一章 三十五話 王の試練 夏希編─正々堂々
────夏希視点
【時間内に旗に触れろ。過程によって評価値が変動し、評価値によって報酬も変動する。健闘を祈る】
声が聞こえた瞬間、自分を守るように重力を操り少し浮いて、自分を覆う膜のように展開。それから周囲を見渡す。
罠だらけやん。取り敢えず宙に浮いたまま、床の罠に触れないようにするのは確定な。……あ、あの砂時計がタイムリミットを教えてくれるんやろな。でも、過信は駄目やな。短時間で、最高評価を目指していこか。
もう一度、落ち着いて辺りを見渡し、この空間の全てへ軽く重力をかける。そして、重力に自分の視点や感覚をリンクして、あ……うん。よし。だいたいわかった。面白いとこやね。春が喜びそうや。
けど、旗は表面に露出していないらしい。壁の中というか、箱の中というか。
まあいいか。表面に起点がある罠を一気に重力をかけて使用不可の状態にする。
床に降りて、壁や罠を容易く壊せるような、細かい設定を課した重力で剣を作り出して掴む。
後は怪しい箇所を壊して、壊して、壊して、壊す。
……あ、旗折っちゃった……けど、まあいいよな。
【ミッションクリア……評価値7。天晴れだ。正面から攻略してくれたことに礼を言う】
あっぱれだとか感謝されてもなあ……。てか評価値高いん?基準教えられてないからわからんのやけど。




