6話 大きな小島(前編)
前後編続きます。
2040年4月4日:日本国内でのニュース番組
『我が国の領土、南鳥島とその周辺施設が何者かに襲撃されました。』
『政府は、襲撃者の特定を急ぐと共に、軍やPMCの関係者を招集し、対策を急ぐ、とのことです。』
同日:日本魔法協会 円卓会議
「来たな。」
「これで国が変わる。もう一度我らの覇権が来る。」
暗闇の中に、十二人の人影が浮かぶ。
その中の一人が、口を開く。
「騒ぎも順調に拡大している。魔導軍も動ける。」
代表格が口を開く。
「時期もある。革命を始めよう。」
2040年4月5日 AZRA社 第一魔導小隊
「南鳥島に偵察…ですか。」
涼が困惑しながら答えた。
「そうだ。テレビじゃあぁ言ったが、実際はもう周辺の海域は占領されてるに等しい。奪還の為にも、現在の勢力図を具体的にしたい。」
「あの…、レーダーや衛星は?電波障害は…」
最後まで言い切る前に、彼の上司が言う。
「魔導干渉で使えん。以上だ。衛星の映像も映らないらしいし、もうどこが主犯かわかったようなものだがな。」
涼は察した。
あぁ、これは死んだな、と。
衛星に干渉し、レーダーにも干渉するような魔法を使える組織なんて、西のあの国しか無い。
「安心しろ。死んだら盛大に葬儀を挙げてやる。」
「安心できませんよ、それ。」
上の命令だ。仕方ない。
そう自分に言い聞かせて、彼は仕事へ向かった。まずは、部下たちへ説明だ。
6時間後、南鳥島、排他的経済水域内
部下に説明した後。
専用の輸送機に揺られ3時間。
敵予測範囲ぎりぎりで空挺降下し、高度200m近くを飛び続けて2時間あまりが経った。
「小隊長。そういえば、聞きました?」
「何を?」
「軍の反応ですよ。南鳥島を取られたのに、何もしないんですよ?俺は絶対何かあると思うんですよね。」
「私の友人から聞いた話ですけど、何だか、魔導軍がかなり干渉しているらしいですよ。協会の力も働いているとか。」
「まぁ、連中、西側資本の組織だしなぁ…国盗り合戦でもするつもりなのかな?」
彼がそう言った次の瞬間のことだった。
「…!小隊!全力待避!右に旋回しろ!」
直後、直前まで彼らが飛んでいた場所が爆発していた。
榴弾に魔力を封入した広域魔力砲撃だ。
「最悪極まる状況ですね。」
「その通りだ。小隊上昇。砲撃予測地点まで飛んで写真撮って帰るぞ!」
「了解」
元ネタ?色々あります。