26話 竜牙復活
静まり返る会議室の中、ティアーネが口を開く。
「なるほど独自勢力を作っていると言う訳か。良きかな良きかな。我一族からも1小隊分は送ろうか。」
「なっ! クレス様は我らが後見すると決まっておったではないか。取りあえず、近衛予定であったウィルスはすぐにでも就ける。」
「良いのか? 【シーマ】は現在は良くとも今回のことが愚弟に知れれば危うくなるのではないのか?」
「【ウンディーネ】に頼んで書状をウィルザへ昨夜のうちに送っておるわ!」
「なるほど【鉄壁】のウェルザですか・・・彼が指揮しての防衛戦であれば1か月は持ちますね。」
2人の長老が言い争う中、ネモが呟く。
「それにクレス様が独自に勢力を創っているですか・・・詳しく聞いても?」
ネモの言葉にティアはクレスに対して小さく頭を下げる。
「取りあえずは、ここだけの話にしてくださいね?」
クレスは円卓を囲む者たちの他、護衛につくものや侍女たちも見据える。
「ええ、ここにはエルフ族とクレイ殿の仲間しかいませんからね。お前たちも良いね。」
ネモの言葉にその場に居る者たちが頷く。
「分かりました。僕の拠点は【ドーパン】東の未開拓地に作成中です。」
「なるほど、あそこですか。だからティア様と合流できたのですね。」
ネモは頭の中である程度の場所を予測し、里との位置関係から導き出す。
「ええそうよ。」
ティアが肯定する。
「現在の戦力は?」
「現在【クルス】に連れてきているメンバー以外だと・・・」
「クレス様、そこまで教える必要はないであろう。」
喋ろうとするクレスをクレイが止める。
「私から言えるのは、ティア様がそこに加わる予定だ。勿論私も加わるが、少し遅れる。」
意味ありげなその言葉にジャックが口を挟む
「遅れるって、どういうことだクレイ!」
するとクレイは腰に付けた【古刀】を円卓へと乗せる。それを見たジャックとパーラが息をのむ。
「へ~、とうとう覚悟を決めたんだ。」
パーラが口を開き口端を釣り上げる。
「ああ、先代の遺言・・・この【古刀】を修復できるものがいれば・・・」
「「力になれ!」」
クレイの言葉に続くようにジャックとパーラの声が重なる。
「ってことは修復できたのか!」
ジャックの声にクレイが頷く。
「だったら俺が皆に・・・」
ジャックの言葉にクレイは首を振り
「私が決意と共に伝える。だからティア様の護衛を・・・」
「そっちは私の小隊が受け持つ。だからジャックの小隊は団長に付いて行きな。」
パーラが先回りして指示を出し、ジャックが頷いた。




