一章 二十五話 安定化
────冬陽視点
まず、第二世界での肉体は現実世界と同じ肉体であるということ。
そしてその肉体にここの法則を当てはめることで、何かをすればレベルが上がったり、身体能力が上がったり、魔法だったりが使えるようになる。
それなら、現実世界で肉体を持たない魂と精神だけの存在はどうなるか。幽霊にでもなる?
そんな訳ないでしょ。ここで魂とかに合わせて肉体を作っちゃうんだよ。でも、もともと独立していた霊体に肉体を与えて無理やり馴染ませるんだから、拒否反応が生まれる。
できるだけ拒否反応が生まれないように僕が肉体に修正をめっちゃ加えるんだけど、ここに霊体のまま馴染む前にその作業を完璧な状態で終えないといけない。だから時間がない。楓さんだけだったら余裕なんだけど、ね?
「何を言いたいかというと……空!あんたのせいで計画が狂ったんだから大人しくしろ!」
「はあ!?キャラメイクぐらい自分でやらせろや!」
同時進行でやらせようとしたけどこいつの体質が特殊になりすぎててキャパシティ割けなかったんだよね。
「時間ねーんだって!楓さんには前もって作ってもらってたからいいんだけど、あんたは別なんだよ!ってあーもう動くな!」
楓さんの分の肉体はあらかた終わって、少しずつ馴染ませてる最中。けど空は一旦仮の肉体を薄っっすらと重ね合わせてめっちゃ修正してるんだけど、こいつ動くからズレるんだよ。
「てかなんでそんな全力でやってんだよ!」
「やばい形で失敗したら最悪消滅するからだよ!色々と吹き飛ぶんだよ!この馬鹿!!だから仕事増やすなって言ってんの!ギリギリなの!だから動くなって!あーもう!!」
「んー?二人とも仲良いんですねー」
あー楓さんにつっこむ余裕が欲しい。そだ、あれ使うか……。
結晶柱を起動して空を取り込み、拘束。一ミリも動けなくする。そして空の情報を読み込む。暴れようとしてるじゃん。
「割ろうとするな!これ諸刃の剣なんだから、壊したらこっちの全てに直接ダメージ入るんだぞ!?」
あ、でもパターン把握できた。これならぎり間に合いそう。
あー……。間に合った。肉体の構成もちゃんと成功したし、拒否反応が出てもすぐ修正できるようなシステムも組んで埋め込んだ。
基本の見た目は楓さんのを流用して、この世界での設定はこっちで用意したけど、素の状態の見た目は自分たちで決めてもらったし。
終わった。けど、馴染むまで多少時間があるから世界の最終調整しなきゃ。せめてちゃんと遊べるようにしないと。
「蒼、もういいよ。僕は二人の様子を見つつ作業してるから。確認事項があったらメッセージ送って。たぶん声だと聞こえないから」
今日は流石に付きっきりじゃないとね。まあ、時間の流れがあっちとは違うからなんとかなるかな。




