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いつかの夢と僕らの日常  作者: 古屋
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一章 五話 警察署

────冬陽視点


「さて、どうしよう?」


勢いと気合いだけでだだだだーって駅前まで来ちゃったけど、能力使って暴れている馬鹿は流石にいないなー。

当たり前だよね。そんな事をすれば、警察に捕まるんだから。


「困ったな、宛もなしにここまで来ちゃった」

「どうかしましたか?」

「いえ、能力持ちの人がどんなことが出来るのかをみてみたかったので、人の多い場所に来たのですが……あなたは?」


この人、どこかで見たことある気が……。


「失礼、私はしがないお巡りさんですよ」

「わぁ、お巡りさんでしたか!その、能力者が集まりそうな所、何処かにありませんか?」


あ、この人能力支配の人だ。媚びよ。


「えっと……警察署来ます?」

「へ!?」

「ああ、言い方が悪かったですね、私たち警察の中にも能力持ちがいるんですよ」

「……いいんですか?」


まじ?渡りに船じゃん!


「ええ、その代わり、能力見たさに他人についていっちゃ駄目ですよ?君みたいな綺麗な子は、いつ誘拐されるかわからないんだから」

「……はい?善処します」


なんか変なこと言われてる気がする。


「じゃあ、行きますか」

「あ、ちょっと待って下さい、同居人に連絡していいですか?」

「全然いいですよ。ご家族への連絡は大切ですからね」


え、待って、僕何歳に見られてんの?もしかするともしかする?


「え?違いますよ?」

「え?」

「えっと、電話するのは友人です。同居人みたいな感じで家族じゃ無いです」

「えーっと……失礼ですが年齢を確認しても?」


やっぱり年齢確認きたよ……。


「はい。今年で20歳になります」

「えっと ……16ぐらいかと、失礼しました」

「いいですよ。よく幼くみられるので」


よし、決めた。媚びんのやめて遊んでやろう。年も近そうだし、多少は許してもらえるでしょ。



「あ、もしもし、秋斗?」

「ああ、どうした?」

「今から警察署行ってくるから、帰りは遅くなるかも」

「はっ?お前なにやったの?」


携帯取られた。


「あ、お電話変わりました、私、警察の者で佐藤さとうと申します。話が拗れそうなので変わらせて貰いました」

「うちの冬陽がなにかやらかしたんですか?!」

「落ち着いて下さい、冬陽さんは警察署に遊びに来るだけですから」

「は?」


数分後、やっと話が落ち着いた。


「そういうことでしたか。うちの冬陽がご迷惑をおかけします。よろしくお願いします」

「いえ、こちらこそ、お騒がせしました。失礼します」



「さあ、行きましょうか」


いやー、面白いもの見させてもらったよ。やばい、口元笑っちゃってる。


「……意趣返しのつもりだったんですね」

「はい」


もちろん。


「ふふ、では、案内させていただきます」


許してもらえた。え、てかこの人めっちゃいい人じゃね?


──


「はぁ、あいつやりやがった」

「ん……ん?あきくんどうしたの?」

「冬陽が警察を手懐づけた」

「……んぇ?」


──


「警察署に遊びに行くなんて初めてです」

「でしょうね、それが普通だと思います。それに、あなたのような人には来る機会もあまり無いでしょうし」

「どういう意味ですか、それ。でも、これからは来る機会が出来そうです」

「はは、冗談ですよ。遊びに来るのはいいんですけど、逮捕されて来るのは止めて下さいね?あと、出来ればここに来るときは私に連絡下さい」


連絡先交換するの面倒だな。


「もちろん」

「さて、この部屋の中へどうぞ」

「失礼します」


扉を開けて部屋に入ると、中には一人の女性が作業をしていた。


「そんなに畏まらなくても大丈夫ですよ。ここは私の所属している特殊能力犯罪対策部です」

「佐藤さん、その子どうしたの?」

灰崎はいさきさん、こちらは冬陽くんです。道端で保護しちゃいました」

「初めまして、僕は碧希冬陽と申します。今日はここに遊びに来ました」


なんだろ、少し嫌な予感がする。


「初めまして、冬陽さん、私は灰崎はいさき夕深ゆうみよ。ちなみに、あなたの横にいるのは佐藤さとうかなめというの。彼のことだから自己紹介してないんでしょう?まあ、よろしくね、お嬢さん」


