二章 十四話 罪
─────夏希視点
冬陽たちが神調べの間とやらに行っている間に、俺は一人でさっきのことを考えていた。
『ノヴァ。さっきの罪確保できとる?』
『先程までの世界は居づらくてな。少ししか集められなかったのじゃ。すまんのう』
『いや、少しでもあるならへーきや。ありがとな』
ノヴァが放した宙に浮かぶ罪を掴む。そして、直接染め上げようとする前に、とても嫌なものが侵食してくるのを感じる。怯まずに染めようとしても、なかなか感覚を掴めない。
……こいつ結構手強いわ。重力とは性質が違いすぎる。なんか、ふわふわしてるのに濃度があり得ないくらい濃い。布みたいな細かさ……っぽくはないんだよな。どろどろしてる。
『んじゃあ、ノヴァ。罪の器って出来る?』
『無理じゃ。罪というのは対極に存在し、天と地以上離れている。確保するだけで精一杯じゃ』
『あー、ごめんな。無理させてたか。』
『消滅しておらんから別にいいぞ?かつて、同族に自らの主に消滅させられたやつがいてな。あのへこみようを見ると、どんな主でもしあわせに思えるのじゃ』
……消滅させられた?あ、これ考えちゃいけないやつや。絶対《約束》破ることになる。まだその時じゃないんに。しゃーない。ハードモードに身を捧げるか。
「あぁーーー。無理!……天狗さん俺暫くここに籠ってもいいですか?」
難易度まじでおかしーよ。一歩進むだけで罠が四方八方から俺めがけて飛んで来るのに、絶対に避けれる空間が残されてる。速度もばらばらなのに。全部把握して尚、避ける際に踏む罠のスイッチにも気を配らないといけないとか……。
「冬坊と話す時と同じでいいぞ。んで、そうだな。穴の近くに復活地点作っておくか。その横に天狗スイッチも作るから、なんかあったらそれで呼んでくれ。つーことで、頑張れよ」
ここに残ることが最善っていうのはわかるんやけどなあ。きつすぎやしませんかね。
────冬陽視点
「それじゃ、よろしくね、先代さま」
「ああ。気は乗らないが、必ず届けよう」
「急がなくていいからね。僕は暫くハードモードで遊んでくるから」
「……あんなものでも役に立つのだな」
「後で当代さまにお礼言いなよ。小言は添えちゃだめだよ?」
「肝に命じておく。しかし、やはり気づいていたか。当代が修行に出ていることを」
「じゃないと次代の長予定のにーさま来ないし。……ね?」
「瑠架お嬢も鋭いし、深冬も鋭いし。まさかお前まで鋭いなんてな。しかも全員特殊、と」
「はは。楽しかったからいいけどね。んじゃ、またね」
父さんに関わる記憶はまだ朧気だけど、どんな人だったんだろう。父さんは何を抱えていたんだろうね。
きっと、僕らのように。
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