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いつかの夢と僕らの日常  作者: 古屋
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一章 三話 病院

────冬陽視点


「もしもし。久野くの先生、おはようございます。薬のことでお話が……今大丈夫ですか?」


電話の相手は前例の無い不思議な病気を発症した僕、の担当医の、若き天才こと久野くの紹悟しょうご先生。


「おはよう。冬陽くん、どうしたんだい?まだ薬は有るだろう?」


彼女は秋斗に紹介してもらった。神出鬼没だけどとても凄い人。


「ええ。でも今後のことを考えて追加を貰いたいので用意してもらえますか?」


先生は僕が病気を発症して、一週間ほどで特効薬を作ってくれた。


「用意しよう。詳しくは研究室でもいいかい?」


秋斗のもつ人脈は本当に心強くて、皆、優しい人ばっかり。


「はい、今すぐ行っても大丈夫ですか?」

「別にいいが?」

「手続きを省略しても?」

「……許可しよう」

「ありがとうございます。ではまた後で」


話が分かる先生はいいなぁ。めっちゃ楽。


「俺はどうする?」

「秋斗は自由にしてて」

「ん、了解」

「終わったら電話する」

「んじゃあ、またあとで」


僕は秋斗との会話を終えて、久野先生が居るであろう研究室へ転移した。




「来ました」

「……ほう。君は薬の準備については考えなかったのかね?」


あ、やばい。


「……薬は後でも大丈夫です。先に今までの報告を」

「はは、別に咎めてはいないぞ?私も能力持ちでな。薬なぞ、すぐに準備出来る」


よかった……。先生怒ると《容赦無い》からね。


「はぁ。では僕が前に病院に来てからのことを。あの後、起床から16時間位してから眠くなってきて……この時点ではまだ耐えられるんですよ。でも、だいたい24時間経ったときに意識が途絶えてしまって」

「ほう。では活動限界は24時間で確定だな」

「でしょうね、限界まで起きていた時のデメリットなどはまだわかりませんけど」

「いや、それは確かめようとしなくていいぞ。時間は有限なんだから」


たぶん、先生にとっては、だよね?


「わかりました。さて、次は起きてからの話です。まず、今朝の10時頃起床しました。体が固まっていたので軽いストレッチ後、薬を飲みました」

「その時点で違和感は?」

「特に有りませんでしたが、情報共有の末、例の声を聴いていない事を確認しました」


そういえば例の声ってどんな声質だったんだろ?


