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いつかの夢と僕らの日常  作者: 古屋
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一章 三十話 今日こそは外で

────冬陽視点


「今日も吹雪だねー」

「ねー。今日こそは外で遊ぼーよ」

「昨日より悪くなってんじゃんかー。いーやーだあー」

「あーー!もうわかった。天気良くなればいいんでしょ。先に外に行ってるから、晴れたらちゃんと来てね!」



防寒具をきっちり装備して外に出る。


「あーー!めんどい!」


全力で一気に終わらせてやる。

能力を支配して……これもともと天気悪くなる要因があってそれに便乗したからこんな酷くなってんのか。空気を操って、重力も操って……あーもうめんどい!力をまとめて……解き放つ!


「はーれー……ろっ!!」


あ、晴れた。よっしゃー!


「よお。なにやってんだ?」


声に振り返りながらこう答える。


「ん?天気をねじ曲げただけだよ」


あっ……。


「いやー。ちょうど買い物に行きたかったんだよ。で、俺の休日を潰してくれた落とし前はどうつけてくれるんだ?」

「あー岩さんごめんなさい大人しく出勤してください」


え待ってなんでこんなところにいるんだろ……?


「ガキに岩さんなんて呼ばれる筋合いねーんだよ」


凄まれてもねえ。


「でもあんまり歳離れてないですよね。見た目若いんで31歳ぐらいに見えるんですけど。それになんでこんなとこにいるんですか」

「……ノーコメントだ。守秘義務に反する。だが一回り以上離れてたらこの接し方でよくねえか?」


守秘義務ってなんだよ……。


「いや無いでしょ」


あ、夏希たち来てたんだ。


「おお、ガキのツレか。邪魔する気はないからとっとと仕事に戻るわ。ガキ、いきなり絡んで悪かったな」


岩さんは片手を上げた後去っていった。


「あの人なんかあったの?」

「わかんない。でも休み潰しちゃった。まいいや、あそぼ。ルールを説明するね!」

「ルール?!」

「ルールは簡単。各々自分の能力を使って雪だるまを1つ《用意》してください!」


作るって言わないところがこの遊びの肝。


「秋斗くん向いてないじゃん!不公平!」

「春もノリノリやな……」

「何言ってんの。秋斗のあの悪そうな顔を見てみなよ。自信たっぷりだよ?」


このルールだと、今は秋斗がたぶん一番強い。


「確かに……!警戒しとくね!」


警戒しても無駄なんだよなあ……。




春は雪を風で舞わせ、それを圧縮して雪の玉を。夏希は重力を細かく操作して雪だるまを。秋斗はそれを眺めつつほくそ笑んでいた。


冬陽はそれを眺めつつ、周囲をある程度の広さの障壁で囲った。そして、それとは別の場所で次のゲームで使う用にたくさんの《凶悪》な雪玉を作っていた。



「できたー!」


お、春が一番乗りだね。


「それもらうわ」

「えっ?」


秋斗は指で空中に円を書いて転移を発動した。すると、円が黒く染まり、その黒の中から雪だるまが落ちてきた。雪だるまが通過した後、黒い円はすぐに閉じた。


「さっきまでこの雪だるまがあったところの雪飛ばしてみ」

「……えー!?」


ここ数日積もった雪が風で飛ばされていく。踏み固められた雪までたどり着くと、ちょうど雪だるまがあった箇所に赤いスプレーで円が書かれていた。


「つーことで、これ俺の物な!ちゃんと能力使って手に入れたぞ!」


秋斗は無邪気な笑みを浮かべた。




「皆さん!能力を使って雪だるまを用意出来ましたね!」

「1個余分に作らされたーー!!」

「ルールに乗っ取ってるからセーフセーフ」

「そーいうことです。次のゲームはその雪だるまを使います。この氷の板と小さなチップを配ります。はい、どーぞ」


氷で作った特殊な小道具を渡す。


「なにこれ」

「凄いチップだよ。それじゃ、小さいチップを自分の雪だるまに当ててください」


自分の横に用意しておいた雪だるまにチップを近付けて、やって見せる。


すると、氷の板が僅かに発光した。


「こんな感じになったら成功です。各々この氷の板で雪だるまを操ってもらーいます!」

「な、なにこの技術……」


障壁の中は一部第二世界のルール適用してるからね。試せて楽しい。


それに、あのチップを馴染ませることでゆきだるまに色々と細工をしてそれを固定化もしてるんだよね。壊れない雪だるま。手代わりの枝もちゃんと手みたいに動くし、手袋も手みたいに動く。まあ第二世界の設定権限は僕にあるからね。割と何でもできる。


「凄いでしょ。次のゲームはそれと自分の能力を使ってポイント制の雪合戦。でもそれをやる前に少し雪だるまを動かす練習しててね」

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