一章 三十二話 僕にクリスマスなんてなかった
────冬陽視点
クーリスマスが今年もやあてーくーるー。たたたったった。たたたったった。たたたーたーたーたーた。
クリスマス前の少し前に、申請して受理されれば隔離区域外に出て家族にあったり用事を済ませたりできるようになった。というかそういう制度ができた。作らせたんじゃないよ。
んで、僕らは一斉に申請した。僕以外のみんなは家族に会いに行くんだ。僕はお仕事。能力集めとかなきゃね。警察の人に情報回してもらって24日から31日までにバンバン動くよ働くよ。
移動に時間を通常より割かなくていいから離れてても余裕っていうね。
あまり大きな団体を相手取ることはないんだけど、暴走族がちょい絡んでるとこもあるらしい。まあ僕は潰すだけだからね。そこら辺の事情はどうでもいい。……流石に人は殺さないように手加減しないといけないんだけれども。
あれ、僕どんどん過激な考え方になってきてない?
まいっか。やることは変わらないからね。
──
制圧完了。しっかし、なんでどこも雪降ってんのよ。温度操作しても移動するときめっちゃ寒かった。……でも沖縄はめっちゃ暑かった。ひとり旅も悪くないね。ちょっと寂しいけれど、行ったことの無いところのご飯食べられて楽しかった。
正直、どこがどこだか分かんなかったから地図が表示される眼鏡想造したんだけど正解だった。うん。上空からでも地上からでもよく分かんなかったからね。
北海道地方で5、東北地方で3、関東地方で2、中部地方で3、関西地方で3、中国地方で2、四国地方で2、九州地方で4。計22件。潰した団体はもっと多い。しかも能力持ってない人もいた。意外と多かったせいで7日間で18食。まあ、間食入れたらもうちょい増えるけど。
……僕頑張ったよね。新しい能力も把握できてないから後でしないと。それに畑空間に集めた種植えないと。でも、両方後回し。だってそんなことよりお腹すいたんだもん。
だれか僕にご飯を食べさせてくれ。
「ふーゆひ」
「……秋斗?」
幻覚が見えてきたのかな。いや幻聴もか。だって大晦日もあっちで過ごすって
「帰ってきちゃった。つーことで飯食いに行こうぜ」
「……天使かよ」
「勝手に殺すな」
頭をわしゃわしゃ撫でられる。んー、やばいなこいつ。優しすぎるっつーか、僕のことをよく理解してる。しかしどうしようか。何も準備してない。
「決めた。久しぶりに鍋食べよう。シメで蕎麦入れよう。そのために味もアレンジしやすい味にする」
「おお、年越しそばか!りょーかい……久しぶりの冬陽の手料理だ!」
僕にクリスマスなんて無かったけど、たしかに大晦日はありました。
二人でわいわいと、のんびりと過ごしてると突然部屋が光りだした。眩しくて目をつぶる。




