3話 花の進軍(修正版)
私立入試の為遅れました。申し訳ありません。
(一章完結後に一部修正を行い、読みやすくしました)
IMEA事務局会議議事録 総括
『会議は順調に進み、円滑に事が進みし。懸念の解決も近し。』
AZRA社出向報告書 総括
『前線と後方の認識の違いは深刻なり。』
2040年:3月18日 日本国首都 東京 国会議事堂前
『テレビの前の皆様、ご覧ください!この群衆を!彼らはこの三日間の間の政府の行動に異議を示す人々です!』
白熱するリポーター。お茶の間の前もこんな空気に包まれていると思うと思わず胃を押さえてしまう。
空を見上げればマスコミのヘリが、下を見下ろせば国会前でデモをしている統一魔法協会日本支部、通称日本魔法協会派の市民たちだ。
IMEAの会合が終わり、ソ連邦ウクライナから帰国して丸一日。今日は仕事もないと思い、気合いを入れてゲームをしようと携帯端末を手にすると、お前今から仕事な、と言う旨の着信。
「ついてないな、俺。」
「何か仰られました?隊長。」
「何でもない。任務に集中するぞ。」
そう言い、部下と共に上空からデモ隊の監視を続ける。
同日、同時刻:AZRA社現場指揮所
「魔導師部隊より定時連絡。各班、異常なし。以上です。」
「監視中の協会の魔導師は?」
「動きがありません!」
はて?と、首を傾げる。
そろそろ攻撃を仕掛けなければ協会側のチャンスは無くなる。
「監視を厳にせよ。いつ仕掛けてくるかわから···」
ない、そう言おうとした矢先に部下が慌てて叫んだ。
「魔導師部隊より緊急連絡…デモ隊内から魔導照射!?隊員一名が離脱した模様!」
「まずいです、部隊が市街地内で戦闘を開始しています!」
デモ隊に紛れ魔導師を狙った戦闘。しかし、無実の民間人を巻き込むのは許されない行為である。
だからこそ、突然の蜂起により何も対応できずに慌てふためくこの状況こそが最悪の状況であった。
「避難誘導だ。あくまでも地上部隊は人道支援に止めよ!絶対に民間人を巻き込むな!」
この状況では地上部隊は使えない。
だから、魔導師には無茶をしてもらわねばない。
「悪く思うなよ…」
そう、小さく呟いた声を聞いた者は、誰もいなかった。
結局戦闘シーンは後回しに。