11話 15年目の真実
一方その頃、ネモは天魔国の首都テンマにて王都謁見していた。そこには鎖でグルグル巻きにされた2人クフトとドクトールの姿もあった。
「それでは、そこの王弟子息クフトとその教育係であるドクトールがリーフエルフの里を焼き討ちし、更にはクルス領主の館を襲撃したのだな」
天人族のやせ形の少し長めのオレンジ髪の眼鏡を掛けた男ニムバスが再度聞き返した。
「ハッ! それだけではなく、ドクトールは15年前の王城襲撃事件の実行犯たる黒水に属する幹部でもあります」
その言葉に両手で豪華な椅子を叩きつけるように立ち上がった天魔王クウェインが口を開く。
「それではあの事件の黒幕は弟であるクロードであると言うのか!」
「ヒッ! その通りでございます。俺はその事件には関わってない! いやません! どうか命ばかりはお助けを! 何でも教えます。だから命ばかりは!」
あまりの大きな怒鳴り声にドクトールは命乞いを始める。
「更に今起きている北のゴブリンの氾濫も王弟殿下が指示し黒水が実行した者とドクトールの供述から分かりました」
ネモの言葉に余計なことをとドクトールは睨み付けるが、クウェインがその視界に入ったことで震えあがる。
「これではっきりとクロードの反意が決まりましたな。しかし討伐軍を集めるにしても、北のゴブリンをどうにかせんことには・・・」
ニムバスは考え込む。
「それであれば隣国からの援助で何とか持ちこたえているとの知らせを受けております」
ネモのこの言葉にクウェインは愚かニムバスも首を傾げることとなった。
「それはデモニクス帝国ではあるまいな? それとも獣人の国ビースガルドか?」
ニムバスの問いにネモは首を左右に振る。
「ではどこの国だと言うのだ」
「我領の北、リーフエルフの里の更に北、ドーパンの東に位置する国でございます」
クウェインとニムバスは顔を見合わせる。
「私の記憶が確かならそこは何処の国にも属さない未開の地、辺境と呼ばれる未開の地だぞ?」
クウェインの言葉にネモは頷く。
「左様でございます。その地は天魔国建国に貢献した者が隠れ住む地、妹と私の師匠が管理していた土地にございます」
ネモの言葉にクウェインは何とも言えない表情となる。
「まさか! その地に妻や子共たちが居るのか?」
そこでネモはしっかりと確かに頷いた。
「実を申しますとティア様だけはリーフエルフの里に匿われておりました」
ネモの告白に何とも言えぬクウェインであったが次のニムバスの言葉に般若のような形相に変わった。
「まさか、里への襲撃はティア様を捉えるための物? もしくは殺害が目的か?」




