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創世の魔王とコアの秘術  作者: あおい聖
建国、アルト奔走編
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15話 王と王弟

 テンマ国首都テンマでは、レームのゴーレム技師たちを呼び寄せゴーレムやガーディアンと言った物の生産が始まっていた。



「少なくともアイアンゴーレム54体、ガーディアン18体は必要だ。それを持って獣人の砦へと送り逆賊であるクロード軍に備えねばならぬ! これは15年前の我ら一族が味わった屈辱を晴らすいい機会でもある! 気合を入れろ!」



「「「ハッ!」」」



 ニムバス指揮のもと作業を分担し流れ作業で次々とゴーレムの骨格を作り上げていく。



「間に合いそうか?」



 ニムバスの後ろからクウェインが声を掛ける。



「はい。幸いにもルインは今オークの対応に追われ、こちらを攻める状態ではない様子」



「うむ、ゴブリンを北へと集めた弊害であるな」



 そう今クロードが居る副都ルインは北からオークの群れによる散発的な攻撃を受けていた。このオークたちは普段はゴブリンと森で争っているのだが、ゴブリンたちが居なくなったことを幸いとして南下を初めその支配地域を広げつつあるのである。


 ルインではその対応に追われ軍をオークの下へと向けていて、更にそれを支援しているエレメンツ軍もまたオーク討伐の為にその主力であるゴーレム部隊を送っていた。



・・・・・・・・・・・・・・・



「ええ~い、忌々しい。今が絶好の好機だと言うのに軍を進められぬとは!」



 地団駄を踏む顔立ちの良いうっすらと青みがかった短い銀髪のふくよかな男クロードは大声を上げた。



「ゴブリンどもの一部を戻しますかい?」



 筋肉質の茶髪のぼさぼさ髪の男ドードリがクロードへ向け提案する。このドードリと言う男は犯罪組織【黒水】のボスであり、クロードと結託してその座に付いた人物である。



「そう言う訳にも行くまい。一部でもこちらへ戻せばあの兄のことこちらへと軍を進めるに決まっている。兄が気づかずともニムバスの奴が気が付くであろう」



「左様でございますなクロード様」



 金髪の眼鏡を掛け口ひげを生やしたエルフ族の細身の男パスカルがクロードの意見を肯定する。パスカルはテンマ国に居る三大エルフ族の1つスカイエルフ族の長でもある。スカイエルフ族と言っても空が飛べるわけではなく、天人族から別れ山々で暮らし始めた種族とされた一族で工学魔術にたけているのだが、同じ工学魔術を操る天人族のニムバスが宰相にまで上り詰めたことに心から恨めしく思っていた。



「今、エレメンツの技師を総動員してゴーレムの生産に入っております。今しばらくのご信望を」



「うむ、だが俺はそれほど待てぬぞ? それにナハトの奴が忙しなく動いていると聞く」



「そいつは今、手下どもが探っておりやす。もうじき掴めるかと」



「うむ、もうじきだ。もうじき俺がこの国の王となるのだワハハハハ!」



 雲に隠れ月さえ見えぬ空を見上げながらクロードは高々と笑うのであった。

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