二章 六話 情報の海
────春視点
変なとこで噛んだ。うう……。
まあ、さっきの禁術詠唱破棄してないから修正すれば使えるんだよね。てか詠唱破棄したらチャンスなくなりそうだし。ただ、詠唱の術式の修正は個人システムを起動しないといけなくて、本物の個人システムは神様になってからじゃないと使えないから今のところ手詰まりなんだ。
どうせ他の手段もあるんだろうから、まあ保留だね。ここで諦めるなんてことは絶対しない。神様になる前でも仮の個人システムと権限を与えられてるんだけど、本物とシステムの根元は同じだけどプログラムが薄すぎて使いづらい。まあ、順次書き換えて使い物になるようにはするけど。それからかな。そうすれば、性能次第では無理やり権限外のことだって行えるはず。
何をするにも知識があった方がいいから。僕は割り当てられた部屋には戻らす、図書館に向かった。
こっちの世界の図書館に本は無い。ただ、沢山の情報が置かれていて、神自身の権限や力の強さによって制限がかけられ、その中で情報を検索できる場所。
僕みたいな神様ですらない存在には、こちらでの一般常識しか見ることができない。まあ、僕には関係ない。もうすぐ神喰らいが来るから。
来た来た。
「神喰らい、ちゃんとある程度喰らってきた?」
『問題ない。神霊のお陰でアズゴル以外のやつらの力も奪えた』
透明になって隠れながら来たんだね。姿がはっきりと見えるようになった。
「おー!えらい!神喰らいも神霊も後で一緒に遊ぼうね!!」
「シュル、シュルルル!(ああ、今度は負けんぞ!)」
神喰らいは僕の相棒。どれかの能力が作用して生まれたっぽい。まあ、とにかくもふもふしてる。色んな動物に化けたり、武器や道具に化けたりできる。神霊は精霊の中でも力が強い子たちや、神様に仕えている子たちのこと。
「けど、今はこっちね。神喰らいは補佐よろしく」
神喰らいに神たちの力を渡してもらい、図書館のシステムを操る。
『公開可能情報 一覧』
素の状態でアクセスした時とは違って、どこまでスクロールしても終わりが見えない。流石に上位神は違うね。
『公開可能情報 全表示 高速スクロール』
「シュルル……」『ダミー除去』
力を盗めればこっちのもの。《これぐらい》なら《全部》インプットできる。僕の周りで風が渦巻く。誰も邪魔が出来ないように。他人の干渉を全て弾くように。それでいて、この部屋に入れないように空気を固定する。動いているのは僕の周りだけ。
もっと、もっと集中する。横に居るはずの神喰らいの息遣いすら聞こえない程に。風の色すら目に入らない程に。深い深い情報の海に沈んでいく。
僕の真価を見せてあげる。
次話更新→8/27 00:00
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