「……その他に何か気になることは?」

「いえ、そのぐらいです」

「もう一週間、か」


次は何日眠ることになるのやら。


「もうそんなにのびてるんですね」

「ああ。でも薬の改良品が出来たから、少しは便利になるだろう」


先生が神様のように見えてくる……。本当に凄いよな。この先生。


「ありがとうごさいます」

「今回の薬は飲んで一回就寝しても次の日にきちんと目が覚めるようになっている」


まるで試したみたいに言い切ったなあ。


「失礼ですがその自信は何処から?」

「私の能力からだよ」

「お訊きしても?」

「私の能力は鑑定と複製でな、鑑定で物質の完全把握が出来、複製で物質を自由に複製出来る。また、想像したものを生成することも出来る。条件付きだがな」


やっぱり、先生はいい人だ。僕の能力も察してるようだし。


「へぇ、便利ですね」

「君のもな。でも、君のはもっと高位なものだろう?」

「さすが先生」

「さて、おしゃべりは此処までだ。では薬を用意しよう」


やっぱ最高。

先生は立ちあがり棚をがさがさと探す。


「《薬ならそこの引き出しでは》?」

「ああ、ありがとう」


先生は薬を確認すると、手のひらに紙袋を用意して、薬をいれると袋を軽く振りだした。

すると、次第に音が変わっていく。先生は振るのを止めると、中を覗いてから僕に手渡した。


「これで良いだろう?」

「助かります。先生ありがと」

「いや、いいんだ」


どこまでも、僕に力を貸してくれるんですね。


「ちなみに、悪用はしませんよ?」

「君のことだ、それくらいはわかっているさ。さあ、もうそろそろ帰りなさい。友人を待たせているんだろう?」

「ああ、そうでした。さよなら、先生」

「の前に、薬は併用しても大丈夫だからな」


流石先生。まじ先生してる。


「ご丁寧にありがとうごさいます。では」


そう言って、先生に一礼してから僕は上空に転移した。今コピーした能力の実験のために。


自らにかかる重力を少し軽減してからパラシュート想像し生成しようと試みた。やっぱり、実験は成功だった。


そして、ついでにコレクションしたけどまだ使っていない能力を、一通り使ってみてからパラシュートを消去し、先程の路地裏に転移した。すると、秋斗は既にいた。


「お帰り、冬くん」

「ただいま。ごめん、電話するの忘れてた」


試すのが楽しくて、つい。


「そんな気がしたから待ってたよ。これから散歩するんでしょ?」

「もちろん」

「じゃ、手繋いで行こうか。はぐれないように」

「うん。そうしよっか。君が誘拐されたら大変だから、ね?」

「え、それひどくない? 《僕》、そんな頼りないかな?」



────久野くの 紹悟しょうご視点


よし、行ったな。


「いやー、参ったな。あの子はイレギュラー過ぎる。そう思わないか?エルノア」

「そうだねー!あの子スゴいもんね!彼の声を聞いてない時点でびっくりだよ!」


あいつも大概だが、あの子も……また随分と、な?


「最初に会ったときも何かあると思っていたが、能力を持ってからは前よりも化け物じみた可能性を感じる。彼女が言っていたのはこの子なのだろうか。目覚めていないせいで確信は持てないが……」


これで、彼女との約束を果たせるのだろうか。……私たちの、罪滅ぼしになるのであろうか。


「たぶんそうだねー。そーいえば、あの子エルのことも気づいてたよ?」


……まだ目覚めていないはずだが?


「ほう?そう思う理由は?」

「んとね!一瞬みられた気がしたの!」


何故、目覚めてもいないのにエルノアをみることができる?


「あの子は素でも君を見れるのか?」

「うん!でも、あの子良い子だから大丈夫だよ? 狂ってないし、これからも変わらないよ」

「ああ、私もそんな気がする」

「でも、次会ったとき楽しみだね!」


正直、あっちではあまり会いたくないな。


「だな。次がいつになるかはわからないが、彼の可能性は十分。もしかして、可能性をものにして、すべてに順応するためなのか?」

「さあ、あの人の考えは分からないからね」


あの人、か。……おっと、


「エルノア、もうそろそろ時間だったよな?」

「そういえばそーだったね。じゃあ、行こ!クノン!」


エルノア……前に言ったと思っていたが、忘れているのか?


「ああ、だが、その前に、こっちでは私のことは久野と呼んでくれないか?」

「どうせ聞こえないからいーじゃん!」

「どんなときでもイレギュラーは現れるものだぞ? 彼らのように」

「うーんと、わかった!久野っち!」


まあ、このくらいならいいか。


────夏希視点


「お、冬陽からメール来とったわ」

「どうしたのかな?」

「お腹へった、やってさ」


そういえばご飯食べる時間無かったみたいやからなぁ。


「料理!作る!」


……何作ろうか。てか冬陽の家調味料あるんか?


「まずは買い物、やね?」

「うん!行こっ!」

「冬陽なに好きやっけ?」


たしか、オムライス好きやったよなあ。


「苺!林檎!フルーツ!」


……んー。欲望に忠実やなあ。どうしよ。


「て、それ春の好物やん。まー、取り敢えず冬陽に電話して聞いてみるわ」



「もしもし、冬陽?」

「ん?」

「なに食べたい?」

「オムライス。ちなみに、秋斗は煮物」


即答、か。……二人とも仲いいよな。幼馴染らしいけど。


「あと、家にどんなものあるん?」

「無いよ?何も」


……たしかに、あっても腐らせるだけやもんな。


「あー、そうやな。んじゃ、適当に買ってくわ。そういえば秋斗は料理出来るん?」

「……たしか無理」

「じゃあさ、やっぱり俺と住まない?」

「……料理人さんは住み込みじゃなくても大丈夫だよ?」


たしかになー。……まあ、言ってみただけやし。そこまで本気じゃないからまだいいか。


「はは、確かにな。てか、いつ頃帰ってくるん?」

「んー、12時ぐらいには帰れるかな?」

「あーい、了解。それまでには帰って準備しとく」

「よろしく。楽しみにしてる」



「よし、買い物行こか!」

「フルーツ!!食べたい!」


春はいつでも元気やなあ。本当ありがたい。


「わかってる。その代わり荷物持つのちゃんと手伝ってな?」

「はーい!」

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