二章 十一話 罪柘榴
────冬陽視点
亘さんたちの住む家よりも山奥に進んだ所に神社がある。そこが、地図に印がつけられている一番近い場所だった。でも、罪柘榴がどこにあるかが全くわからないから、僕らは手分けして神社の周辺を探していた。
御神木がそびえ立っている。それをぐるりと回る途中、空に《見覚えのある》彼がいた。
口を布で覆った彼は、まるで声を発していない様なのに、確かに言葉を発した。
『この実は世界……いや、御神木に寄生するんだよ。力を吸い上げ、力の純度を上げるために』
誰だろう。誰かに似ている気がするけれど、全くわからない。
「あなたはだあれ?」
『さあ。まだ君が知るべきではないよ。ただ、罪を祓えばわかるんじゃないかな?』
彼はクスクスと笑いながら、空に馴染んで見えなくなった。
「ふゆひー、罪柘榴あったかー?」
「あー、あったよー。たぶんこれー」
今、夢と現実がダブって気が付いたらそこにあったとでも言おうかな。流石に、█に教えてもらったなんて伝えられないし。
「皮剥いてみる?」
「いや、止めた方がいい。何て言うのかな……これは凄く危ない物のような気がするんだ」
僕は隔離用に空間を作り、そこに罪柘榴を放った後、夏希とともにその場を離れた。
冬陽たちが去った後、空に消えたはずの彼は人知れず呟いた。
「僕が██だなんて思いもしないんだろうね。まあ、それが正しい模範的な反応だけど。さあ、終わりと始まりの準備を続けよう。ボクらだけのための前夜祭を、ね?始まりは、すぐそこまで来てるんだから」
次話更新→9/1 00:00




