07話 今後の為に
現れた黒ずくめの男ドクマは片膝を付き頭を下げる。
「このままでは儂のことが王都に知られてい舞う」
するとドクマは顔を上げ
「既に知られているかと」
「何じゃと?」
驚くウージンにドクマは説明を口にする。
「密偵からの報告ではゲイルを子爵に昇爵させ、代官にする命が軍総司令のナハト侯爵により発せられていたとのことだ」
ウージンの顔は青ざめプルプルと震え出す。
「更にゲイルは第二軍を集めている。大方ウージン様を捉える為かと思われる。ああ、ついでにそこの腰巾着もな」
長い歯が出たビーバーの獣人族が懇願するようにウージンを見つめる。
「ここに留まっては最早後が無いか・・・」
「決断するなら早い方が良いぜ。義勇兵まで動き出しちまったらもはや袋のネズミとなる」
「義勇兵などと呼ぶ出ない! 反乱軍と呼ばぬか!」
「クックク、寧ろこっちが今じゃ反乱軍だろうさ」
ウージンはその場で地団駄を踏みドクマを睨み付け
「何とか脱出しなければ・・・そうだ元をただせば王弟殿下の指示、王弟殿下を頼るぞ」
「なら私兵半分を俺に貸しな。それで反乱軍を抑えてやるよ」
「致し方あるまい。しくじるでないぞ?」
私兵を半分も付けるんだしくじったらどうなるのかドクマの方がはるかに理解している。寧ろ確実性を取るなら、もう少し多くの私兵が欲しいところなのだがそれではウージンが納得しないだろうと思いギリギリの半分と言ったのであった。
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動き出した2つの勢力の勝敗を分けるだろう義勇軍の兵舎でアルトは先ほど会った青年ジャミルと相対していた。
「なるほど、ゲイルのおっさんがこの砦の代官に付き、今まさにウージンを捉えようと動いているってんだな?」
アルトは頷く。
「そして俺らに砦からウージンとその配下が逃げ出さね~ように抑えろと?」
「そうだ。俺たちも協力するし、ここで悪党を叩けばこの砦も平和になる。お前たちにも悪い話ではあるまい」
「そりゃあ・・・」
話している最中に外から悲鳴が上がり、剣を交える音が聞こえてくる。慌てた様にジャミルは窓辺へと駆け寄ると窓から周囲を窺うと、周囲はウージンの私兵たちに取り囲まれ更にジャミルの彼女である猫の獣人族の女性フィアが連れ去らわれようとしていた。
「フィア!」
ジャミルは慌てて部屋を後にし、続くようにアルト達も駆けだした。




