一章 二十三話 不思議な夏希
────春視点
「はーるー、俺やらかしたー」
そう言って夏くんは僕にもたれ掛かってきた。
「ね、夏くん、お酒飲んだ?」
「あー、飲んではおらんよ?ほーりつじゅんしゅやー。けど菓子なら食ったなー。酒臭かったか?」
夏くん酒強いのに。どんだけ洋酒入り菓子食ったんだよ。やば。
「いや、夏くんが乱れてるのは珍しーから」
「そうかー?さっきかて、素面なんに思いっきりやらかしたで?あ、はるー。冬陽の部屋に水届けて来てくれへん?」
あー、これ相当やらかしたんだな。どうしたんだろ。
「いいよ、でも後で話に付き合ってもらうからね」
「ね、夏くん。置いてきたよ……?」
あ、こいつまた食べてる。どんだけ溜め込んでたの……。けど袋は律儀にゴミ箱に捨ててる。……えらいって言って良いのかな??
「んー……?はるぅ、どこいっとったん?」
目がとろんってなってる。この夏くんめっちゃなー?なー。
「夏くんにお願いされたこと、ちゃんとやってきたの」
「くぁー……あ?おれ、なんかいっとったん?あとー、呼び捨てー……して、な?」
「……うん。さっき、冬くんに水届けてって」
「おお?……おおー。あれがとなー、はるー。なー、ここ、きー?」
ソファーめっちゃぽんぽんしてる。まあちゃんと行くけどね。
「その前に、喉乾いたから水持ってくるね」
「おー……」
眠そう。二つのコップに水をそそいで持っていく。
「はい。夏希も飲みな?」
「ありがとーなー。はるはいい子やなー」
頭わしゃわしゃされてるんだけど、これさせといた方がよさそーかな。
「あはは。ありがと。さ、夏希、水ちゃんと飲める?」
「んで、何があったの?」
「抑えきれんくてなー、ははっ、ちとやばかったんよー」
「んー?」
「めっちゃいい匂いしててな、おいしそーやなーってなってん」
「??」
なんかめっちゃころころ笑ってる。
「あーー、危なかったー。まだその時やないんになー」
「なにそれ」
「ひーみつ!……まあ、1つぐらいは秘密持っとる方が格好いいし、な?」
夏くんは、何故かこの時だけは素面で悪巧みをしてる時みたいな、そんな怪しい笑みを浮かべていた。
────冬陽視点
「んで、夏希となにしてたの?」
この質問何回目よ……。
「だから、なにもしてないって」
「ぜってー嘘だろ。あの夏希の慌てっぷりからして、何もないことはあり得ない」
「ほんっとになんにもないんだっつーの!ただ僕は貧血で倒れてたの!それだけ!」
「んじゃあ質問変える。夏希どんな感じだった?」
んーー?あ、ああ!
「目がハートマークだった」
「え?」
「いや、流石にそれは嘘だけど、目がとろんってしてて、熱に浮かされてるみたいだった」
「あー……?あとで風邪薬飲ませとくわ」
あれはぜってー風邪じゃないって。違うって。けど、まあ、風邪薬でもいいのかな?んー、眠れりゃなんでもいいか。……まあ、限界近い時の秋斗も似た感じだし。
「ちゃんと飲ませてあげなよ」
夏希なら一晩ぐっすり寝れば治るでしょ。




