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いつかの夢と僕らの日常  作者: 古屋
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一章 二十二話 おつかれさまです

冬陽と夏希が暴走します。苦手な方は後半お気を付けください。

────冬陽視点


あー、出番なかったなー。


「皆さんお疲れ様でした。怪我のある人は……いなさそうですね。なにかありましたら言ってください」


いやー、変な能力ばっかりだったな。取り敢えず後で第二世界に実装してこないと……。



「皆さん、お疲れさまでした。これをもって、この作戦は終了です。とても長い時間の拘束となってしまいましたが、ご協力、感謝いたします。では、解散となります!帰り道には気を付けてください!!」


よし、帰ろ。




「ただいまー」

「お帰りー今夏希お風呂入ってるからー」

「はーい」


さて、とりあえず手洗ってこよ。



はあ、もう秋か。次起きる頃にはもう冬の終わりなんだろーね。冬が一番好きなのに。


みんなでスキーとかスケートとか、温泉巡りとか、家でごろごろとかしたかったのにな。せっかくこたつも買ったのに。

そういえば、最近動いてばっかなんだ。


一人は、嫌だな。なんか色々考えちゃうや。

顔も洗お。てか風呂入ろ。地下の風呂なら空いてるでしょ。てかその前に部屋に少し閉じ籠ろ。久しぶりにネットとかラインとかでも見ようかな。本当に見る時間無かったから。


……だめだ。やばい。



久しぶりにあれがきた。


──


「ねーねーあきとーーー」

「うっさい。なんだよ。」

「さーとーうーきーびーーー」

「冬くんサトウキビ好きなの?」

「いや、そこまで大好きって訳じゃないんだ」

「どしたん??」

「おー、なつきーーサトウキビよこせー」

「夏希飴作れる?ほら、べっこう飴。俺あれ作る時焦がしちゃうんだよ」

「一応つくれるけど……」

「ほら冬陽、夏希が飴作ってくれるってよ」

「まじ?!」

「なにこの状況」




「ね、秋くんと冬くんってたまに幼児退行するよね」

「ひゃーはい。へはおいひい」

「うん、これはひゃーはい」

「……僕の分の飴ある?」

「はう、ほい」

「……は、おいひい」


──


「糖分は正義」

「甘いものキライなのに?」

「甘ったるいものは邪道」

「あーーね」

「こいつの噛み癖治めるときはこれが一番早いんだよ」

「噛み癖?」

「酷いときは周囲の人つーか、まじで誰彼構わずに」

「あーきと?」


言わせないよ?


「ごめんごめん、嘘だから!言わないから?!」


後で空に教えて貰ったお仕置きしてやろう。


「人にやられて困ることはすんなってな」

「だよ」

「だーよ!」

「一瞬セーフかと思ったんだけどなあ」

「てかさ、冬こそは旅行行けれはいいね」

「おー、冬はどこ行く?」

「雪山?実家ツアー?温泉巡り?」

「実家といえば、みんなは年明けとかに帰らないの?」


僕は帰る場所がここと秋斗の家しか無いからなー。親の実家の場所なんてわかんないし。あー……おばあちゃん元気かな。


「んーー、どうしよ。てか今のままバイト無いならちょっと帰るかな。隔離区域外だけどたぶんバレないでしょ。けいにクリスマスプレゼント渡さなきゃ」

「親戚の子だっけか?」


前写真見せて貰ったことあるなー。懐かし。


「うん。めっちゃ可愛いの」

「あー、うちの弟にもやらんとなー」

「こーすけくんだっけ?」

「そそ。野球部だからグローブでも買おうかって思っとるんやけど、あいつの好みわからないんよね」

「けど僕よりは選びやすいんじゃない?歳あんまり離れてないし。……女の子は今ぐらいの歳ならぬいぐるみでも喜んでくれそうだけど、小学校の高学年ぐらいにはどんなもので喜んでくれるかよくわかんなくなっちゃうし」

「たしかに男の方がやりやすいかもな」

「ゆーてなー……男子高校生ってなに欲しいんやろ」


贅沢な悩みだなー。


「……現金とかは?」

「いやな、それが一番双方にとって幸せなのはわかるんやけど、なんか違う気がすんのよ。プレゼントが被らんように姉さんたちと打ち合わせもせんとなあ」

「そういえば5人姉弟ってすごいよね」

「ね。一人っ子だから本当に想像できない」

「わかる。あー、風呂行ってくるわ」


──


「ふー……」


まだ衝動が収まらないんだけど。噛みたい。めっちゃ噛みたい。こうなったら、あれしかないんだよね。正直めんどい。めっちゃ怠くなるし。まあいいや。想造べんりー。


────秋斗視点


「もしもしー、あきと。へるぷ」

「どした?」

「……服はちゃんと着たから迎えに来て。むり」

「あ……もしかしてあれやったの?」

「んあ……気づかれてた?」

「すっげー前に、残ってたから」

「ありゃりゃ。うた母さんとかに言ってないよね?」

「……父さんにはバレてたから説明したし口止めもした。母さんには言ってない。朱音にも。たぶん言ったら凄い心配するから」

「そりゃそうだ。んじゃこっちでも頼むね」

「ああ」

「って!夏希、どしたの……」


夏希?てか電話切られたんだけど。


────夏希視点


やばっ……めっちゃいい匂いするんやけど。

この奥から匂いがする。扉を開ける。冬陽が倒れてる。


「って!夏希、どしたの?」


あー、どうしよ。どうしよ。


「手、かして」


携帯……通話中……まあいいか。切っちゃえ。


「夏希……どーしたの?」

「いや、冬陽、この傷どーした?」

「ん……あはは、切っちゃってさ。今血足りなくて動けなくて。秋斗に助けを求めてたとこなんだ」

「そか……ちょっといい?」


あー、これやばい。頭ぼーっとする。


「はいストーップ。冬陽、部屋に造血剤あるか?」

「あるよ。だからそこまで運んで。あとは自分でやる」


っ?!

やべーなこれ……堪えきれなかったし、俺今なにしようと……。うん、これ駄目なやつや。

思わず口元を隠し、目を背ける。

やばかった。いやまだやばい。


「そうやっ!救急箱……いや!あっ、後で水持ってくわ!」


俺は逃げるように立ち去った。

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