やっぱり間違えられてる。今日だけで2回目なんだけど。


「ちなみに僕は今年で二十歳ですし男です。ご丁寧にありがとうごさいます」

「え?」


キョトンって顔してるけど事実なんですよ。


「灰崎さん、彼のいう事は本当です。色々な能力を見てみたいとの事でしたので、安全な此処に連れてきました」

「これからは、たまにですがこちらに遊びに来たいと思ってますのでよろしくです」

「よろしく?」


まだ飲み込めてないみたい。


「早速ですが灰崎さん、能力を使ってもらえますか?」

「いいけど……」


といって、彼女は左手を少し前に出した。すると、彼女の手から稲妻が発生した。


「これが彼女の能力です。そして、僕は他人の能力を支配出来ます。えい」


すると、稲妻は椅子の近くに落ちた。そして、


「危ねえな!」


という声とともに何もない空間から男が現れた。


「あ、ごめんなさい。えっと、彼は岩西いわにしまさる、光学迷彩、透明になれる能力者です。ちなみに、稲妻が落ちた辺りを見てください」

「!焦げてないですね!!」


ここ当たりだ!!目標達成できたし最高!


「そのとおりです。この部屋は空間固定という能力で保護されているので、物が壊れないんです」

「へー、便利ですね!」


本当便利。最高。


「本当にそうよね。そのお陰で掃除も必要ないのよ」


その時、微かに何かがずれた気がした。


「あ、れ?」

「ガキ、どうした」

「今、何かがずれた気がしたんですが……?」


秋斗から電話がかかってきた。嫌な予感を感じながら、急いで電話に出る。



「もしもし?どうしたの?」

「冬!牢屋だ!急げ!」

「わかった!」



ナイスタイミング。あっちも何か見えたみたい。


「どうしたんだ!」

「牢屋で何かあったようです!急いで!」

「危ないから君も来て、行きましょう!」



その頃、空間想造という能力を持っている男の牢屋には、捕まった男以外にも大柄な男と小柄な女の子がいた。


「ご迷惑をおかけしました。丸山さん」

「いや、お前は《運び屋》としてとても優秀な能力者らしいからな。れん、再使用はまだか?」


憐と呼ばれた少女は苦しそうに息を荒らげて呟いた。


「ごめ……さい、まだ」

「無理は禁物だ。やつらは来ないだろうから安心していい」


男たちがそんな会話をしている中、既に冬陽たちは牢屋についていた。


「いた」

「今から能力支配します。岩西さんは能力を使った状態で待機、いつでも動けるように。灰崎さんは、合図のあとに稲妻を」



「使え……?」

「どうした、憐」

「……む、り」

「もしかしてっ!」


空間想造の男は佐藤の能力と気付き、周囲を見渡した。


「残念、詰みだよ?」


そこには、雷を纏った灰崎さんがいた。




「お疲れ様です」


あー楽しかった。お陰で色々な能力を貰えたし。誘拐されて来てよかった。


「よくこいつらの侵入がわかったね」

「何かが一瞬ずれたんです。そのあと電話でそれの発生源を教えてもらったので」

「とにかく、ご協力ありがとうごさいました」

「どういたしまして、あの人たちは要さんが見張ってないと駄目ですよ?じゃないと、突然消えてしまうかも」


この人たちがどこまで能力を使いこなしてるのかは分からないから、これが精一杯の忠告。


「おい、冬陽とかいったな、お前はなにを知っている?」


ベテランさんっぽい人は怖いなぁ。僕は1度でも見た能力の詳細を全て知っているだけですよー、と。


「なにも知りませんよ?あの人は能力でここに侵入したんですから、きちんと能力支配しとかないと逃げ出しそうだな、と思っただけです」

「ご心配なく。ちゃんと支配してますよ」


席を外してた灰崎さんが帰ってきた。


「迎えが来たわよ、冬陽くん」

「秋斗かな?」

「ご名答。本日はうちの冬陽がご迷惑をおかけしました」


合ってた。


「いえ、こちらこそご迷惑をおかけしました。冬陽君には助けられてしまいまして」

「それじゃ帰りますね。さよなら」


僕は要さんたちに手を振って部屋から飛び出た。あー、猫被るの疲れたー。


「あ、待てよ!」


秋斗もちゃんとついてきてる。よし。帰ろ。


──


「……嵐みたいでしたね」


──

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