておっきいとりさんがいるよ!!ルシャー、かっこいーねー!!」

「リル!走ったら危ないでしょー!あ、ほんとだ!かっこいー!!」


かなり近くにまでよってきた二人の子供。

最初は面倒だと、喰らってやろうかとも思っていた。




神名かみなを交わすとずっと仲が良いままで、互いの祈りが通じやすくなるんだって!』

『みんなで、幸せでいようね!とりさんも!』

『……ありがとう。ルシャ、リル、二人が元気で幸せになれるように、私も名を言おう。我は《ファウ・ア・ルフ》」

『私は《ルシャー・ヤ・シーナ》』

『私は《リディル・エル・テール》だよ!』


それが、後に神名かみなを交わし真名しんなまでを交わす存在になるとは思いもしなかった。


──


「あ!あの大きなとりさん今日もいるよ!」

「あぶないって!おかーさんたちも言ってたでしょ!!」

「えーーー!でもでも!温かそうだよ!」

「……たしかに、今日は寒いから、温かいのはありがたいけど……」

「ほら!ふわふわ!!」

「っ!!……うわ、ふわっふわ!!」


……何故私の上で跳ねてるのだ。うるさい子らよ。

軽く体を振って子らを落とす。


「わあっ!……うぇええええええん!!!んええええええええっ!」

「いて、て……っ!リルっ!!大丈夫?!」


少女はよろけながらも泣き出した妹の元へ駆け寄る。

……やりすぎたか。しょうがない。弱きものだ。

ゆっくりと体を動かし、くちばしで泣き喚く少女に『とんっ』と軽く触れる。


「うわっ、とりさんがいじめるぅーうわあぁあぁあああっ」


先程駆け寄ってきた少女にも軽く触れ、先程いた場所にまた腰をおろす。


「……あれ??痛くなくなった??」

「ひっ、ひっ。……っほん、とだ。っ」

『頼むから、ここで休む邪魔はしないでくれよ』


私はここに休みに来ているのだ。邪魔されるのは癪で、つい声を発してしまったのだ。


「とりさんしゃべった!?!」

「……声かっこいい」

「私ね、私ね!リルシアって言うの!リルって呼んで!おねーちゃんはルシャ!」

「ルシャじゃなくてルシャナ!でもルシャって呼んでね!とりさんは?」


こやつら目をきらきらさせておる。これ答えないといけないやつなのか……?


『……我は、ルフ』




あれから、ルシャがリルより先に来て歌を歌い、リルが来る直前に止めるという不思議なことを繰り返した。私の近くでしか歌えないそうだ。


というより、何故私の近くで遊ぶのだ?


そんな疑問が解消されることはなく、数十年に一度の昼続きの日が来た。その日はリルとルシャが一緒に来た。


「とりさんとりさん、いつものお礼をしに来たの!!」

「今日は特別な歌が歌える日なの!!」


ルシャの顔色がいつもより明るい。リルと一緒に歌えることがとても嬉しいようだ。

二人は、喜びの、感情の溢れるとても綺麗な歌を聞かせてくれた。

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