12話 ウージン邸
そしてまた舞台は獣人の砦へと戻る。ゲイルの呼びかけで先代代官の恩義熱い者たちがゲイルの下へと集まる。そんな中、先んじてロザンヌ達ガフ傭兵団はウージン邸へと突入していた。
「貴様ら! ここが鳥での代官たるウージン子爵様の御屋敷と知っての所業か!」
槍を突きだしロザンヌへとそう告げる私兵に向かってロザンヌは
「何を言っている? 不正発覚によりウージンはその爵位を剥奪、ここの代官はゲイル殿に変わっているわ!」
ロザンヌの大声で私兵たちは顔を見合わせる。
「死にたくない奴は、武器を捨て投降しな! それでも武器を持ってくる奴は覚悟を決めな! 死んでも良い覚悟をなっ!」
ロザンヌは手に持つバトルアクスで自身に向けられた槍を払いのけ、その私兵へとバトルアクスを突きつけた。
「さぁ! 早く決断しな! あたしは気が長い方じゃないからね!」
ロザンヌは鋭く周囲を睨み付けるとチラホラと数人が武器を捨てる。
「後の奴は歯向かうでいいんだな? そんじゃまっ行くぜっ!」
武器を持つ者へとロザンヌが先頭になり襲い掛かる。ロザンヌ達が武器を持たない者たちを無視し突き進むと武器を捨てた私兵たちが再び武器を手に襲い掛かる。
「けっ所詮は女! 考えがあめ~んだ・・・よ?」
ロザンヌはその場で回転するかの如くバトルアクスを水平に回し後ろから襲い掛かる私兵を胴から真っ二つに切り裂いた。力いっぱい振るわれた攻撃【剛力斬】その威力はすさまじく、更に横に居たもう1人に当たり腹部を切り裂いた。
血が飛び散る中ロザンヌは腹部を押え蹲る私兵にバトルアクスを振り下ろす。
「誰が甘いって? あたしは切りかかって来る敵には容赦なんてしねえぞ」
・・・・・・・・・・・・・・・
玄関先での戦闘の音が証拠となりうる書類やお金になりそうな貴金属を集めていたウージンの下へと聞こえてくるとウージンは窓から玄関先を覗き込む。
「なっ! もうここまで来たのか? それにあの旗印は人魚にハンマー・・・!? ガフ傭兵団!」
流石のウージンもその存在を知っていた。軍総司令ナハト侯爵子飼いの傭兵団の存在を・・・
「ええ~い、ドクマは何をやっておるのだ! 何を!」
するとドクマと同じように陰から黒ずくめの男が現れ
「ドクマ様はちゃんと反乱軍を抑えています。ここは証拠の持ち出しを諦め、館に火を放ち、その隙に近寄り逃げるのが得策かと」
「ふんっ! 貴様に言われんでも分かっておるわ!」
ウージンが怒鳴り声を上げたその時その部屋の扉が勢いよく開かれた。




