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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ゆるい短編

舟に乗る人

作者: 閑古鳥

僕は舟に乗っている。小さくて弱々しい木の小舟。大きな波が来たらひっくり返ってしまいそうなそんな舟。周りにもたくさん船に乗っている人が居る。それは大きな豪華客船だったりもう壊れそうな泥の舟だったりする。大勢集まった船の集団も居る。一つぽつりと離れた舟も居る。みんな一緒に湖の中で自由にゆらゆら浮いている。




ぱっと隣の船から石が投げ込まれる。それほど大きくなく僕でも持ち上げられる石。それは僕に宛てたものじゃなかったけれど僕の舟に入ってきた。少し舟が沈んだので僕はそれを湖に捨てた。船はまた元の位置まで浮上した。




どすんと隣の船から石が投げ込まれる。少し大きくて持ち上げるのが厳しそうな石。それは僕に宛てられたもので狙いをつけて入れられた。また少し舟が沈んだので僕はそれを頑張って湖に捨てた。船はまた元の位置まで浮上した。




ごつんとまた石が投げ込まれた。もう僕では持ち上げられないほどの大きな石。僕を狙って投げつけられたそれは僕の頭を打ち舟に落ちた。また舟が沈んだけれど僕はその石を捨てられなかったのでそのままにした。舟は浮上しなかった。




ごとりとまた石が増えた。もう周りが見えないほど高く積まれた石の壁。僕を狙ったもの狙わないもの。もう関係ないほどたくさんの石が舟に落ちた。舟はどんどん沈んでいく。けれど小さな石も捨てることはできなくて僕は舟の中で独り座っていることしかできなかった。助けてと誰かを呼ぶ声はどこにも届かずただ空へと消えていった。




かたりことりごとりごつんもうなにもみえないほどたくさんのいしがぼくをうめていくふねはどんどんおもくなってそこへとむかってしずんでいくだれもたすけてくれないもうそともわからないひかりがみえないああなんでぼくはふねにのっていたんだっけ……?




ごぼりとふねがしずむいしもふねもぼくもすべていっしょにしずんでいくみずがゆらゆらとまわりをかこむくちからいきがでていくあおくかがやくすいめんがみえるいきができなくなるなげこまれたたくさんのいしがしずんでまわりがみえるくちのなかがみずでいっぱいになるそこへとどんどんおちていくはいにみずがはいるまわりがくらくなっていくいきがとまるまっくらでなにもみえなくなる





ああやっとここからかいほうされる













「今朝、××市のアパートで首を吊った男性の遺体が発見されました。机の上に遺書のようなものがあったことから警察は自殺とみて捜査を進めています。では次のニュースです。××百貨店で今日から北海道物産展が……





石は意思

強い意思は大きな石に

人から受ける意思が大きいと

重くて重くて沈んでしまうよ

意思がたくさんありすぎると

周りが見えなくなってしまうよ

大きい意思は捨てられず

重石になって心に残る

大きい船ならたくさん乗るけど

小さい舟では少ししか耐えられない

あなたの舟はまだ大丈夫?

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