2話 回り続ける集まり(修正版)
無駄な会議、多いですね。面倒ですね。
現実的な話で書こうとすると、こういうのは外せないんですがね。
(一章完結後に一部修正を行い、読みやすくしました)
2032年11月1日:日本国内でのニュース番組
『速報です。
ソビエトユーラシア共和国連邦がアメリカ合衆国に対し、宣戦布告を行いました。』
『攻撃の被害を受ける可能性があるため、政府より、米軍、自衛隊施設付近の世帯の方々に対し、緊急避難命令が出されました。』
2040年3月15日:IMEA事務局会議室にて
ズレている。この会議を聴いていた印象だ。
彼、秋月涼は、日本の最大手PMC、AZRA(Akizuki ZeroRisc Army)に所属する魔導師で、安保理決議における戦略的魔法の行使者である。
「秋月君…と言ったか。ネームド魔導師からみて、今の状況、どう見る?」
気怠そうに話しかける。
「はい、イワーナコフ局員。協会の目的は現状不明です。ですので、日本国内の情勢を伝えさせていただきます。」
彼は確信した。
今の日本における、日本魔法協会と、政府の対立。東シナ・日本海戦争で東側に吸収される形で降伏した日本において、日本魔法協会は数少ない西側資本の組織である。
東西冷戦の事実上の最前線の一つである日本と、最後方の事務局の幹部共の温度差はいった何なのだ?
それが、彼の抱いた印象だ。
「声明発表後、国内で大規模なデモの兆候が多く見られ、協会の大学や附属高校にて、抗議運動が行われている模様です。」
「あー、そう、抑えることはできないのかね?」
「はい。いいえ、アラート局員。規模が大きすぎるため、政府の過度な干渉はさらに活動を加熱させる恐れがあります。」
「ありがとう、秋月君。さて諸君、今後のことだが…」
局長が話を続ける。涼からすれば、あまりにも非効率的な会議はまだまだ終わりそうにない。
結局、会議は2時間続いたが、日本に対する話題はほとんどず、やれ統一協会がどうの、金がどうこうと言った話題ばかりで会議は終わった。
次回辺りでようやく戦闘シーンが入ります。
と言っても、市街地での局地戦ですが。