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いつかの夢と僕らの日常  作者: 古屋
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一章 十七話 洞窟の先

────柳生やぎゅう 千歳ちとせ視点


「チトセセンパイ!ヤバイっす!あたしらの秘密基地がバレました!!侵入者っす!探知したっす!!」


あー遂にバレたか。あいつらの集めてきた品々をパクる生活楽でよかったのにな。


「いやいやナギ、落ち着けって。お前の能力なら洞窟の現状も映せるだろ?それを見せてくれ」

「ハイっす!!」


ナギは高校生の頃の後輩。天然で面白いやつ。何故か俺と同じ大学を第一志望にしていて、能力が使えるようになると真っ先に俺の家に転がり込んできたとても不思議な奴。俺はナギを宥めつつ、能力で映された秘密基地を覗く。


「お、あいつらじゃねーな。なあ、ナギ。俺はちょっと秘密基地の様子を見に行くけどお前も来るか?」


「いやいやいや、センパイの能力はセンパイ専用じゃないですか!あたしが行ったら意味無いですよ!」


「あー、そーだったな。んじゃ、俺だけで行ってくるわ。留守番頼むな」


いつも通り、神社から川のほとりに降りてエアーボードで川を下る。スピードが上がりすぎないように木の棒で抑制しながら洞窟を目指す。


あー、腹へった。これから神社で飯だったのに。



洞窟に無事着いた。エアーボードを岩影に隠して、能力を発動する。さてと、これからどうしようか。いきなり殴りかかられないと良いけど。



────冬陽視点


洞窟の奥から微かに風が来る。どこに繋がってるんだろ。


「今、奥の方から音が聞こえませんでした?ばちゃばちゃって」


前の方にいた陽菜さんが音を聞いたみたい。風使ってソナーみたいに出来るかな。……ここの人たちにわからない程度の風でやってみよ。


あ、把握は出来るけどなんか足りない。どうせなら地図っぽくなって欲しい。そこも目指してみよっと。光……洞窟の終わりが見えてきたね。


「川に繋がってるみたいですね」

「ここが入り口で、川上から来るんだろうな」

「でしょうね。そこの岩影にエアボードがあるので、もう戻ってきてるんでしょうね」


え、まじで? 気配は感じないけど……?あ、いるわこれ。てか多分壁際で息潜めてるわ。声かけてみよ。


「あの……あなたがここに住んでる方ですか?」


僕が声をかけると、諦めた顔をした男の人が浮かび上がってきた。


「はーい、正確には違うけどそんな感じでーす。俺は上の廃墟を根城にしてる人たちの物資を盗んでるだけでーす」


なんだろ、この人。なんか形容しがたい。なんて言うんだろ。……ほんのり体育会系のぱりぴ??


まーなんだっていいや。能力はハイアンドシーク。他者に見つかるまでは透明になれるんだって。ふーん。便利そうだけど岩さんの下位互換かな?びみょー。


んや、第二世界にスキルツリー制度を導入しようかな。習熟度レベルが上がるとスキルポイントが貰えて、とかそんな感じのやつ。


「えっと、洞窟の上に住む人たちのこととか教えてもらえたりします??」


あ、現状わすれてた。


「別にいいっすよ。上の廃墟に住んでるのはガラの悪い男たちで、人数はよくわかんないっす。けど、どこかからか食料と酒を強奪して能力で保管してるらしくて、結構な頻度でばか騒ぎしてます」


ほー。けっこうな収穫になりそう。


「なら宴会中に打ちますか」

「それが良いでしょうね。えっと、君。情報ありがとう。申請さえすれば警察から食料が給付されるから、困ったらここに電話してね」


やっぱり灰崎さん不慣れだなあ。《しょうがないけど》。

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